PCバックアップを一元管理できるNAS Synology DS1819+徹底レビュー

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NAS おすすめの最強NAS Synology

NASの世界でおすすめなメーカーと言えば、ハードウェア性能と拡張性が高い製品を豊富に揃えたQNAPと、サーバとPCクライアントの集中バックアップが可能で、音楽や動画の再生にも強いSynologyとなります。

今まで何十台ものNASを導入しているのですが、高速なデータアクセスが必要な時はQNAPの製品を選び、高いセキュリティやPCやサーバのバックアップを一元管理するならSynologyの製品を利用しています。

今回は、ファイルサーバーだけでなくPCクライアントやサーバのバックアップを一元管理できる高性能なソフトが無料で使える、最強クラスのNAS Synology DS1819+の特長や機能について紹介します。

サーバCPU搭載NAS

10TBを越える大容量ディスクを標準で8本搭載可能なSynology NAS DS1819+は、サーバ向けに開発されたクアッドコアCPU Intel Atom C3538を搭載した企業向けのNASです。

QNAPの8ドライブタイプNASに、スコア9,700のCore i5-8400Tを搭載した製品があることを考えると、スコア2,455のAtom C3538は非力に感じますが、サーバ向けCPUという安心感があります。

CPUIntel Atom C3538 クアッドコア 2.1 GHz(64bit)
メモリプリインストール:4 GB DDR4(最大32GB)
ドライブベイ8(3.5インチ、2.5インチ対応(最大128TB)
拡張ユニット使用時最大18288TB(内蔵128TB+16TB×10)
ネットワークRJ-45 1GbE LAN ポート4(Link Aggregation / フェイルオーバー対応)
外部ポートUSB 3.0 x 4、eSATA x 2
拡張スロットPCIe 拡張1 x Gen3 x8 slot (black, x4 link)
外寸(縦x横x奥)166 mm x 343 mm x 243 mm
重量6kg
保証3 年間ハードウェア保証、5 年に延長可能

DS1819+に標準で搭載されているメモリは4GBですが、16GBのメモリを2本搭載すれば最大32GBまで拡張できるので、サーバや同時に10台のPCのバックアップを取得したり、仮想OSを無理なく動かすこともできます。

標準で10GbEネットワークに対応していないのが残念ですが、PCIe拡張スロットに10GbEやSFP+のネットワークカードを追加すれば高速なデータアクセスが可能となります。

Synology NAS ds1819+拡張スロット

6GbpsSASディスクを搭載したファイルサーバをバックアップした場合、10GbE標準搭載のSynology DS1817なら平均スループット4,106MB/分なのに対し、1Gbps接続のDS1819+は2,317MB/分となりました。

12GbpsSAS搭載のファイルサーバなら更にスループットに差が出るので、大容量のデータをバックアップするなら拡張スロットに10Gbpsネットワークカードの搭載をおすすめします。

因みに、標準で10GbEネットワークポート搭載のDS1817は、Active Backup for Businessなどの便利な機能が使えないので、ファイルの共有サーバかiSCSIストレージとして使うのがおすすめです。

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おすすめの最強NAS Synology

柔軟性高いストレージ

内部ドライブは最大で128TB、拡張ユニット使用時には最大で288TBのディスクを搭載可能ですが、作成可能なシングルボリュームのサイズは仕様上108TBが最大となります。

16TBのHDD8本をRAID-0で構成すれば128TBになりますが、RAID-6でストレージを設定した場合は96TBとなるので、Synology DS1819+本体だけであればボリュームを分割する必要はありません。

Synology NASはRAID-1をRAID-6にマイグレーションしたり、ディスクを追加して後から容量を増やすことができるなど、柔軟性が高いストレージなので導入時の費用を抑えることもできます。

最大内部ボリューム数64
iSCSIiSCSI Target最大128、iSCSI LUN最大256
内蔵ドライブファイルシステムBtrfs、EXT4
外部接続ドライブBtrfs、EXT4、EXT3、FAT、NTFS、HFS+、exFAT(購入)
SSD Trim
対応する RAID タイプSynology Hybrid RAID、Basic、JBOD、RAID 0, 5, 6, 10
RAIDマイグレーションBasic to RAID-1, Basic to RAID-5, RAID-1 to RAID-5, RAID-1 to RAID-6
ホットスワップ
グローバルホットスペア
ディスク追加後ボリューム拡張Synology Hybrid RAID, JBOD, RAID 5, 6
ハードディスクの管理HDDハイバネーション、S.M.A.R.T.、動的不良セクタマッピング

