夢のマイホーム南向き神話を信じて購入してはいけない理由

今までの人生、南向きに窓がある家で生活したことがないので、賃貸マンションを契約して東側と南側に窓がある角部屋に住むことにしました。

今回の引越しは、家を住み替えるための一時的な仮住まいなので、最寄り駅から徒歩15分以上と条件が悪くても気にせずに契約したのですが、陽当たりの悪さに軽く絶望してしまいました。

南向きにリビングがある住まいは、東向きや西向きリビングよりも快適ということで、家賃や不動産価格が高く設定されていますが、今まで言われ続けていた神話と現実はかなり違うと感じました。

太陽の動きが違う

東向きや西向きのリビングは、縦に移動する太陽の位置や周辺の建物に反射して入り込む光、そして直射日光が部屋のなかに入るエリアの変化で、おおよその時刻を知ることができます。

それに対し南向きのリビングは、朝から夕方にかけて部屋の明るさが大きく変化することは少ないものの、太陽の光が横から差し込む角度でおおよその時刻を知ることができます。

今回南側に窓のある家に住んでみたことで、日中安定して太陽光が入る南向きのリビングが人気というのは嘘ではないと思いましたが、不動産業者の方が大絶賛するほどではないと思いました。

今回契約した賃貸住宅は、東側がリビングで南には窓があるだけの角部屋なので、南向きのリビングとは条件がかなり違いますが、それにしても暗すぎると思いました。

以前住んでいたマンションは、東西北に窓がある角住戸というのもありますが、南向き神話を信じてマイホームを買うのは危険だと思うほどで感動するものではありませんでした。

意外と暗い南向き

東側には太陽光を遮るマンションがあるので午前中でも光が入らないのは織り込み済みでしたが、何も障害物がない南側の窓から入る光が少ないのはかなりの想定外でした。

太陽の位置は毎日少しずつ変化していて、低い位置にある冬は太陽光が部屋のなかに入りやすいので暖くなり、太陽が真上の位置にある夏は部屋のなかに光が入らないので快適だと言われています。

ただ、実際に南側に窓のあるマンションに住んでみると、4月中旬にも関わらず太陽光が部屋の奥まで届かないので気温が上がらず、エアコンなしでは生活できません。

太陽の位置が一番高いのは夏至の6月22日なのを考えると、残り2か月で本格的に部屋のなかに太陽光が入らなくなるので、洗濯物を部屋干しする時は衣類簡素除湿器が必要になりそうです。

南向きのリビングは、日の出と供に太陽の光が部屋のなかを照らすのではなく、時間の経過とともに徐々に太陽光が差し込んでくるので、明るい朝を過ごしたい方には向いていません。

南に窓のある部屋でも、太陽の光が入らない時間帯は北側の部屋と同じくらい寒いので、雪が降ることもある4月までは暖房なしに生活するのは難しそうです。

もちろん、窓が大きいワイドリビングになると太陽光の入り方や部屋の明るさもかわるので、南向きのリビングに不信感を抱く必要はありませんが、大絶賛するほど常に明るいという訳ではありません。

マンションのモデルルームや情報サイトに掲載されている写真は、どれもベストな状態をイメージしたものなので、あまりセールストークに惑わされないようにしてください。

南向きのメリットはデメリット!?

南向きのリビングは、常に太陽の光が部屋に入るので冬でも暖かいと言われていますし、夏は太陽の光が部屋に入らないのでエアコンの電気代を節約できるメリットがあると言われています。

ただ、朝から夕方まで太陽の光が安定して部屋のなかに入ることや、暑い夏に太陽光が部屋に入らない南向きのリビングが本当に快適で良いことなのでしょうか。

冬の気温が低い季節でも、長時間同じ個所を太陽光で照らし続けるとダメージで受けるので、想定していたよりも早くフローリングや家財が傷んでしまうこともあります

最近のフローリングは品質を長持ちさせるコーティングや化粧板を貼り付けたものが人気ですが、長時間太陽光を浴びて高温になるとシートが膨張して破裂することがあります。

また、南を向いているリビングの向いに同じ向きをしたマンションがあると、北側にある玄関から出てくる人にリビングの様子が見られてしまうので、カーテンをする人もいます。

家族のプライバシーや太陽光から家財や床を守るために、憧れの南向き住戸を購入したにも関わらず、終日カーテンをしている人が多いのも南向きのリビングです。

ただ、高い建物が密集した地域ならマンションがどの様な方向を向いていたとしても、カーテンを開けたままにしたいたらプライバシーが守られないのはどこも同じです。

それよりも、南向きのリビングのあるマンションを購入したにも関わらず、目の前に高いビルやマンションが建設されたことで、太陽の光が一切入らない状況になるのだけは絶対に避けなければなりません。

かなり物件の数が限定されますが、道路沿い以外には高い建物が建てられない低層住居専用地域にあるマンションか、将来的に高い建物が建設される可能性がとても低いリバーサイドがおすすめです。

南向きのリビングにこだわることは決して悪いことではありませんが、不動産関係者のセールストークや神話で決めるのではなく、可能な限り実際の現場をみて判断することが何よりも大切です。

南西物件がおすすめ

明るい部分があれば暗い部分があるのは自然のことで、南を向いている家のリビングは1日中太陽の光があたり明るいかもしれませんが、その反面全く光があたらない場所もあります。

365日全く光があたらない外壁には苔が生えたり、北向きの部屋にカビが発生する可能性が高くなるので、真南を向いている物件よりも南西の方が断然おすすめです。

リビングが南西を向いているということは、反対側は北東を向いているということになるので、少なくとも午前中は太陽の光に照らせれる時間があるということになります。

午前中の太陽光は午後と比べると強くありませんが、それでも全く陽当たりがないよりかは断然良いので、個人的には南西にリビングがある物件がおすすめです。

完全南向き神話が健在の頃に建てられた一戸建ての物件は、太陽の光が全くあたらない北側の外壁に苔が繁殖する場合もあるので、他の家がどの方角を向いているのか参考にしてみてください。

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