タダほど高い物はない!?慈善事業ではない無料サービスのリスクとは

バブル期の頃は後先考えずにお金を使えるだけ使うのが当たり前でしたが、今は過去の代償を払うかのようにデフレが長く続いており、価値ある物でもお金を使いたくないという考えが広がるようになりました。

何でも出せば売れていた頃とは違い、良い物をつくるだけでは売上を伸ばすことができないので、人件費の安い海外で製造コストを極限まで下げたり無料サービスで会員数を獲得するなどの工夫をしています。

時代の流れと共に定着してきた無料サービスですが、ユーザーに対してどの様なメリットやデメリットがあるのか、今までの経験やニュースをみて感じた個人的な戯言としてまとめてみました。

寄付と無料サービスは違う

対価を支払う代わりに何か見返りを受けることをサービスと言うので、そもそも無料サービスという言葉自体に違和感を感じるのですが、無料という言葉はそれだけインパクトがあります。

大きな災害で生活が困難な人達を助け合う無償の善意は寄付ですが、企業が行う無料サービスは収益を得る目的で行われているサービスなので、タダだからと闇雲に契約するのは危険です。

無料サービスに良い悪いの具体的な定義はありませんが、強いて言うなら一般消費者が確実に得をして不利益を被らない物を良い無料サービスで、人を騙したり損失を与えるのが悪い無料サービスではないでしょうか。

無料でもらえるファストフード

昔からハンバーガーショップでは、お客さんを呼び込むために原価の安いドリンクやフライドポテトのクーポンを配布したり、ポイントが溜まるとハンバーガーと交換できる仕組みを取り入れています。

この無料でドリンクやフライドポテトなどが無料でもらえるクーポンは、ハンバーガーなどの価格が高い製品を購入しなければならないので、完全無料とまでは言えません。

ただ、利用者側からすると、個人情報を求められたりセールスの電話が鳴りやまないというリスクが全くないので、安心して利用できる良い無料サービスと言えるのではないでしょうか。

最近は、スマートフォンのアプリで利用できるクーポンなどもありますが、なかには位置情報や携帯の使用履歴などを取得されるアプリもあるかもしれないので、取り扱いには十分注意をしましょう。

最近話題なのが携帯キャリアが提供する無料でファストフードが食べられるキャンペーンで、あまりにも長蛇の列になりすぎて普段からお店を利用している人が迷惑を被る時代にまで発展しています。

数百円だせば食べられる物に無料だからと人が殺到するのは、若い人の収入が低すぎる今の時代を象徴しているだけで、決して長蛇の列に並ぶ人達が悪い訳ではありませんん。

一時的に安い食べ物を与えて契約を維持させる狙いか、一般消費者を利用した話題作りなのかはわかりませんが、混乱や影響を考えずに企画するが悪いのであり並ぶ人が悪い訳ではありません。

無駄に物を浪費していたバブル時代よりも、ひとつのファストフードに価値を感じられる今の人の方が個人的には好きですが、企業戦略に乗る形で単に貴重な時間を無駄にしてはいけません。

今はスマートフォンがあるので、長蛇の列に並びながらもできることは沢山ありますが、友達と一緒に遊んだり本を読んだ方が良いと思うのは、若い世代から外れた大人の意見です。

お金がなくて食べる物がない人にはありがたい無料のファストフードプレゼントサービスですが、若い人の貴重な時間が失われることを考えると、無暗に無料サービスに飛びつくのは得策ではないかもしれません。

セキュリティリスクのある無料WiFi

昔からコーヒーショップやレストランなどで、集客を目的とした無料WiFiを整備しているお店がありますが、最近はコンビニや図書館などでもWiFiが無料で使えたりします。

客寄せとしてWiFi環境を提供するのであればまだ安心ですが、なかにはプライバシーセパレータの設定がされていない危険なAPや、端末から情報を引き出すために公開されているアクセスポイントもあります。

プライバシーセパレータの設定されていないアクセスポイントの場合、PCならPingを飛ばしたりネットワークスキャンツールを実行するだけで、他のPCを簡単に発見することができます。

