相続で揉める原因となる長男長女はなしにしよう

2015年から相続で課税対象になる人が増えるとテレビの情報番組で話題となりましたが、弁護士や司法書士など業務に従事する専門家でなければ、相続のルールや細かい手続きについて知らない人ばかりです。

一般的な方が有する相続の情報と言えばテレビドラマのシーンで、何となく公平に財産分与される物という程度の理解しかないのが普通なので、難しいことは専門家に任せるのが一番です。

誰もが知識がないのが相続なのにも関わらず、経験などを考慮せずに長男や長女という理由だけで主導権を握らせると大いに揉めることになるので、兄弟全員で話し合いながら解決するのがベストです。

介護や同居しても有利にならない

親の面倒をみるために同居して介護の世話をしたとしても全く考慮されないのが相続権の不公平なところで、残念ながら正式な遺言書でもなければ兄弟全員で均等に分与するのが基本です。

もしろん、相続人との話し合いで親の介護の世話をしてくれたという感謝の気持ちから、多めに取り分を決めるという良心的な人もいますが、人は歳を取る毎に強欲になるのが普通です。

子供の頃は仲が良い兄弟も、結婚して子供が産まれると将来のことを考えて、少しでも多く財産を手にしたいと考えるのが普通なので、人が実家に住んでいても関係なしに攻めてくる人もいます。

配偶者であれば居住権を利用すれば家を追い出される心配はないかもしれませんが、子供の場合はいくら介護しても家の売却を迫られる可能性があるので、様々なケースを想定した自衛手段は必要です。

とても聞きにくいことではありますが、財産を有する人に気持ちを確かめた上で、早い段階で専門家に相談するのが一番ですが、周囲に行動していることを知られると大きな問題に発展するので注意が必要です。

何も策を講じなければ相続は基本的に公平的に行わなければならないので、配偶者の方や親の介護の世話を長年してきた人は、将来のことを早いうちから考えるのが大切です。

できないリーダーに任せない

世間では、長男長女というだけで親の介護の世話をするのが当たり前、喪主や仏壇の面倒をみるのが当たり前と言われるので、相続の時くらいは優遇されても良いと思います。

一方で、相続というものは法律に従いながら行わなければならないものに関わらず、長男や長女という理由だけで取り分を勝手に決めたり、不動産の売却を進めようとする人もいます。

一定額を越える資産の相続は税金を払わなければならないことや、不動産を売却すると調査のためのハガキが送られてくるので、きちんと司法書士などに相談しなければなりません。

難しいことに慣れてない長男や長女に全てを任せたが故に、知らない間に財産を処分されて姿を消されたという人もいるので、相続する権利のある人は長だからと完全人任せにしてはいけません。

小学生や中学生の頃なら少しでも歳が離れていると体格や精神面に差がでますが、四十を過ぎた兄弟の年齢差は誤差でしかありませんし、最年長だからと物事を上手くこなせるとは限りません。

相続を進める上でリーダーは必要になりますが、長く生きたという理由だけで決めるのではなく、性格や社会でどんな経験してきたのかを基準に選んだ方が失敗する可能性が低くなります。

過去に長男が先走り、相続の手順関係なく実家の売却を知り合いの不動産関係者と媒介契約を結んだことがあり、かなり大きな騒動に発展したことがある人もいます。

相続で揉めた末路

人の欲という物は尽きることがないもので、どんなに多くの資産を持つ人でも際限なくお金を手に入れたいと思うのは、大手自動車メーカーの騒動をみれば良くわかります。

テレビでの出来事なので一般人には関係ないことだと思うかもしれませんが、高級住宅が立ち並ぶ一等地には、広大な土地が空き地として何年も放置されていることがあります。

不動産は売却すると一時所得とみなされて税金を支払わなければならないので、使い道のない土地を賃貸住宅にしたり駐車場にする人もいますが、なかには樹木だけを植えている土地もあります。

樹木が植えてあるだけならまだ良いのですが、相続で全く折り合いが付かないのか、運動場付きの幼稚園や保育園が建てられる広さの土地を更地で放置しているケースもあります。

どんな事情があるのか一般人には理解できるはずもありませんが、一等地の更地に払う固定資産税のことを考えると、相続で揉めて資産を無駄にするのは避けなければなりません。

他にも、親の面倒を一切みようとしない実の息子や娘に資産を残すのではなく、世話をしてくれた義理の息子に財産を与えた人がいるのですが、急に手に入れた大金の使い方が分からず無駄にした人もいます。

自分で稼いでない大金というのは人生を狂わせてしまう可能性があるので、被相続人は相続人の性格や将来のことも考えた上で財産を遺すことを考えなければなりません。