南伊豆古民家の名宿山海に泊まるための心得と攻略そして学んだこと

多々戸浜や白浜など澄んだ海水と白い砂浜の海水浴場が数多く点在する伊豆下田周辺には、壺中の天 宿◯文や浜辺の宿 濤亭など目の前に海がありリラックスできる宿泊施設が沢山あります。

今まで伊豆下田にある新しいホテルやペンションを探して宿泊してきましたが、今回は弓ヶ浜のある休暇村からバスで5分離れた山の上にある山海という古民家の宿に宿泊してみました。

古民家の宿山海は、とても古い民家を増改築して作られた宿なので、リゾートホテルのような快適さを求める人には向いていませんが、囲炉裏や番傘があり忍者屋敷のような建物に子供達は大変喜んでいました。

古きを楽しむ余裕

古民家の宿山海は建物が古いだけに電力供給量が少なく、ドライヤーが使えるエリアが限られていたり、食堂や廊下などにあるペンダントライトの薄暗さが子供の頃に住んでいた実家を彷彿させます。

古民家を増改築して建てられただけにエレベーターがなく、食堂や大浴場へ向かう時は急な階段を乗り降りすることになるので、足腰が悪い年配の方や車椅子の方には辛い環境ですが、忍者屋敷とも思える館内に子供達は大喜びしていました。

古民家の宿侍甲冑

人手不足なのか食後に器を自分達で返却口に置いたり、予めお願いしなければ二泊目のアメニティ交換や布団の片づけをしないなど、今まで宿泊した施設と比べてサービス内容に不満を感じる人もいるかもしれません。

古民家ならではの体験

古いタイル張りの廊下や薄暗くて独特な雰囲気の共同トイレなど、古民家の宿にはリゾートホテルのようなラグジュアリー感はありませんが、囲炉裏体験をしたり紙相撲で遊んだりと、古民家の宿でしか体験できないことも沢山あります。

古民家の宿囲炉裏

ゲストルームの部屋はエアコンと小型冷蔵庫完備で明るい照明もありますし、決して大きくはありませんが液晶テレビで番組をみることができるので、不快に思うことはありません。

古い建物ではありますが、客室の畳はとても状態が良く清掃が徹底されていたり、通路にサーキュレーターを設置して換気を促したりと、館内を清潔に保つためにかなり努力されています。

新鮮で健康的な料理

古民家の宿山海は、新鮮な魚介類が豊富に獲れる伊豆にある宿泊施設なだけに、刺身の船盛はもちろん、蟹、伊勢海老、活あわび踊り煮、サザエのつぼ焼きなどを食べることができます。

古民家の宿食事

朝食はバイキング形式になりますが、焼き魚や納豆、パンなど朝ごはんの定番メニューはもちろん、煮物、野菜の天婦羅、サラダなど、健康的な料理を好きなだけ食べることができました。

料理がコース通りに運ばれてくる旅館やホテルの食事とは違いますが、テーブル席に座るだけで新鮮で健康的な料理が食べられるので、やはり伊豆の宿を選んで正解でした。

揚げ物中心の幼児食

胃腸の発達が未熟な幼児は生の刺身は食べられないので、大人の料理を取り分けることも考えましたが、伊豆ならではの幼児食が食べられる宿を探したところ、古民家の宿山海にたどり着きました。

幸いなことに我が家の娘は甲殻類アレルギーがないので、カニの様な蒲鉾を揚げた物や本物のエビフライも食べられましたし、グラタンや揚げた魚を沢山食べていました。

揚げ物の割合がやや高い気もしますが、豊富な野菜と鶏肉の鍋とおじやもあるので、栄養バランスを気にする方でも大丈夫だと思いますが、心配な方は宿に連絡して詳細の確認をおすすめします。

予想外に清潔な部屋

建物の外観はとても古さを感じるので宿泊する前は客室に不安を感じていましたが、畳や壁がきれいで丁寧に清掃されていたので、思いの他快適でストレスなく過ごすことができました。

古民家の宿山海は山の上にある旅館なので、海岸沿いにあるホテルの様な絶景は望めませんが、小さいながらもテレビはきちんと映りますし、エアコンからも異臭がしないので安心しました。

洗面所やトイレは苦手なユニットバス内にあるのが個人的に残念なポイントですが、今まで宿泊したことのあるハイクラスな旅館の和室と比べても遜色がないくらい部屋の中が清潔で明るく感じました。

