リバーサイドマンションを購入して感じたメリットとデメリット

子供の教育環境を考えて富士山や東京スカイツリーが良くみえる眺望に優れたマイホームを売却し、移住する地域にある新築分譲マンションがないか探したところ、リバーサイドに建てられている物件をみつけました。

川沿いにある分譲マンションを積極的に探していた訳ではありませんが、今まで住んでいた環境を考えるとマンションが乱立した日当たりが悪い物件には絶対に住めないと思い、リバーサイドに暮らすことを決めました。

学力が高い地域への移住ということもあり、売却したマンション価格よりも高い買い物となりましたが、日当たりが良く見晴らしの良いリバーサイドの景色を眺める日々を送ることができました。

川に面してこそ意味がある

今回で三度目の分譲マンション購入となるのでモデルルームに足を運んだ数も累計で二桁となりましたが、何年か前に見学した隅田川沿いの物件のなかには、リビングが川の方に面していない名ばかりリバーサイドマンションもありました。

サイドという言葉を辞書で調べると「横わき」や「側」という意味だけで、確かに明確な距離や方向について定義されていないので、何となく川の側に建てられていればリバーサイドと言えるのかもしれません。

ただ、実際に現地に足を運んで見学したマンションのリビングから眺められる景色が、自然豊かな土手の緑と大きな川ではなく、隣接するマンションで生活する人の姿や大きな工場でしたので、ここに暮らす意味はないと思いました。

他にもリバーサイドの立地を活かすために、リビングを東向きにしている物件もありましたが、明るいのは午前中の11時前までなので、昼間に生活するなら電気を付けなければなりません。

東向きのリビングは夏の直射日光が厳しい西向きよりもが涼しいというメリットがありますが、個人的にリビングの向きは南もしくは西の方が明るい気持ちで過ごせる時間が長いと思います。

意外と虫が少ない

リバーサイド分譲マンションに住む前から気にしていたのが虫の侵入被害ですが、自然豊かな土手側ではなくコンクリート堤防側に建てられた物件だからなのか、ベランダでも虫をみかけることはありませんでした。

以前のマンションは中層階にも関わらず天道虫かカメムシが飛んできたことがありましたが、低層階に近いリバーサイドの物件にも関わらず、部屋のなかにはもちろんベランダでも滅多に虫をみかけませんでした。

引越しする前のマンションは虫が誘導されやすい白熱電灯や蛍光灯を多用していたのに対し、住み替えた今のマンションは全てLEDの照明を使用している影響かもしれませんが、そもそも川沿いだからと虫が多いという訳ではなさそうです。

河川氾濫の危険性

2019年に発生した超大型の台風の影響で多摩川が氾濫し、世田谷区や武蔵小杉の地域が一部冠水する被害がありましたが、墨田川や荒川など特に危険と言われていた河川の下流辺りは全くの被害がありませんでした。

一時は避難指示が発令されたので焦りましたが、ベランダから河川の水位を確認する限りでは緊急避難するレベルではありませんでしたし、悪天候のなか子供を連れて逃げるのは難しいと思いました。

人類史上最大とも言われている大型台風ということもあり、近隣住民が河川の水位を心配して何度も確認しにきていましたが、結果的に墨田川と荒川は普段の台風とあまり変わらない水位上昇に留まりました。

実は墨田川は昔から頻繁に氾濫を起こしていた荒川の下流で、河川の氾濫が頻発する地域の水害対策として人口的に作られた今の荒川のおかげで、今回のような大型台風の被害にも耐えることができました。

自然河川の多摩川に一部堤防が設置されていない箇所があり、河川の氾濫で被災された方が多くいますが、大型台風の発生は今後も十分にあり得ることなので、早急な環境の整備を望みます。

リバーサイドマンションに限らず戸建にも言えることですが、これから住む予定の地域で過去に発生した水害の被害状況を確認するだけでなく、近くを流れる川に歴史や性質を契約前に確認することが何よりも大切です。

水の事故の危険性

水の流れを眺めたり自然の風を肌で感じることができる川の近くに住むメリットは沢山ありますが、子供がひとりで川に近づいて遊んだりしないのかが一番の心配事で最後まで悩みました。

子供の頃は多摩川沿いに住んでいて、幼稚園に入園する前は毎日土手で友達と遊んでいたのですが、深い小川の強度を高める何本もの梁を渡り歩い遊んでいた時に足を滑らしたことがあります。

幸いなことに川の中に落ちることはありませんでしたが、小さな子供が川で遊んで転落でもすれば命に係わる問題になるので、ひとりでは絶対に近づかないように教えています。

特に気を付けなければならないのが自閉症の子供で、水面に反射する光や水に触れた感触が好きで川や海に近づきたがる傾向があるのですが、子供が産まれる前にそれを予測して家を買うのは無理があります。

墨田川のように多くのホームレスが住み込む場所なら購入していませんが、マンション前の堤防は広くて人通りが少なく、散歩、ジョギング、釣り、ストライダーで遊ぶには丁度良い場所なので大変満足しています。

夜が静か

以前生活していたマンションは街道沿いに建てられていたので、夜になると自動車の走行音が気になり窓を開けて寝られない部屋もありましたが、今の住いは車の通りが少ないくて静かです。

大通り沿いでもグレードが高い分譲マンションは防音性能が優れているので、窓を閉めれば寝られないということはありませんが、通気口からする音が意外と気になるので、車の通りが少ないリバーサイド物件にして正解でした。

人の慣れとは怖いもので、目の前に広がる自然が当たり前の存在になると感謝の気持ちを忘れてしまいますが、この静かな環境で寝られるという幸せだけは二度と手放したくないと思います。

失うとわかる住いの魅力

今現在リバーサイドのマンションで生活していますが、以前生活していたマンションの眺望があまりにも優れていたこともあり、飛び抜けて感動するような気持ちにはなれていないのが正直な今の気持ちです。

終日カーテンをした状態で生活しなければならない環境からの住み替えなら感動したはずですが、過去に恵まれた環境を一度でも手に入れてしまうと、それが当たり前となり感動しなくなるのが人間のようです。

恐らく今のリバーサイドマンションを売却して、建物が乱立した眺望の悪い物件に引越しをすれば今の環境のありがたみがわかるはずですが、一度手放してしまうと後戻りはなかなかできません。

我が家の場合、子供の教育目的で移住先を決めた結果がリバーサイドのマンション購入につながりましたが、眺望や日当たりなど何を重要視するのか良く考えてからマイホームの購入を検討してください。

少なくとも、リビングからの眺望や日当たりを重要視する人であれば、目の前に高い建物が建つ可能性がある物件は避けるべきなので、リバーサイドの物件はおすすめの物件だと言えます。