また、自宅からアクセス可能なセキュリティなしのSSIDがあるからと、企業のサービスでもないアクセスポイントを利用すると、パケットを解析されてアカウント情報を第三者に取得されることがあるので、無料で利用できるからと飛びつくのは危険です。

過去に無線LANのただ乗りは無罪という判決が言い渡された裁判がありましたが、無線LANを無料で利用する方も利用される側もリスクのあることを理解した上で、きちんとセキュリティ対策をしてください。

家庭内に無線LAN環境を構築する際は、SSIDは必ずステルス設定にするのがおすすめで、他にもパスワードの設定や暗号もAESを選ぶなどして、第三者に利用されないようにしてください。

企業向けのアクセスポイントと雲泥の差がある家庭向け製品ですが、強いておすすめな製品を上げるならNEC、Synology、Googleの無線LANアクセスポイントとなります。

NECのアクセスポイントは機器により切断されてしまうことがありますが、APそのものは安定して動作するので頻繁に再起動をする必要がありませんし、Synologyの製品は最大接続デバイス100でありながら使いやすい優れた製品です。

WOWOWやスカパーの無料放送

BSやCSの有料放送は会員数を獲得するために、テレビを購入した時に付属しているB-CASカードで契約を申し込んでないのであれば、無料で番組を視聴できる期間を設けています。

当然ながら無料期間が切れた後は番組をみることができませんし、契約を勧めるメールや電話連絡がくるので最初から契約する気がない人は、気軽に申し込みをしない方がおすすめです。

我が家では、地上波では放送されない野球やサッカーの試合をみるために、シーズン中のみスポーツチャンネルを契約していますが、稀に他のチャンネルも視聴できてお徳だと感じますが捉え方は人それぞれです。

無料で遊べるオンラインゲーム

無料サービスのパイオニアといえばオンラインゲームですが、無料で遊べるといいますがレベル上げに物凄く時間を費やすことになるので、自分の時給で考えると損してしまいます。

例えば、有料アイテムやオプションサービスを利用している人がある目標を50時間で達成できることも、無料ユーザーは100時間以上かかるので、睡眠や勉強の時間を削る必要があります。

仮に大人よりも吸収力が優れている小学生の時給を10,000円とした場合、無課金で発生する50時間の差は50万円の損失に相当するので、無料で遊び続けるのは大きな損失となります。

貴重な子供の頃の時間をレベル上げやアイテム狙いで多くの時間を無駄にするくらいなら、有料アイテムやサービスを利用してオンラインゲームで遊んでもらう方が良い良いのではないかと思います。

ただ、オンラインゲームそのものに依存しまうことがあるので、遊ぶ時間を決めて任天堂SwitchやPS4などの据え置きタイプのゲーム機を買い与える方がおすすめです。

リスクの高い無料相談・無料体験

ここからがある意味本題ですが、世の中には無料体験可能なレッスンやお試しのサプリメントなど、様々な物やサービスがタダになるものがありますが、一度申込をしてしまうと連日契約するまで連絡がくることがあります。

特に気を付けなければならないのが悩みなどの無料相談で、離婚や子育ての問題で冷静な判断ができない状態まで衰弱している人を相手に、クーリングオフという言葉やいつでも解約できると安心させて契約を迫ることがあります。

相談者は藁にも縋る思いで助けてもらいたい状況なので少し危険だと感じても、親身に悩みを聞いてくれることから無料相談の枠を超えて本契約まで辿り着いてしまう人がいます。

一部の業者が無料を餌に弱者から搾取しようとしているだけで、世の中のカウンセラーが全て悪い訳ではありませんが、余程心臓が強く冷静な人でなければ断り切れる人はいないので近寄らない方のがおすすめです。

世の中にはタダほど高い物はないといことがあるように、世の中は慈善事業だけで成り立つものでもありませんし、相手も食べていくために必死になりながら働いているということを理解しなければなりません。

一番気を付けなければならないのが、街中でいきなり声をかけてきて見習いを装い無料でカウンセリングや手相をみせて欲しいと言われることで、仲間に囲まれたり施設に案内された場合は速やかに携帯電話で警察に連絡してください。