バックアップデータの増大に伴いストレージ構成を何度も変更しましたが、SynologyのRAIDマイグレーションやディスク容量拡張機能は優秀なので、データが消えることは一度もありませんでした。

どんなシステムでもストレージ構成を変更する時は、バックアップを取得するのが鉄則ですが、50TBを越えるデータ量は困難なので、他のNASに複製したこともあります。

Synologyで利用可能なRAIDタイプには、一般的な0, 5, 6, 10の他にBasic, JBOD, Synology Hybrid RAIDがありますが、特に理由がなければRAID-6をおすすめします。

ディスク容量を最大限に活用できるという意味でJBODは最も有効ですが、RAID-0と同じく信頼性を犠牲にしているので、大切なデータを保存するストレージに使用するべきではありません。

Synology Hybrid RAIDは、信頼性を確保しながら異なる容量のディスクを組み合わせる魔法のような仕組みですが、トラブルが起きた時にデータ復旧の難易度が上がるのでおすすめしません。

優れたバックアップ機能

企業内PCやサーバのバックアップ、NASのリアルタイムレプリケーションなどデータ保護機能を重要視するなら、ビジネスに役立つ機能が制限されていないPlusシリーズ以上の製品がおすすめです。

High Availability Managerを利用すれば、2台のNASをアクティブとスタンバイに設定して運用できますし、Hyper Backup Vaultを利用すれば他のNASのバックアップストレージとして利用することもできます。

Synology High Availability
Snapshot Replication共有フォルダ毎の最大スナップショット数1,024
Hyper Backup
Hyper Backup Vault
Active Backup for Business

もちろん、Hyper Backupを利用すればNASのデータを外付けデバイスに保存したり、GoogleドライブやMicrosoft Azureなどのクラウドストレージにバックアップすることもできます。

8ドライブベイのSynology DS1819+を購入した理由は、サーバやPCクライアントのバックアップを一元管理する、Active Backup for Businessを利用するためで、これだけでも導入する価値は十分にあります。

synology NASでバックアップを一元管理

ファイルサーバのバックアップは、コピーするファイルの種類を指定しなければならないのが不便ですが、Windows PCクライアントや物理サーバのバックアップを一元管理できるのでとても便利です。

Windows PCに外付けHDDを接続してバックアップするのも良いのですが、システム管理者で一元管理した方がバックアップ不備でデータを復元できないリスクを各段に減らすことができます。

ネットワーク経由で復元することを考えると、大容量なファイルサーバの全体復元には向いていませんが、ボリュームシャドウコピーの要領でバックアップした日時とファイルを指定して復元することもできます。

同時にバックアップするクライアント数を最大で10にまで制限できるので、ネットワークの帯域を圧迫したり負荷によりシステムのパフォーマンスが著しく低下するのを抑えることも可能です。

簡単強力なセキュリティ機能

Synology NASのセキュリティ機能はとても強力で、ファイル共有やバックアップストレージだけでなく、FTPSサーバにしたりWordPressでWebサイトを公開することもできます。

インターネット上にNASを公開する予定があるなら、Synologyの高機能なファイアウォールは必須で、管理画面のアクセスをローカルネットワークだけに制限したり、FTPやサイトを公開する地域を決めることもできます。

インターネット上にWebサイトやFTPを公開する時に必要なSSL証明書のインストールも、SynologyのNASなら全てGUI操作で行うことができるので、初めての方でも安心です。

過去にグローバルサインが発行したSSL証明書をQNAPのNASにインストールした時は、Windows IISでCSRを発行したりOpen SSLで証明書から必要なファイルをコマンドで抜き出す必要がありました。

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最強NAS Synology

従来のNASを越えた機能

他にも、仮想環境を構築してWindows ServerをNAS上で動かしたり、IPベースの監視カメラで撮影した映像を録画したり、データを保存するだけの一般的なNASとは比べ物にならない高機能なのが特長です。

