不動産一括査定はデメリットだらけ!?家の売却はフリマアプリと同じ

念願の夢を叶えたマイホームや思い出ある実家を仕方なく売却しなければならない時、少しでも高く売りたい気持ちから不動産一括査定を利用する方がいますが、全くの逆効果で意味がないので絶対にしてはいけません。

不動産業界で働く方や投資目的で不動産売買取引をする人でなければ、家の売却に関する知識がないのが当たり前で、とりあえずいくらで物件が売れるのか知るために不動産一括査定をしますが、それが大きな失敗の第一歩です。

今回は、実家の相続やマイホームの買い替えのために不動産を売却した経験から、大切な住まいを売却する時にしてはいけない一括査定の実態や、家をスムーズに売るための方法を初心者にもわかりやすく説明します。

不動産売買とフリマアプリと同じ

不動産売買はメルカリで物を売るのと同じで、どんなに売り手が高く売れると思う物件でも、買い手が高いと思う不動産は絶対に売れないので、売り抜くためなら価格を下げたり、資産価値を上げたりする工夫をしなければなりません。

メルカリで物を売る時は、既に売買が成立している同じ物や競合相手の出品価格を参考にしながら金額を決めるので、自分が売ろうとしている物がいくらで売れるのか、骨董品でない限り第三者に査定してもらうことはしません。

不動産の売買とメルカリの取引は基本的に同じで、過去に売れた類似物件の価格や競合物件の価格を参考に売値を決めるのですが、骨董品と同じで取引金額が大きいだけに専門家の査定は必要になります。

ただ、いくら不動産仲介業者が査定した価格が高値だとしても、物件の価格を決めるのはあくまでも購入者なので、現実的にありえない査定額を提示されたからと喜んでも全く意味がありません。

不動産一括査定はデメリットだらけ

営業力や知名度のない不動産仲介業者は、大手に対抗できる材料がないため、競合物件や過去の取引実績とは程遠い査定額を提示し、強引に媒介契約をすすめてくるので注意しなければなりません。

高い査定額を餌に顧客を増やす作戦は決して違法なことではありませんが、売れない金額で売り出したところで買い手は現れないので、結局のところ売り出し価格を下げなければなりません。

適正価格よりも高すぎる物件は、競合物件を引き立てるための材料にしかならないので、不動産一括査定のなかで一番高値という理由だけで仲介業者を選ぶと、結果的に損する可能性が高くなります。

大手不動産仲介会社6社に限定して一括査定を依頼するサービスもありますが、査定の金額は必ずしも売れる金額とイコールになる訳ではないので、多くても2社に声をかければ十分です。

不動産を売却する上で一番重要なのは、売れない価格の査定額を出してくる仲介業者を選ぶのではなく、何故この物件をこの価格で売り出す必要があるのか、客観的なデータに基づいて説明してもらえる業者を選ぶことです。

そんな理由で、不動産一括査定は全くの意味がありませんし、不動産の売却を遅らせたり大幅な値下げ依頼に心証を悪くしたり、競合他社からのセールスを断わるという手間を考えると、デメリットしかありません。

ルールを守らない企業もある

昭和の時代と比べれば不動産業界もコンプライアンスや企業イメージを意識するようになりましたが、令和の新時代でも一部の不動産業者は顧客情報を売買したり、強引な値下げを要求してくることがあります。

一部の大手不動産仲介業者でも売れない価格の査定をする時がありますが、コンプライアンスを無視した強引な取引まではなかなかできないので、一括査定も大企業相手なら比較的安全です。

一番厄介なのは、既に専属専任媒介契約を結んでいるにも拘わらず、業界ルールを無視して家にまで押しかけてくる中堅以下の不動産仲介業者で、かなり強引な手口で攻めてくることがあります。

大切な資産を強引な不動産仲介業者から守るには関わらないことが一番なのですが、不動産一括査定を申し込むことで不動産の価値を下げる業者に連絡先を知られる可能性が高くなります。

家の売却は急がば回れ

家を売却する時は無意味な査定に時間を割くのではなく、宣伝能力が高く物件を確実に売却できる不動産仲介業者はどこなのか見極めた上で、媒介契約の形態を決めるのがおすすめです。

不動産を売る側は、一番高く売却してくれそうな仲介業者を選びたがりますが、買い手からすると信頼性やアフターサービスが充実した業者から、安全に購入したいと考えるのが普通です。

高い査定額につられて媒介契約を結んだものの、広告費用をかけたり既存の顧客を抱えていない仲介業者では、良質な物件でも埋もれてしまい売却のタイミングを逃してしまいます。

今はSUUMOやホームズなどの不動産売買サイトが充実しているので、昔ほど新聞にチラシ広告を打つことが少なくなりましたが、意外と反応が良いので、資金力に余裕のある大手仲介業者で売却するのが有利です。

おすすめの不動産仲介業者

不動産仲介業者のなかで、売りてだけでなく買い手の満足度が高いのが三井のリハウスと東急リバブルの2社で、マンションの買い替えの時や実家の売却でお世話になりました。

検証のために他の不動産仲介業者とも媒介契約を結びましたが、体育会系の気合だけで売ります的な社風と大幅な値下げをすぐに要求してきたので、媒介契約の更新はせずに他社へ乗り換えました。

営業力と知名度で言えば三井のリハウスが優秀ですが、本当に売れる値段の物件評価するので、売り手からすると高い査定額を提示してくる他社に魅力を感じてしまいます。

ただ、査定額に釣られて買い手が安心できるアフターサービスや、営業力がない業者に物件の売却を任せたところで、三井のリハウスの査定額よりも高い金額で売れる可能性は低いと言えます。

アフターサービスの内容で言えば、購入後のアフターサービスだけでなく、媒介契約後に受けられる簡単なハウスクリーニングや、建物検査を無料で利用できる東急リバブルが最も充実しています。

三井のリハウスと東急リバブルのどちらを選んでも買い手は安心できるので、2社に査定依頼をお願いした上で営業担当者のやる気や能力をみてから媒介契約を結ぶのがおすすめです。

営業担当者のやる気が重要

実家の売却や住み替え前のマンションを売却した時は、時間的に余裕がありましたので専属専任媒介契約を選びましたが、短期間で売りたい時は一般媒介契約という方法もあります。

専属専任媒介契約にしたところで、毎週届く営業活動レポートは何の役にもたたないので、一般媒介契約にした方が早く物件が売れますが、不動産一括査定と同じで、免れざる業者からのコンタクトもあります。

売却が困難な物件ならともかく、都心部や立地の良い場所にある住まいや工場なら、安心感がある大手不動産仲介業者でやる気のある営業担当者が付けば、メリットがない不動産一括査定を利用しなくても売れるものは売れます。

個人的におすすめなのは、まだ頼りなさが残る30代前半の営業担当者で、経験不足を補うだけのやる気と熱意がある年齢なので、不動産の売却のために一生懸命働いてくれます。

不動産を売却する時に一番重要なのは、タイミングと適正価格と需要と営業担当者の頑張りで、物件を売るのに根拠のない不動産一括査定の金額は、逆に住まいの売却を遅らせるだけです。

不動産一括査定サイトの数はかなりありますが、そのほとんどが実際に住まいや土地を売却した経験のある人が運営をしている訳ではないので、目的なしに利用する必要はないと思います。