オール電化住宅のマンションに10年以上暮らしていたこともあり、次の新居でも絶対にビルトインIHクッキングヒーターを使いたい考えていましたが、残念ながら今のマンションはガスコンロが主流です。
ガスコンロよりも便利で安全なビルトインIHクッキングヒーターが分譲マンションで普及しないのは、夢のマイホームで失敗したくないという人間心理と、東日本大震災発生当時に拡大した節電意識が原因です。
数か月間過ごした仮住まいの生活で改めてガスコンロの危なさと不便さを再認識しましたので、新築分譲マンションのオプションサービスを利用し、ビルトインIHクッキングヒーターに交換してもらいました。
IHはガスより安全で便利
今回の住み替えのために売却したオール電化マンションの内覧に来て、ガスの方が安心で便利だからで好きだと漏らす人もいましたが、一度ビルトインIHを使用すると、危険で不便なガスコンロには戻れなくなります。
一時的に仮住まいをした賃貸マンションはガスコンロで、ガスコンロを使用しているとロスした熱でキッチンが暑くなることや、テーブルトップの掃除がとてもやりにくいのでストレスを感じてしまいました。
他にも、どんなに些細なことでも必ず換気扇を使用しなければなりませんし、噴きこぼれると調理中に火が消えてしまいガス漏れを起こすなど、昔から安全性能があまり向上していない旧世代の住宅設備という印象です。
ガスコンロの上位機種になると温度設定をしたりタイマーを設定できたり、お粥やご飯を自動で炊いてくれる便利機能が使える製品もありますが、最新ビルトインIHクッキングヒーターと比べると不十分です。
熱効率の良いIHは、ガスよりも省エネでガス漏れや二酸化炭素中毒の心配もありませんし、美しくてフラットなガラストップは拭くだけの簡単お掃除なので、大切なキッチンを常に清潔に保つことができます。
IHに交換可能か確認
どんなに新しい物件でも、200Vが使える予備の電気配線がキッチンに届いていない場合は、ガスコンロをビルトインIHクッキングヒーターに交換することはできないので、まずは配線図を確認することが大切です。
ガスコンロをIHクッキングヒーターに交換できるのか、どのメーカーの営業担当者に質問しても即座に答えられないのは、それだけ要望が少ないのが原因ですが、だからとIHがガスよりも劣るという訳ではありません。
分譲マンションの公式サイトには、ガスレンジからIHクッキングヒーターに交換可能か明記されませんし、オール電化対応マンションでない限り営業担当者も説明しないので、顧客から質問しなければなりません。
ガスを使う分譲マンションなら、標準装備のガスコンロを使うのが当たり前と思うのも自然なことですし、今までIHを使用した経験のある人でなければ交換可能か積極的に質問することはありません。
施主と何度も打ち合わせをしながら家を建てる注文住宅なら、設計の段階でビルトインIHクッキングヒーターにするのか議論されますが、ある意味建売住宅と同じガス物件ではIHに交換できないと思う人もいます。
最近の新築分譲マンションや建売住宅は、ビルトインIHクッキングヒーターが使えるように、200Vが使える予備配線がキッチンにまで引かれてますが、全ての物件がそうとは限らないので必ず配線図を確認してください。
ビルトインIHクッキングヒーターに使える予備の電源がない場合は、天井に露出させる形で配線を通すことになるので、IHを希望する方は物件の契約をする前に何度も配線を確認することが大切です。
IHにする住戸が少ない理由
提携しているオプション会社にビルトインIHクッキングヒーターへ交換した住戸の割合を聞いてみたところ、販売戸数に対して6%と比較的高い数値とのことでしたが、平均は3%程度とのことでした。
モデルルームがオープンしたばかりの建設中物件で、ビルトインIHクッキングヒーターを選択できるデザインプランがあれば別ですが、基本オプションとなるビルトインIHクッキングヒーターは別途費用がかかります。
