不妊治療の費用を賄う保険商品を解禁する方針を固めたというニュースを聞いた時、自分が不妊になることを想定して生命保険の特約として契約する人が、どれくらいいるのかということを考えてしまいました。
これから具体的な案や商品サービスが決めらてくるので、今の時点で意見を言うのは無意味なことですが、少子化という大きな問題を個人や民間企業任せで解決するのは少し違うと思います。
今でも国や市区町村レベルで不妊治療をサポートする仕組みがあるので、新しい試みを全否定する必要はないと思いますが、不妊に対する理解が周知されていない現状を考えると、折角の保険商品が無駄になる気がしてなりません。
それとも、一般人には思いつかない画期的な保険商品が新制度により生まれ、今後は不妊治療に悩む人の手助けになるような時代がくるのかもしれませんが、結果が出るまでは数年かかりそうです。
男性も不妊の原因になる
若い人がこの手のニュースを聞いても、自分には関係ない話だと思うのが普通の反応だと思いますし、不妊に対して知識のない人は不妊とは女性がなるもので、男のには関係のないことだと思う人もいるのではないでしょうか。
昨今の風疹のワクチン接種率が上がらないのを見ると、どこか他人事で自分にな関係ないことだと思うからですが、風疹も不妊も男性と決して無関係ではないということを世の男性は知る必要があります。
生命保険に加入する時に不妊治療に関する特約の説明を受けることになるかと思いますが、自分が不妊の原因になる可能性など誰も思わないので、特約も含めて契約する人がどれくらいいるのか疑問です。
不妊治療でも妊娠する確率は決して高くない
不妊治療を経験したことのない人からすると、テレビ番組の映像で流れる顕微鏡と注射のイメージしかなく、誰でも簡単に妊娠できるものだと思われがちですが、女性達は数パーセントの世界に挑戦しています。
一度の治療で数万円から数十万円かかる不妊治療を受けているにも関わらず、なかなか妊娠することができないので、体力と精神力だけでなく財産も底を尽きて断念してしまう人がいるのも事実です。
良い結果がでなくても子供を諦めたくなくて不妊治療クリニックに年単位で通う人も決して珍しくないことや、毎月のように気分が悪くなる薬を飲みながら耐える人が多くというのも体験した人にしかわかりません。
不妊治療のクリニック内でも、疲弊している患者をよそに談笑している看護士がいるくらいですから、当事者以外の人がどこまで不妊治療の辛さを理解できているのか自分自身でも疑問に思うことがあります。
クリニックに通うことだけが不妊治療ではない
不妊治療専用のクリニックに通うことだけが、不妊治療ではありません。
特に男性側に不妊の原因がある場合、クリニックでできる治療は多くないので、毎月5万円もする漢方薬を毎日飲んだりします。
ストレスが原因で不妊になることもあるので、夫婦でスポーツジムに通い運動をしたり、リラックスした環境に身を置くために1週間の沖縄旅行へいくなど、クリニック外での治療が多くありますが、旅行の費用も保険で賄えるのでしょうか。
不妊治療に関係する全ての事を望んでしまうと、制度を存続させることが困難になるので多くのことを望みませんが、せめてクリニックの通院にかかる費用は、国の保険で対応したら良いのではないかと思います。
不妊治療で医療費がかさむと消費税がまた上がると思う人もいるかもしれませんが、将来的に自分が受けとるであろう年金を支えてくれる子供のためのお金なら大目にみてください。
少なくとも税金を不正に使われるよりかは、未来がある話で良いのではないかと私は思います。
私なんかよりも数十倍頭の良い人達が、これから議論を重ねて良い商品を開発してくれるので、きっと良い案が出来上がると思いますが、とりあえず今感じたことを書いてみました。