オール電化住宅である我が家のキッチンをみたガスコンロ歴20年以上の友人は、火の見えない未知なるIHクッキングヒーターを使うのが不安なのか、やはりガスの方が安心だと言います。
ただ、ガスコンロからビルトインIHクッキングヒーターに切り替えて10年以上使い続けてきた立場からすると、火力が弱く火の消し忘れが心配なガスコンロには絶対に戻りたいと思いません。
今回、住み慣れたオール電化住宅のマンションを離れてガスコンロを標準装備している分譲マンションに住み替えることにしましたが、入居後はビルトインIHクッキングヒーターに交換します。
マンション全体で使える電気容量には限りがあるので、全ての住戸でビルトインIH調理器が使える訳ではありませんが、ガス住戸だからと使い勝手が良くて安全なIHを諦める必要はないのです。
今回の内容は、ガスコンロよりもIHクッキングヒーターが優れているということを説明物ではなく、住まい探しをする時の選択肢としてガスコンロ以外もあるといことをお伝えするための内容です。
IHで調理が楽になる
ガスコンロを長年使用していると火が見えないIHは使いにくいと言う人がいますが、それはビルトインIHを使用したことがない想像の域を出ない話で、実際は60代後半の人でもすぐに使いこなせるようになります。
その1
IHで調理時間を短縮
200VのビルトインIHクッキングヒーターは火力がとても強いので、鍋のお湯を短時間で沸騰させたりフライパンを素早く加熱することができるので、ガスよりも調理時間を短縮させることができます。
ガスで鍋のお水を沸騰させる時はエネルギーロスするので最大火力にしても沸騰するのに時間がかかりますが、IHの場合は鍋やフライパンなどの調理器具自体が発熱するのでエネルギーロスが少なく素早く加熱できます。
普段の調理でビルトインIHのパワーを最大にすることはありませんが、急な来客でお茶を入れたり冷たい布団を温める湯たんぽに使用したりと、短時間でお湯を沸騰させるのに重宝します。
その2
IHは弱火でも安定した加熱
昆布の出汁を作る時は一番弱い火力で時間をかけながら鍋を過熱させますが、IHの場合火力が安定しているので出汁が完成するまでテレビをみたり、ダイニングテーブルの席に座りながらお茶を飲むこともできます。
ガスの場合は火を使うのでキッチンから離れるのは危険ですし、安全装置のあるガスコンロでもセンサーが反応して、自動的に火が消えてしまうことが頻繁にあるので、火を使う間は側から離れる訳にはいきません。
出汁や煮込み料理などの時間をかけて調理する料理は、火が消えてしまい時間を無駄にしてしまう可能性のあるガスよりも、安定した火力で洗物やお茶を飲みながらテレビをみられるIHが便利です。
その3
IHは電気を使うので乾電池の交換がない
電気が使えないビルトインガスコンロには、点火やガス漏れを検知するのに電池が必要となりますが、調理中に電池が切れたり予備の電池がないと大きなストレスを感じてしまいます。
一部のハイエンドなビルトインガスコンロは電気でパネルの操作やセンサーが働きますが、分譲マンションや戸建てで使われる標準装備のガスコロンは、電池の交換必要になります。
その点、ビルトインIHは電気を使用するので火力の点火やタイマーの設定はもちろん、天婦羅鍋の温度センサーを頻繁に利用しても、電池切れによるストレスを感じることがありません。
その4
天面付近の操作ボタンが便利
今どきの分譲住宅やマンションに標準装備されているビルトインガスコンロは様々な操作ボタンが付属していたりしますが、集約された操作ボタンが天面にない物が多く操作がかなり面倒に感じます。
ビルトインクッキングガスコンロにも、火力を調整したりタイマーの設定ができる操作ボタンが天面付近にある製品もありますが、高機能なガスコンロは電池の減りが早いので予備の電池を置く必要があります。
その点、ビルトインIHクッキングヒーターは、基本的に操作ボタンは調理でも操作がしやすい天面付近にあるので、火加減の調整やタイマーの操作がスムーズに行えるので余計なストレスなく調理することができます。
その5
IHはキッチンが暑くならない
夏にガスコンロを使用しているとエネルギーロスにより発生した熱でキッチンが蒸し暑くなりますが、IHの場合はフライパンや鍋以外の物は熱くならないので夏場でも快適に調理することができます。
中華料理屋などのお店に行くと定食屋に外食をしにお店に行くとレストランにガスを大量に使うレストランの調理場は、夏になると70℃にも達することがあるからです。
昔住んでいた2LDKのマンションのキッチンには窓がなくエアコンの冷気も届かないので、夏になるとお湯を沸かしたり炒め物をするだけでサウナの様に暑くなるので、外食ばかりしていました。
その6
IHはキッチンが広く使える
70㎡前後の一般的なガスを使うマンションはIタイプのキッチンを採用している物件が多いのですが、調理スペースに限りがあるので食材を置いたり下ごしらえをする場所を確保するのが大変です。
その点、ビルトインIHクッキングヒーターは、ガラストップがオールフラットなので調理スペースとして利用できますし、火を使わないので加熱調理をしている時でも食材を置くことができます。
