LTO6のテープがドライブから取り出せなくなりましたので、装置を分解して取り出してみました。
本来はメーカーに連絡を入れて修理依頼するのですが、まだ3年しか経過していない部品なのにの、部品の供給ができまんせんという理由で修理を受け付けてくれません。
何とも信じがたい対応ですが、70万円近くもするLTOテープドライブを簡単に捨てる訳にはいかないので、装置を分解して自力でテープを取り出すことにしました。
今回分解したLTOのテープドライブはDellから購入したものですが、中身はOEM供給されているIBM製のドライブです。
LTOドライブを分解するには装置裏側にある、4本のネジをトルクスレンチで外す必要があります。
最初は1,000円以下で買えるトルクスレンチを使用したのですが、いきなり先端が欠けたのでTOPEAKのトルクスレンチを買いなおすというアクシデントがありました。
使用するトルクスレンチはT201本だけなので、レンチをセットを買う必要はありませんでしたが、値段が安いので迷わず購入しました。
何でもできる情報システムの管理者なら、トルクスレンチのセットくらいは手元に置いておきたいものです。
LTOテープドライブの装置を開けると、意外と中身はスカスカしていて拍子抜けしました。
テープドライブに接続されているケーブルを全て外し、ドライブ左にある青い先端のレバーを押して取り外してください。
普通のドライバーでテープ装置の蓋を開けると基板が出てきますが、基板からケーブルを外す必要は一切ありません。
今回は説明書のない状況での作業でしたので基板と接続しているケーブルを何本か抜いてしまいましたが、基板が見える面に用があるのは赤い丸で囲んだ部分のみとなります。
上の写真ではわからないのですが、テープを出し入れする側の赤丸で囲んだ部分を、マイナスかプラスのドライバーで回転させてみてください。
手応えが全く伝わらないスカスカした状態でしたらテープが装置のなかで切れているということになります。
テープが切れている場合は装置の側面から取り出せるので、手動で地道に巻き取ります。
ドライブからテープが取り出せないのは、駆動系の故障か装置内部でテープが切れてのことなので、まずは完全に取り除くことが重要です。
1時間以上テープを手で巻いて取り出したものがこちらになります。
LTO6のテープを手で500回以上巻いたところまでは覚えているのですが、終わりの見えない作業に嫌気がして途中で数えるのを止めました。
テープが巻き終わる頃になると何かに引っかかるので、歯車を手で回しながらヘッダー部分を移動させます。
どのギアを手で回すのかは覚えていないのですが、簡単にヘッドが動きますので色々試してみてください。
無理矢理LTOのテープを装置から取り出そうとすると、写真のように内部で切れてしまうので、強引に引っ張らないようにしてください。
今回はテープの金属部分が外れて装置のなかで引っかかっていたのですが、毎回同じ症状になるとは限りませんので注意してください。
装置内部のテープを全て取り出した後はカセットを取り出そうとせずに、ドライブを元に戻してケーブルを接続すれば完了です。
電源投入ごイジェクトボタンを押したところ、無事テープが取り出せるようになりました。
今回LTO6のテープ装置を分解して思うことは、HPのテープ装置の方が部品交換が可能なので、IBMの製品と比べると分解しやすいのではないでしょうか。
また、LTOのテープはLTFS形式でフォーマットして写真のデータや共有フォルダのデータをバックアップ目的で保存していますが、テープが切れることを考えると常に2本体制で記録するのが望ましいと思います。
今後データを長期保存するためにLTFSに対応したLTOの装置を買う時は、HPの製品にしようかと思います。
今回の内容は以上となりますが、今回は修理をしてもらえない装置を廃棄覚悟でテープの取り出しをしましたが、これらの作業はあくまでも自己責任で行うことが鉄則です。
テープの取り出しに失敗して、高価なLTOの装置を破損させても責任は取れませんので、腕に自信のない方は絶対に真似しないでください。
今回のLTOテープドライブを分解するのに使用したトルクスレンチは、自転車の修理にも使える安くて頑丈なトピークのセットで、いざという時のために手元に置いあると安心です。