混雑する露天風呂

古民家の宿山海の露天風呂は男女別々で女性が19:00~24:00と6:00~8:00、男性が15:00~18:00と8:00~10:00と時間交代制となるので、チェックインが遅くなると男性は必然的に内風呂に入ることになります。

男性の内風呂はとても狭い上に窓の外は山の斜面なので、景色が一切みえない上に浴室の明かりが暗いので利用客が少なく、決して広くない露天風呂に殺到していた印象があります。

宿泊先の露天風呂にこだわるならこの宿はおすすめできませんが、ハイシーズを外せば弓ヶ浜にある〇文など、絶景の露天風呂を日帰りで利用することもできます。

古民家の宿浴衣

徹底した合理化なのかわかりませんが、普通は各部屋に置いてある浴衣がフロント近くに置いてあるので必要な人は自分で調達するのですが、女性客にはカラフルな浴衣が有料で用意されています。

不便さを親切でカバー

古民家の宿山海は、弓ヶ浜海水浴場から徒歩では行けない距離で急な坂道の上にある立地、洗濯機が屋外、館内にエレベーターがないなど不便な要素が沢山ありますが、スタッフの親切でカバーしています。

電車で遊びに来た我が家8人全員を弓ヶ浜の海水浴場まで車で送り迎えしてくれましたし、屋外にある洗濯機を無料で使えるようにしていたり、大きな荷物があれば全て部屋まで運んでくれました。

スタッフの数は決して多くないので、できることは自分で解決するくらいの気持ちで宿泊するのがおすすめですが、フロントに相談すれば色々お手伝いをしてくれるのでとても助かりました。

古民家ならではの遊び

古民家の宿山海には、温泉宿にありがちな卓球台の他に、紙相撲、輪投げなど、まだスマートフォンやゲーム機が存在しない時代に子供達が遊んでいた玩具が沢山あります。

輪投げや紙相撲などの遊びは今時のゲームと比べると単純ですが、それでも初めてみるアナログでレトロな遊びに子供達は目を輝かせていたので、古民家の宿を選んで正解でした。

ロケットや落下傘が落ちてくる打ち上げ花火をするなら弓ヶ浜海水浴場がおすすめですが、小さな子供でも楽しめる線香花火や手持ち花火をするなら、宿の近くですることもできます。

ヒリゾ浜にも行ける

その気になれば伊豆下田にある宿からバスで白浜やヒリゾ浜に行けるので、古民家の宿山海だけのメリットではありませんが、それでも休暇村バス停近くに宿がある立地は便利です。

数少ない本数のバスを乗り継いだり大きな石とフナ虫だらけのヒリゾ浜に、小さな子供を連れて行くのは正直おすすめしませんが、透明度が高くて魚が豊富なヒリゾ浜は一度なら遊びに行く価値は十分にあります。

小さな子供を連れて磯遊びをするなら、弓ヶ浜海水浴場東にある逢ヶ浜(おうのはま)もおすすめですが、トイレは古代式で裸足では遊べない岩場ですので、それなりに装備を整える必要があります。

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無線LAN争奪戦

古民家の宿山海には無料で使える無線LANがありますが、客間に案内されたからと休憩したり露天風呂に入るのではなく、まずはスマートフォンをWiFi接続することをおすすめします。

古民家の宿山海で利用しているWiFiに接続しようとしたところ、IPアドレスの取得で失敗していたのでスコープの範囲が極端に狭いか、同時接続数が少ない無線ルーターを使用している可能性があります。

古き良き時代の建物に寝泊りしている時くらいスマートフォンを手放しても良い気がしますが、無線LANが利用できるのであれば積極的に利用したいと考えるのはみんな同じです。

古さから学ぶ

古民家の宿に宿泊しても何十年もの前の遠い昔を思い出すだけで、大人の自分自身は学ぶべき物はありませんでしたが、ビルトインIHクッキングヒーター育ちの我が子は初めてみる囲炉裏の炎に興味津々でした。

忍者屋敷のような屋敷が不思議なのか、マンション育ちの我が子は木製の階段を数えてみたり、戦国時代の甲冑について質問してみたりと、様々なことを学んでいました。

何かを知るにはネット検索した方が断然効率的ではありますが、子供の五感を刺激する古い時代の生活や遊びはいつまでも記憶に残りますので、古民家の宿山海に宿泊して正解でした。