RAIDを組んでも大丈夫!?Synology NASの失敗しないマイグレート方法

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NAS Synology マイグレートでシステムを移行する方法

複数台あるサーババックアップ用ストレージを統合するために、Synology DS1819+の全てのディスクをDS2419+へ移植し、データと設定を残したままシステム移行するマイグレートを行いました。

今回は50TBのストレージを倍の100TBにする必要があるので、マイグレートするよりもRAIDボリュームを再構築するべきですが、今後起こりえるNASの故障や買い替えを想定したシミュレーションを行うことにしました。

仕事でもプライベートでもSynologyのNASを使用しているので、本当にディスクを移植するだけでシステムの移行ができるものなのか、事前検証することはとても大切なことです。

10分で移行完了

ファイルサーバのバックアップ用ストレージとして使用している、8ドライブのDS1817を12ドライブのDS2419+に機種変更をすることになりましたが、まずはデータとシステムの設定をそのまま移行することにしました。

移行方法はとても簡単で、移行元と移行先のNASをシャットダウンし全てのディスクを新しいシステムに移植後、電源を入れて簡単なウィザードを進めるだけで完了です。

注意することと言えば、取り出した旧システムのドライブを順番通りに装着することだけですが、今回購入したDS2419+のドライブは縦ではなく横並びなので気を付けなければなりません。

Synology DS2419+のディスク番号

移行先のDS2419+に全てのディスクを搭載し、電源を入れてSynology AssistantでNASに接続すると、マイグレートウィザードが始まるので、インストールタイプを選択して進めます。

SynologyのNASでマイグレーションしてみた

今回は、インストールしたアプリや設定を残したまま移行することにするのでマイグレーションすることにしましたが、再インストールを選んだとしてもデータは残るので慌てたり悩む必要はありません。

ただ、再インストールはインストールしたアプリや設定が消えてしまうので、システムをリフレッシュしたいなどの理由がなければ、マイグレーションを選ぶことをおすすめします。

マイグレーションを選んで次のステップに進むと、DiskStation Managerをインストールすることになるので、事前に最新のDSMを公式サイトからダウンロードしてください。

Synology DSMをインストール

今すぐインストールをクリックしてウイザードをするめるとDiskStation Managerのインストールが開始されるので、システムが起動するまで電源を切らずにお待ちください。

Synology NASのマイグレートはとても簡単

しばらくするとシステムが起動しログインできるようになるので、管理画面へのアクセスを行いホスト名やIPアドレスなど変更する必要があれば、コントロールパネルから設定してください。

マイグレーションする前のNASにインストールした一部のアプリケーションは、移行した後のシステムで修復する必要がありますが、パッケージセンターの修復ボタンをクリックするだけの簡単操作です。

マイグレートの使いどころ

今回は、実際に運用しているファイルサーバのバックアップストレージ50TBを簡単に移行できるものなのかマイグレートを試してみましたが、想像以上に簡単で拍子抜けしてしまいました。

Synologyに限らずNASのマイグレーションは、電源やマザーボードの故障時はもちろん、古い機種から新しい製品へのデータ引継ぎや、分散するストレージを統合したり拡張する場合に使用できます。

SynologのNASは、機種により使えるアプリケーションが限られていたり、ハードウェアのアップグレードができない場合がありますが、上位機種へマイグレーションすることで制限をなくすこともできます。

ハードウェアを強化したりパッケージを利用可能にするためだけにシステムを移行するのは大変なので、ディスクの移植だけでマイグレーションができるSynologyのNASはとても便利です。

マイグレーションの注意点

Active Backup for BusinessやMigration Assistant、Synology High Availabilityを駆使すればシステムの移行は可能ですが、ディスクを新しいNASへ移植するだけの方が短時間で終わります。

ただ、ディスクを移植する際に順番を間違えたりすると取り返しがつかないことになるので、とても重要なデータを保存しているNASなら必ずバックアップを取得するようにしてください。

システムのハードウェア故障などの緊急事態であれば、いきなり本番のディスクを移植するのは仕方がありませんが、時間に余裕があるなら必ず保険をかけてからにするのが鉄則です。

バックアップやレプリケーションがあれば、ディスクの移植でミスをしてもファイルの復元が可能ですが、そうでない場合はデータ復旧サービスを利用しなければなりません。

過去に同僚がファイルサーバのバックアップをせずに物理的に移動したところ、RAIDが破損データ復旧の依頼をかけたところ、500万円以上請求されたことがあります。