ひと昔のマイホームと言えば、不動産会社で物件を紹介してもらうか、駅で無料配布されている不動産情報誌を頼りに探していましたが、情報の範囲が狭くリアルタイム性が欠けていました。
今の時代はSUUMOなどの不動産情報サイトあるので、住みたい地域、間取り、価格、最寄り駅までの距離などを決めて検索するだけで、新築中古問わず条件に一致する物件が瞬時に表示されるのでとても便利です。
そんな便利な不動産情報サイトにアクセスすると、モデルルームのデザインや設備の紹介はもちろん、建物の設計方法など様々な情報が掲載されていますが、そのなかで地味に重要なのがマンションの総戸数です。
総戸数と比例する毎月の費用
マンション一戸建て関係なく気になるのが毎月支払う住宅ローンの金額ですが、マンションの場合は一戸建てと違い毎月管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。
管理費と修繕積立金の額はマンションの総戸数に比例するので、総戸数が50以下の小規模だと毎月負担する金額が大きくなるので、毎月の支払い額を抑えたい人にはおすすめできません。
部屋の広さや共用スペースのグレードでも毎月支払う修繕積立金の額が変わるので、分譲マンションを購入する時は物件価格だけでなく管理費や修繕積立金の違いにも注目してください。
エレベータ―の数や機械式駐車場はもちろん、豪華なエントランスやキッズルームがあると毎月支払う費用に加算されるので、総戸数の他にも共用スペースの設備にも注意が必要です。
大規模マンションが抱える問題
総戸数200を越える大規模なマンションは、管理費や修繕積立金が低く設定されていることが多いので、毎月の支払いを抑えたい人にはおすすめですが、人が多く集まるマンションには様々な問題があります。
例えば、分譲マンションに入居した住民で結成される管理組合ですが、総戸数が100を越えてくると意見がまとまらないばかりか、問題解決に必要な決議が通らないこともあります。
世の中には様々な人がいるので色んな意見があるのは当然のことですが、100戸を越える数の住民の意見を聞いて解決案を考えて説明をするとなると、かなりの時間と労力を必要とします。
最初に住んだマンションは総戸数が60戸ということもあり、管理費や修繕積立費の支払いは若干高く設定されていましたが、意見がまとまりやすくスピーディに物事が進みました。
それに対し300戸以上の分譲マンションに住む知人は、派閥勢力の対立や共用スペースの乱暴な使い方などの日常的に起きるトラブルが嫌になり、入居してから3年足らずで引越しをしました。
大規模なマンションには、豪華なエントランスやキッズスペースなどがあり魅力的ですが、一部の住民グループだけが利用するなど住みやすい環境とは言えない状態とのことでした。
中古マンションは売却履歴を確認
転勤や離婚で売却するケースはどんなマンションにもありますが、本当に住みやすい物件は住民の入れ替わりは少ないので、築年数が浅くて手頃だからと飛びつくのはリスクがあります。
購入を検討している中古マンションがあるなら、まずはSUUMOで同時に売り出している物件がいくつあるか確認し、必要があれば不動産仲介業者に過去の売却実績を聞いてみるのも良いと思います。
転勤や子供の教育に合わせて引越しをするなど、人それぞれ家を売却しなければならない理由は色々ありますが、少なくとも住民同士のトラブルが絶えない物件を購入するのだけは避けなければなりません。
住民のマナーの悪いマンションは、禁止されているエントランス前に自転車を停めたり自宅前まで持ち込むのはもちろん、ベランダから物を投げたり喫煙する人がいるので、掲示板に多くの貼り紙があります。
悪質な人は、毎月支払わなければならない管理費や修繕積立金を何年も滞納する人もいるのですが、その数が多い程購入してはいけないマンションということになります。
タワーマンションにはカースト制度があるのは有名な話ですが、総戸数100を大きく超える大規模なマンションは、ストレスになる要素がそれだけ集まるということを理解することが大切です。
個人的におすすめなマンションの総戸数は100前後で、30戸程度の物件は古くなる度に毎月の支払い額が増えても余裕がある人が買うべき物で、200戸以上はトラブルを気にしない人におすすめです。
毎月管理費や修繕積立費が1万円違えば10年で120万円の差がでますし、住宅ローンの支払いが終わる35年後には420万円にもなるので、総戸数にも注目してマンションを購入するのがおすすめです。