スマホの写真を直接プリントできる小型カラープリンターの選び方

写真や年賀状を家庭で印刷するのに、デジカメで撮影した画像をパソコンに取り込んで加工してからインクジェットプリンターに出力するという時代は終わり、今はスマホで撮影した写真をスマホで加工して直接印刷するのが当たり前の時代となりました。

写真印刷や年賀はがきの印刷用にプリンターが欲しいけど、A4サイズの印刷ができる普通のプリンターをリビングや自室に置くと邪魔になります。

その点、スマホ時代のプリンターは写真やハガキ印刷に特化しているため非常にコンパクトで、机やリビングボードの引き出しに収納して片付けることができます。

製品によっては無線LANに対応していたりバッテリーを内蔵しているので置き場所や使う場所を選びませんので、プリンターを置く場所を考えて部屋のレイアウトを決める必要がありません。

そんなスマホの写真を簡単に印刷できるプリンターにも印刷方式やインクの種類により使える用途がかわるので、利用シーンに合わせたプリンターの選び方を紹介します。

インクジェットには染料と顔料のインクがある

写真や年賀はがきの印刷に使うプリンターにインクジェットプリンターを選ぶ方が多いのですが、インクジェットは製品により使用するインクの種類に違いがあるので購入する際には注意が必要です。

インクジェットプリンターで使われるインクには染料と顔料の2種類があり、それぞれのインクの特性を理解した上で選ばないと後悔することになります。

ランニングコストの安い染料のインク

一般的に良く使われるインクジェットのインクは染料ですが、このインクは水に極端に弱く長期保存に向いていないので、大切な子供の写真を何十年も残すという目的には向いていません。

どちらかというと友達との写真をシールにしたり、食品や品物を識別するラベルの印刷など、一時的なものとして気楽に印刷して使うのにおすすめです。

染料を使う小型のインクジェットでおすすめなのはエプソンのプリンターで、PCからの印刷はもちろんスマホからの印刷も手軽にできます。

エプソンの小型プリンターは、スマホにインストールしたアプリで写真を並べて印刷したり、フォトブックを作成したり、塗り絵を楽しんだりとパソコンよりも手軽に写真を加工して印刷する機能があります。

エプソンのスマホアプリ3DFramePrintと専用紙を使えば、角度によって見え隠れするメッセージ入りの写真や3Dのフレームなどを入れて印刷することができます。

また、SDカードに保存されたデジカメや一眼レフカメラの写真なら、プリンター本体に差し込むだけでケーブル接続なしに簡単に印刷することができます。

因みに、顔料を使うビジネス向けの複合機には一部フチなし印刷ができない製品もあるので、フチなしの写真印刷をメインに考えているなら、エプソンのこちらの製品がおすすめです。

文字が鮮明で水に強い顔料のインク

大切な子供の写真を長期間保管するなら顔料のインクを使うプリンターがおすすめですが、製品によっては黒色だけが顔料でカラーインクは染料を使用する製品もあります。

インクジェットプリンターで印刷した写真を長期間保管したい、ビジネスや勉強目的で印刷した紙の上から蛍光ペンでマーキングしたいなどと考えているのであれば、全色顔料のインクを使用した製品をおすすめします。

ただし、顔料のインクは専用の光沢紙でないと印刷できない場合がありますし、インクのコストも染料と比べると少し高いので、利用目的を明確にした上でご利用ください。

奇麗で水や汚れに強い昇華型

インクジェットプリンターと比べるとコストパフォーマンスは物凄く悪いのですが、印刷が奇麗で耐久性に強く水に強いのが昇華型プリンターです。

今でこそ昇華型プリンターはあまりみかけませんが、写真を印刷するなら昇華型が一番と言われていた時代があり、一部の業界や品質にこだわるユーザーから圧倒的な支持を得ていました。

昇華型プリンターを買うならCanonのselphyシリーズ一択という感じで、今のところ選択肢がないのが実情です。

昇華型プリンターはインクのリボンを巻きながら印刷するのですが、印刷する度に全てリボンを巻いていくので、使わない色のリボンを無駄に消費してしまいます。

印刷のクオリティは一般的なインクジェットと比べて圧倒的に高いのですが、コストパフォーマンスが悪すぎるという点で、一部の品質にこだわるユーザーだけが利用する傾向があります。

また、印刷には専用の用紙が必要で、紙とインクリボンをセットで購入すると結構な値段になります。

一度社員証の印刷に使えるのではないかと思いselphyシリーズを購入したのですが、ハガキサイズに光沢紙に印刷したらインクがのらずに無駄にした経験があります。

過去に販売されていたアルプス電気の昇華型プリンターは、どんな紙にも印刷できるように透明なインクリボンを印刷し、その上から色のリボンを熱で転移させていたのですが、selphyは仕組みが違うので専用の紙でないと印刷できないようです。

昇華型プリンターは、各色を印刷した後にコーティングすることで水濡れに強くするので、子供の写真をプリントするのに向いていますが、その反面水性ペンを弾いてしまいます。

コスト的にメリットのない昇華型プリンターですが、印刷の品質や耐久性などはインクジェットの比べ物にならないくらい高いので、大切な家族の写真をいつまでも残しておきたい人にはおすすめです。