我が家のキッチンはIHクッキングヒーターとシンクが離れているIIタイプキッチンということもありますが、大手デベロッパーのモデルルームでもガスだとキッチンスペースが狭く感じてしまいます。
その7
IHだから掃除が簡単
調理という物は美味しい料理を作るだけでなくキッチンをきれいに後片付けするまでがセットですが、フラットではないガスコンロを毎回きれいに掃除するのは大変なので、大掃除の時にまとめてしていました。
その点、ガラストップを採用しているIHは全面フラットなので毎日の拭き掃除が簡単ですし、油汚れが付着するのを防止するマットがあるので、ガスコンロのように分解して掃除する必要がありません。
汚れ防止マットを使用しても徐々にガラストップは汚れてきますが、油汚れに強い洗剤をかけてサランラップやアルミホイルで研磨すれば簡単に落とせるので、常に清潔な状態を保つことができます。
IHは安全だから安心できる
過去にガスコンロを使用していた時の出来事ですが、笛吹ケトルを使用している安心感から火をつけたまま雑誌を読んでいると、いつの間にか火が消えていて慌てたことがあります。
その他にも、やかんの底からはみ出た炎がハンドルを焦がしたり衣類の袖に引火したりと、完全な不注意によるものではありますが危険な体験をしたことで、一時的に火を使うのが怖くなりました。
その後は、消したはずのガスコンロの火が気になり出勤途中で自宅へ何度も確認しに戻るなど、ビルトインIHクッキングヒーターを使う今では考えられないくらい心配していました。
一酸化炭素が発生しない
酸素を燃焼させるガスコンロを使用する時はキッチンの換気扇を使用するのは常識ですが、IHクッキングヒーターの場合は調理中の匂いを気にしないのであれば換気扇なしでも使用できます。
ビルトインIHクッキングヒーターを作動させると換気扇が自動で動き出すので、実質換気扇を使用しないで調理することはできませんが、火が消えたり一酸化炭素中毒になる心配がありません。
センサーの誤動作がない
最新のビルトインガスコンロには安全装置がついているので、昔のガスレンジよりも遥かに安全になりましたが、炒め物をしている時にセンサーが高温を検知して弱火になることがあります。
安全装置が働かないよりも誤動作でガスが停止したり火力が弱くなる方が遥かに安全ですが、火力が弱くなるのが嫌で高温設定にしますが、それではセンサーの意味がありません。
温度センサーの誤検知を防止するために、揚げ物をする天ぷら鍋はビルトインIHクッキングヒーターに付属している物を必ず使うことが大前提ですが、10年以上使用して一度も誤動作したことがありません。
衣類に引火したり持ち手が熱くならない
IHがガスコンロよりも安全と言われる最大の理由は火を使わないからですが、火を使わないことで何が安全かというと調理中の炎が衣類の袖に着火したり、鍋の持ち手を焦がすことが絶対にありません。
鍋底の小さい鍋をガスコンロの強火で加熱すると炎がはみ出してしまいますが、そのはみ出した炎でエネルギーロスをしているのと同時に、衣類の袖に引火したり持ち手が熱くなり火傷することがあります。
ガスの場合は、底の大きいやかんや鍋を使用した方が炎がはみ出さないのでエネルギーの無駄が少なく安全にお湯を沸かすことができますが、底面が小さい調理器具を使う時は気を付けなければなりません。
我が家では不足気味の鉄分を補うために毎日鉄瓶でお湯を沸かしていますが、一般的なやかんよりもサイズがかなり小さいのでガスだと弱火か弱中火で加熱しなければなりません。
その点、調理器具の底面自体が発熱するIHは、どんなに火力を強くしても炎が底面から漏れることがないので、ガスコンロよりも短時間でお湯を沸かすことができて便利です。
IHクッキングヒーターを使うための条件
IHクッキングヒーターを使うには単相3線式の200Vが必要になるため、必要に応じてブレーカーを追加したり契約容量をアップしたりと、いくつかの条件をクリアする必要があります。
ガスを使う家庭でも基本的に単相3線式の電気が引いてありますが、もし単相2線式の電気を引いていたり使える電気の容量が不足する場合は、引き込み工事や幹線の入れ替えをしなければなりません。
自宅に引き込まれている電気が単相3線式なのか調べる方法は、電柱から入り込んでいる線が3本なのかを外から確認するか、自宅の分電盤に3本の線があるかを確認してください。
ビルトインIHクッキングヒーター専用の回路がない場合やブレーカーに空きがない場合も工事が必要になりますので、まずはブレーカーと自宅の設計図書を確認してください。
詳しいことがわからない人は、自宅を施工した建設会社に問い合わせるか、業者に調査依頼をお願いして欲しいのですが、連絡をするショールームで体験することをおすすめします。
汐留には、ビルトインIHクッキングヒーターでシェアNo.1のパナソニックのショールームがありますので、キッチンやブレーカーの撮影と採寸をしてから相談してください。
マンションの場合は、電気設備の関係でビルトインIHクッキングヒーターに切り替えできる戸数は限られてしまいますが、ガスを使うマンションだからとビルトインIHクッキングヒーターを諦める必要はありません。
ビルトインのガスコンロからIHに切り替える際は、施工業者に連絡する前に必ず管理会社へ連絡し工事が可能か確認して、マンション全体をカバーする設備の不具合が起きないようにするのが大切です。