今回は、家庭用で使うNASとは違うサーバーに関する内容で、Dell PowerEdgeに搭載されているハードウェアのRAIDコントローラーを使用した、リビルドが完了するまでの時間を計測した内容です。
計測したサーバーのRAIDコントローラーはPERC H730P Miniで、ディスクは12GbpsSASの6TB 4Knディスクを使用しています。
リビルドを計測したのはRAIDレベルは6と10で、システムの稼働中にディスクの抜き差しをおこない、強制的にリビルドが走るようにしました。
本格的なサーバーでのテスト
過去にQNAPのNASを使用したソフトウェアRAIDのリビルド時間を計測した記事をアップしましたが、今回は100万円もするハードウェアのRAIDコントローラーとSASディスクを使用した、本格的なファイルサーバーでの測定です。
Server Administratorでディスクをオフラインにしてからディスクを抜くべきだと思いましたが、今更悔やんでも仕方がないのでログをみながらリビルド時間を計測しました。
メーカー曰く運の要素が強いRAID10よりもRAID6の方がおすすめとのことですが、6TBというディスクのリビルドが完了するまでの時間を考慮した上で、どちらが堅牢なのか判断しても良いのではないでしょうか。
まずは、6TBのディスク12本で構成したRAID6でのリビルドを計測してみると、リビルド開始から終了までの約11時間とういう結果になりました。
4TBのディスクを4本搭載したQNAPのNASでテストした時は13時間3分1かかりましたので、6TBで11時間はまずまずの結果だと思います。
NASのディスク4TBを13時間かけてリビルドしたということは、1TBをリビルドするのに3.25時間かかるということです。
それに対し、今回使用したDellのサーバーは6TBを11時間かけてリビルドが完了したので、1TBリビルドするのに1.83時間かかるということです。
当然、ハードウェアの性能や搭載しているディスクの数が全く違うので鵜呑みにするのは危険ですが、ひとつの材料としてリビルド時間を考慮した上でディスクの容量や、ハードウェアの構成を決めると良いのではないでしょうか。
今回のテスト結果を見る限り、ソフトウェアRAIDよりおハードウェアRAIDの方が早くリビルドが完了するようですが、条件が全く同じという訳ではないということを理解した上で、お読みいただけると幸いです。
また、本番環境でテストする訳にはいかないので、共有フォルダへのアクセスが全くない状態での計測時間になるということも付け加えて説明しておきます。
そしてこちらは、RAID10のリビルドが完了するまでのログですが、スクリーンショットの取り方が悪いので、一部画像をつなぎ合わせていますが、計測時間を改竄するようなことはしていません。
リビルド開始が午前10時過ぎから同日の午後8時過ぎの10時間という結果になりましたが、RAID6が11時間に対しRAID10が10時間と大差ない結果になり驚きました。
QNAPのNASでは4TBのディスクをRAID6でリビルドするのに13時間かかりましたが、RAID10では8時間12分と大きく差がでたので今回の結果は予想外です。
因みに今回はテストということもあり、どのRAIDレベルでもホットスペアは設定していませんが、本番環境で最低でも3本のグローバルホットスペアにします。
何故なら、今までサーバのディスクが壊れるのは、意外とホットスペアが多いからで、ディスクの多い構成では2本だと不安だからです。
DellやHPなどのサーバーを購入するメリットは、パフォーマンスや堅牢なシステムの構成という意味が大きくありますが、iDRACなどのリモート管理ツールが使える点にあります。
障害が発生した際に自宅からVPN接続してサーバーの再起動ができれば良いのですが、常にリモートデスクトップでシャットダウンできるとは限らないのでiDRACが使えると便利です。
何となくiDRACの存在を知りつつも一度も使用したことのないユーザーもいるかと思いますが、設定はとても簡単なので一度チャレンジする価値は十分にあると思います。