ガスコンロより圧倒的に便利で安全なビルトインIHクッキングヒーターですが、実際に使用した経験がない方は何に気を付けて、どんな製品を選ぶべきか全くわからないということで相談されることが多々あります。
10年以上ビルトインIHクッキングヒーターを利用するとガスレンジには後戻りできなくなるので、ガス住戸の分譲マンションに住み替える時もインテリアオプションを利用して交換してもらいました。
実生活でパナソニック、日立、コロナのビルトインIHクッキングヒーターを利用したことがありますが、カタログスペックでは判断できない使い勝手の違いを押さえれば、製品選びで大きく失敗することはありません。
コンロ幅に違いがある
失敗しないビルトインIHクッキングヒーター選びで最も重要と言える要素がコンロ幅の違いで、通常のシステムキッチンなら75cm幅と60cm幅どちらかのタイプから選ぶことになります。
ビルトインIHクッキングヒーターのなかには、コンロが3口横並びで二人並んでも調理しやすいワイドコンロシリーズがありますが、Panasonicの専用キッチンシステムでなければ使うことができません。
注文住宅やリフォームでPanasonicの専用キッチンをセットで設置することができるなら、圧倒的に調理しやすいワイドコンロシリーズがおすすめですが、一般的な分譲住宅では選ぶことができません。
通常のビルトインIHクッキングヒーターには75cm幅と60cm幅の二種類がありますが、これはトッププレートの幅が違うだけで本体部分のサイズは同じなので、どちらを選んでも基本的に設置できないことはありません。
75cmと60cm幅の違い
過去にトッププレート幅60cm、現在は75cmのビルトインIHクッキングヒーターを使用していますが、どちらを選んでも使える機能や能力に違いがある訳ではないので、見た目や使い勝手で決めても構いません。
例えば、トッププレートが60cm幅のビルトインIHクッキングヒーターは、作業スペースが狭いシステムキッチンで重宝しますが、折角のマイホームが賃貸住宅のような雰囲気になる恐れがあります。
その点、75cm幅ビルトインIHクッキングヒーターは、トッププレートが広々としているのでキッチンが映えますが、調理スペースが狭くなりキャニスターなどをサイドに置けなくなる場合があります。
両サイドそれぞれ7.5cmの差でしかありませんが、マイホームが映えるデザインと賃貸住宅風ではモチベーションの上がり方も違うので、設置スペースに問題がなければ広い方をおすすめします。
ヒーターの種類
フライパンや鍋が全てステンレスや鉄製であれば関係ありませんが、アルミや銅の鍋を使うならオールメタル対応のIHヒーター、超耐熱ガラスの鍋や非金属の土鍋を使うならラジエントヒーターが必要になります。
最近のビルトインIHクッキングヒーターは、ラジエントヒーターを搭載している製品が少ないので、スルメイカや海苔を焼いたり土鍋でお米を炊きたい方は機種選びに十分ご注意ください。
ただ、今まで10年以上ビルトインIHクッキングヒーターを使用してきましたが、ラジエントヒーターを使用したのは数回程度ですし、バーミキュラライスポットがあれば美味しいお米を炊けるので、一度も土鍋を使用したことがありません。
因みに、我が家で使用しているPanasonicのビルトインIHクッキングヒーターKZ-XP37Wは、お米を自動で炊くことができるのですが中央のヒーターだけになりますので、それぞれの箇所に機能の違いがあるか確認してください。
広々グリルがおすすめ
最新の製品ではみかけなくなりましたが、10年前に使用していたビルトインIHクッキングヒーターのグリルは、熱源となるヒーターが露出した状態なので庫内が狭く汚れやすいので掃除をするのが大変でした。
最近はどのメーカーも広々としたグリルを採用しているので選択が難しいのですが、強いて言うならばPanasonicのラクッキングリルのように、魚を焼く時に網を必要としないタイプの製品がおすすめです。
正直、グリルでトースト、魚、サザエのつぼ焼き、お餅程度しか焼いたことがありませんが、自動で加熱加減や調理時間を調整してくれるので安全ですし、その気になればオーブンとして使えるので便利です。
あまり調理しない方には多機能すぎるのかもしれませんが、パエリア、グラタン、鶏の香草焼きなどオーブンを使用した料理を楽しみたい方には、広々としたグリルタイプがおすすめです。
レンジフードと換気連動
ビルトインIHクッキングヒーターはガスコンロよりも安全なので必須とは言えませんが、備え付けのレンジフードが連動するタイプもあるので、それぞれの製品仕様をご確認されることをおすすめします。
例えば、我が家で使用しているPanasonic KZ-XP37Wは換気連動に対応している製品ですがレンジフード側が非対応なので、ビルトインIHクッキングヒーターを使う時は手動操作する必要があります。
換気連動には周波数が異なるタイプがあり、Panasonicは主に家製協フォーマットの36.7khz、日立は主にNECフォーマットの38khzを使用していますが、設定変更できる機種も存在します。
レンジフードとビルトインIHクッキングヒーターをPanasonicで統一すると、火力や調理モードで自動に換気扇の強さを調整してくれますが、においの強さや煙の量は検知しないので時には手動での操作が必要になります。
その他気を付けたいポイント
我が家で使用しているPanasonicのビルトインIHクッキングヒーターは、ホットケーキ、冷凍餃子、ミラノ風カツレツなど10種類の焼き物調理機能がありますが、それに対し日立の製品はハンバーグや焼き餃子しかありません。
ただ、ビルトインIHクッキングヒーターは、自動調理メニューの数よりも、使い勝手の良さ、調理器具との相性、メンテナンス性、安全性など総合的に判断して選ぶべき物なので、まずは店頭で現物に触れてみてください。
安全性や操作性という意味では、沸騰したお湯がそのまま流れだす完全フラットなガラストッププレートよりも、縁に段差があり物理的なボタンを操作するタイプの製品がおすすめですが、デザイン性で劣るのが難点です。
個人的にはPanasonicがバランスが良いと思いますが、初めてのビルトインIHクッキングヒーターの方には、火力の強さを操作ボタンで明確にしている日立の方が分かりやすいかもしれません。
オール電化住宅のマンションに10年以上暮らしていたこともあり、次の新居でも絶対にビルトインIHクッキングヒーターを使いたい考えていましたが、残念ながら今のマンションはガスコンロが主流です。ガスコンロよりも便利で安全なビルトインIHク[…]