Synology DS1819+は搭載可能なドライブ数が8本と多いだけに導入コストがかかるので、IP監視カメラの録画や仮想環境を構築するだけなら同じ機能が使えるDS918+がおすすめです。

ファイアウォール、暗号化共有フォルダ、SMB暗号化、FTP over SSL/TLS, SFTP, Rsync over SSHなど
仮想環境仮想化最大4(VMware vSphere 6 with VAAI, Windows Server 2016, Citrix ReadyOpenStack)
IP監視カメラ最大接続数40 (2 個の無償ライセンスを含む)
ビデオ コード変換1 チャンネル, 30 FPS @ 1080p(1920×1080), H.264 (AVC)/MPEG-4 Part 2 (XVID, DIVX5)/MPEG-2/VC-1

他にもNASを外部からリモートアクセスするVPNサーバとして構成したり、ネットワーク接続の認証に使用するRADIUSサーバとして構築することもできる、一般的な家庭で使うNASとは桁違いに高機能です。

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10Gbpsネットワーク対応

Synology Plusシリーズには、導入コストを抑えられる4ドライブベイのDS918+や、RAID-6とホットスペアが設定できる5ドライブベイのDS1019+がありますが、残念ながら10Gbpsネットワークを利用できません。

無線LANや100Mbps有線LANと比べれば高速な1Gbpsネットワークですが、高速なインターフェイスのUSB3.1やThunderboltはもちろん、SATA接続のHDDよりも低速でボトルネックとなります。

最近は大容量なSSDの低価格化が進み、NASの性能とデータアクセスを高速化させるためにSSDを搭載する人が増えていますが、1Gbpsネットワークが原因で満足なパフォーマンスを発揮していないのが現実です。

10Gbpsの高速通信を求めるシーンは限られるのかもしれませんが、少なくとも4K/8K放送の映像を制作したり、5TB以上のファイルサーバのフルバックアップをするなら、通信の高速化は必須です。

Active Backup for Businessのバックアップなら1Gbpsネットワークでも対応可能ですが、BackupExecでフルバックアップを定期的にするなら、オプションで10Gbpsネットワークに対応可能なDS1618+もしくはDS1819+がおすすめです。

因みに、220GBのバックアップを100Mbps環境で復元した場合は4時間以上かかりましたが、1Gbps通信の場合は30分弱と大幅に時間を短縮することができたので、バックアップからのリカバリを急ぐなら10Gbps対応のNASは必須です。

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NAS専用HDDの選び方

PCショップで販売されているNAS専用HDDはスタンダードやプロフェッショナル向けの製品で、250万時間と高いMTBF(平均故障期間)を誇るエンタープライズ向けの製品はオンラインで購入するのが一般的です。

人気のWestern Digital Redは年間180TB、Red Proは年間300TBのアクセスを想定しているのに対し、Ultrastar DCシリーズは年間550TBのアクセスを想定した高い耐久性のある製品です。

製品名保証期間MTBF
WesternDigital Red3年100万
WesternDigital Red Pro5年100万
WesternDigital Ultrastar DCシリーズ5年200万~250万
Seagate IronWolf3年100万
Seagate IronWolf Pro5年120万
Exos5年250万

ファイルサーバのフルバックアップなど、頻繁にデータアクセスを行うストレージに搭載するなら、MTBFが高く年間550TBのアクセスを想定したWD Ultrastar DCシリーズかSeagate Exosシリーズがおすすめです。

スタンダードモデルと比べるとデータセンター仕様のNAS専用HDDは高価ですが、プロモデルと同等の価格で購入できるので、企業の大切なデータを守るためにエンタープライズ向けの製品がおすすめです。

Synology DS1819+には、Western Digital Ultrastar DCシリーズの12TBを搭載し、QNAP NASにはExosを搭載していますが、どちらも故障することなく安定して動作しています。

5年以上前からスタンダードモデルのNAS専用HDDを使用していますが、故障したのは40個中2個と意外と故障率が低く満足しているものの、やはり結果論でしかないので今はエンタープライズ向け製品を購入しています。

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