QNAP NASにHDDを2本追加してRAIDストレージ領域を拡張してみた

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NAS 最強ハードウェアのQNAP NAS

HDDの低価格化がかなり進んだので、NASストレージの容量を増やすならディスクを追加するよりも、全てのHDDを大容量のものに交換するのが長期的に考えるとおすすめです。

ただ、8ドライブベイ以上ある企業向けのNASに搭載されているディスクを全て交換するのは大きな投資になるので、状況次第ではディスクを追加してストレージ領域を拡張するケースもあります。

今回は、企業だけでなく家庭でも使われているおすすめのNAS QNAPに8TBのHDD2本追加し、RAID-5で構成されたストレージの容量を拡張する方法について説明します。

基本は全ディスク交換がおすすめ

NASのストレージ容量を拡張するには、既存のディスクに新しいHDDを追加してストレージ領域を増やす方法と、古いディスク全てを新しいディスクに交換してストレージ領域を拡張する方法があります。

家庭で使用する2ドライブベイのNASは、そもそもディスクの追加ができませんので全て交換となりますが、ドライブベイに空きのあるNASでも2年経過したHDDを使用しているなら、全てのディスクを交換するのがおすすめです。

NAS専用HDDであるSeagate IronwalfやWestern Digital REDの8TBは、2万円代前半から中盤の価格で購入するとができるので、少量用のディスクで構成したRAIDの容量を増やすよりも、大容量のHDDで再構築するべきです。

小容量と大容量のHDDを組み合わせてRAIDを構成できるNASもありますが、メーカー独自のRAIDはデータ復旧会社でも対応するのが難しいので、もしもの時を考えると絶対におすすめできません。

また、既に構成されたRAIDにディスクを追加する場合、ストレージを再構成することになるのですが、この作業中にNASに障害が発生して停止した場合、保存したデータの整合性が保てなくなります。

今まで何度もストレージの再構築をして一度もトラブルに遭遇したことはありませんが、最悪なケースではNASが起動しなくなりデータの取り出しが困難になることもあります。

ディスクを追加する前は異常がないシステムも、使い続けることでディスクの不良セクタが徐々に増えてくるので、ストレージを正常に拡張させることができずトラブルになるケースもあります。

因みに、6TB4本のHDDで構築したRAID-5のストレージに8TB HDD2本追加した場合、ストレージの移行が完了するまで60時間以上の時間がかかり、その間は何もすることができませんでした。

NASの構成や性能、保存するデータの種類やバックアップの有無にもよりますが、リスクの高いディスク移行を長時間かけて行うよりも、ディスクを全て新しい物に交換してシステムを再構成した方が安全で早い場合もあります。

ファイルサーバのレプリケーションやバックアップなど、一時的になら消失しても問題がないと判断するデータなら、楽なディスクを追加する方法でも良いのですが、ストレージの移行が完了するまでパフォーマンスがかなり落ちます。

それでもディスクを追加する方法で、QNAP NASのストレージ領域を増やしたいというのであれば、これから説明する手順を参考にしながらチャレンジしてみてください。

QNAP NASのRAID容量を拡張する

QNAP NASで構築したRAIDストレージの拡張はとても簡単で、管理画面にログインした後に標示されるストレージマネージャーのアイコンを開いて、ストレージプールを選択して右上の管理をクリックします。

ストレージプール管理画面が表示されたら右にある管理ボタンをクリックし、表示されたメニューの中からディスクの追加を選択して、次のステップへ進みます。

ディスクの追加画面に表示される新たに購入したSeagate 8TB HDDを2台選択し、適用ボタンをクリックするのですが、追加するディスクは既存のHDDよりも容量が同じか大きな物でなければなりません。

今回購入したディスクは8TBのNAS専用ディスクですが、QNAP NAS上では7.28TBに認識されるので、異なる製品のディスクを追加するなら容量には十分注意してから購入してください。

選択したディスクのすべてのデータが消去されますという警告メッセージが表示されますが、これは新たに購入したディスクのことで、NAS上に保存されているデータには影響がないので安心してください。

移行前は16.35TBのストレージで、移行が無事終われば7.25TBのHDD2本分が追加された30TBを越える巨大なストレージに生まれ変わるのですが、失敗すればデータが全て消失する可能性があるので緊張します。

今回ディスクを追加したNASのスペックが低くストレージの容量も大きいため、RAIDの再構成時間が60時間越えとかなり時間がかかりますが、最新のNASでディスク容量が少ないと時間が短縮されます。

以上がQNAPのNASで構築したRAIDのストレージ容量を増やす方法ですが、RAIDの拡張やレベル変更はリスクが高い作業なので、必ずバックアップを取得してから行うようにしてください。

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