デベロッパー担当者から説明がない、オプションカタログにも掲載されていない、ビルトインIH交換にはコストがかかるなど、様々な要因でガスコンロを使用する住戸が多いのが現状です。
ガスコンロを使用するよりも安全なビルトインIHクッキングヒーターをプランから選べれば、火災になる可能性が低くなるので安心できるのですが、火が見えないと安心できないという人がいるのも事実です。
オプションサービスを利用
ガスを使用する分譲マンションには標準でガスコンロが装備されている訳ですが、オプション扱いとなるビルトインIHクッキングヒーターに交換するなら、当然ながらキッチンから取り外さなければなりません。
高価なガスコンロを一度も使用せずに、処分するのは気持ちが良いものではありませんが、引越したばかりで荷物が散乱する部屋に置いても邪魔になるので、提携するオプションサービス業者へ引き取らせることにしました。
マンションデベロッパーと提携しているオプション会社のオプションは、割高に感じるので今まで利用したことがありませんが、今回ばかりはリスクを避けるためにIHへの交換作業を全面的に任せることにしました。
費用のことを考えると家電量販店や住宅設備業者に依頼するべきですが、マンションデベロッパーと提携しているオプションサービス業者の方が、配線の仕様やガスの配管位置を把握しているので安心です。
マンションの設備状況を詳しく把握していない提携外の業者に作業依頼し、ガスコンロで使用していた配管の処理が適切にされないなどの問題が発生した場合、事態の収拾が困難になる恐れがあります。
ガスコンロをIHに変更した費用
ガスレンジをビルトインIHクッキングヒーターに交換する費用について施工費込みで10万円可能と紹介しているサイトもありましたが、今回のIH交換作業で発生した費用は約25万円とかなり大きな価格差がありました。
ガスコンロをビルトインIHに交換する作業は、単純にガス調理器具を電気に交換するだけではなく、ブレーカーを200Vに対応させたり不要なガス管を撤去しなければならないので、それなりの作業費が発生します。
ビルトインIHクッキングヒーターで人気なのはPanasonicの製品で、今回購入したKZ-CX37PWは本体価格だけで20万円以上するので、施工費を含めると25万円にもなります。
加熱するだけの基本的な機能のビルトインIHであれば10万円前後の低価格な製品もありますが、今後10年使用する住宅設備なのを考えると少しでもグレードの良いモデルを選びたいものです。
新築分譲マンションを購入する時の楽しみと言えば選べるオプションがありますが、今回は効果が分かりにくいフローリングコーティングの予算をビルトインIHクッキングヒーターで使うことにしました。
必要な電気容量
ビルトインIHクッキングヒーターは、3KW以上の電源を使用するので200Vの配線とブレーカーが使えることが大前提ですが、その他にも電気契約アンペア数にも気を付けなければなりません。
エコキュートを使用するオール電化住宅で生活していた時は60Aを契約していましたが、今回は電力会社のアドバイスに従い40Aで契約し、ブレーカーが落ちるなら50Aに引き上げることにしました。
18畳対応のエアコンや食器洗い乾燥機など、電気を多く消費する住宅設備があることを考えると50Aを契約しても良いのですが、食洗器を使用する予定はありませんし浴室乾燥もガスなので40Aで様子をみることにしました。
毎月300円程度の差でしかありませんが、10年単位で考えると無視もできない金額なので、電気の使い方を少し工夫して少しでも月額の基本料金を抑えた方がお得です。
電力やガスを提供する会社は、利用者が有利になる料金プランは積極的に紹介してくれないので、毎月送られてくる料金表を確認しながら、より良いサービスプランへ乗り換えてください。
ガスコンロより圧倒的に便利で安全なビルトインIHクッキングヒーターですが、実際に使用した経験がない方は何に気を付けて、どんな製品を選ぶべきか全くわからないということで相談されることが多々あります。10年以上ビルトインIHクッキングヒ[…]