ホームサーバ最強対決!?おすすめのNAS徹底比較【機能編】

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スマートフォンや一眼ミラーレスカメラなど、高解像度な写真や動画が簡単に撮影できる時代になり、個人が所有するデジタルデータの量が年々増え続けているため、それらのファイルを管理したり楽しむためにNASを利用する人が増えています。

スマートフォンから直接保存したり共有できるクラウドストレージはとても便利ですが、高解像度で撮影時間が長い動画ファイルの保存は、通信パケットや速度の制限、ストレージ容量やコストなどに問題があります。

子供の成長記録や旅行の大切な思い出など、日々増え続ける写真や動画を保存するNASの購入を考えているなら、ハードウェア性能だけでなく管理画面の操作性や、データ保護機能を十分に比較してから選ぶことを強くおすすめします。

そこで今回は、ホームサーバだけでなく企業で使用するサーバとして利用される最強のNAS、SynologyとQNAPの機能を徹底比較しましたので、今後の製品選びの参考にして頂ければ幸いです。

Cloudストレージの限界

パソコンに詳しい方がいない場合や、保管したいデータ量が少ないのであれば無理にデータをNASへ保管するのではなく、Google OneやiCloudなどのクラウドストレージサービスを利用する方法もあります。

ただ、日々高解像度が進むスマートフォンで撮影した写真や、動画が気軽に撮影できることを考えると大容量のストレージが必要になりますが、2TB以上になると途端に経済的ではなくなります。

こらの表は、人気のクラウドストレージサービスを比較した物ですが、どのサービスも2TBを越える容量をサポートしていませんので、動画ファイルを中心に保存している方には向いていません。

Google OneiCloudMicrosoft One Drive
2TB1,300円/月1,300円/月未定
Android
iOS
Windows
Mac OS

インターネットが繋がる場所であればどこからでもストレージにアクセスできるのは便利ですが、2TB以上のストレージプランになるとコスト的な負担が大きくなるので、NASの方がおすすめです。

経営戦略次第では利用できるプラットフォームが制限されたり、利用するサービスによってはグループでアクセスする共有フォルダとして利用できないなど、使い勝手が悪いものもあります。

他にも、インターネット経由のデータアクセスは様々な原因で速度が低下するので、大容量な動画ファイルの編集用に利用するのは無理がありますし、基本的にテレビ番組の録画に使用することもできません。

管理画面デザイン

QNAPとSynologyのNASは、小規模から大規模まで幅広い企業に導入されている多機能で信頼性の高い製品ですが、専門的な知識がなくても利用できるのが人気でホームサーバのシェア上位を占めています。

今まで家庭向けから企業向けのNASを20台以上導入してきましたが、QNAPはハードウェア性能重視の玄人受けする製品なのに対し、Synologyは操作性と使い勝手が良い機能重視という印象の製品です。

こちらはQNAP NASの管理画面で、コントロールパネルやストレージ&スナップショットなど、頻繁に利用する機能を配置したり、リソースモニタを表示させたりすることもできます。

QNAP NAS管理画面

こちらはSynologyの管理画面で、Windows XPを彷彿とさせるデザインの管理画面は不要な情報を徹底的には排除しているので、初めてのホームサーバ経験者でも戸惑うことなく操作することができます。

Synology NAS管理画面

NASの管理は基本的にWebブラウザで行うため、一般的なデスクトップPCの画面と比べるとシンプルですが、どちらのNASも画面レイアウトが崩れることなくスムーズに操作することができます。

こちらはQNAP NASのコントロールパネルとサイドメニューを表示させた画面で、ストレージ&スナップショットやネットワークと仮想スイッチなど、一般的なホームサーバにはない機能もあります。

QNAP NASコントロールパネル

こちらはSynologyのコントロールパネルとサイドメニューを表示させた画像で、Active Backup for BusinessやVirtual Machine Managerなど、便利な機能が簡単に操作できるので人気です。

Synology NASコントロールパネル

Synologyのエントリークラスや低価格モデルのNASは、企業向けの便利な機能だけでなくSSD Trimや動画の高速変換が制限されているモデルもあるので、購入するならPlusシリーズがおすすめです。

ストレージスナップショットが超便利

QNAPやSynologyのNASを家庭で使う最大のメリットとも言えるのがストレージのスナップショット機能で、削除したり上書きしたファイルを高いレベルで復元することが可能です。

一般的な家庭向けのNASでも、削除したファイルならネットワークごみ箱から復元可能ですが、上書き保存したファイルを元の状態に戻すにはバックアップから復元するしかありません。

ストレージのスナップショットを利用すれば、共有フォルダのプロパティからユーザー自身が復元したいファイルやフォルダの日時を指定し、復元することができるのでバックアップよりも柔軟に対応することができます。

NASスナップショット機能

テレビ番組の録画目的にNASを使うならスナップショット機能は不要ですが、ビジネスや勉強のために作成した資料を保存するのであれば、ファイル単位やフォルダを楽に復元できるSynologyやQNAPのNASがおすすめです。

ストレージ管理

こちらはQNAPのストレージ&スナップショットの設定画面で、外付けRAIDエンクロージャー、SSDオーバープロビジョン、Qtierなど、一般的な家庭向けのNASにはないストレージ機能が使えるのが魅力です。

QNAPストレージマネージャ

ただ、ドライブベイの数が多い企業向けの製品で使うストレージ機能を可能な限り詰め込んでいるので、初めてホームサーバを利用する方には難しく感じるのではないかと思います。

こちらはSynologyのストレージマネジャの画面で、ストレージのスナップショット管理や、NASをローカルドライブとして認識させるiSCSI機能を別メニューに切り離すことで、ホームユーザでもわかりやすくしています。

Synologyストレージマネージャ

iSCSIの設定は特に難しくありませんが、バックアップストレージかNASを外付けHDD感覚で使いたい人以外は基本的に使わないので、一般的なストレージ管理機能と切り離して簡素化しています。

ネットワーク設定

QNAPの家庭向けモデルには仮想マシンを動かすことができる機種があるので、NAS本体のネットワークの他に仮想スイッチの設定をしたり、DHCPサーバや経路設定をしたりと、一般的なホームサーバにはない機能が使えます。

QNAPネットワークマネージャ

高度な設定が可能なNASなだけに設定が難しくみえますが、一部のヘビーユーザーや企業でなければインターフェイス以外の設定はしませんし、PCにインストールするQfinderで簡単にネットワークの設定が可能なので安心してください。

稀にファームウェアアップデートで、ネットワークと仮想スイッチの設定画面が英語表記になる場合がありますが、その時はNASの言語設定を日本語にするだけで解決します。

こちらはSynology NASのネットワーク設定画面ですが、基本的にネットワークインターフェースタブのアダプター設定以外はしませんし、PCにインストールするDiskStationManagerで簡単に設定することができます。

Synologyネットワークマネージャ

エントリーモデルのNASでも、IPアドレスやゲートウェイなどの基本的な通信設定をしなければ、PCやスマートフォンからアクセスできないので、少しだけネットワークの勉強が必要になります。

マルチメディアの活用

ホームサーバの役割は、単純に撮影した写真や動画のファイルを保存するだけでなく、リビングにあるテレビや家族みんなのスマートフォンで簡単に再生できるものでなければなりません。

こちらはQNAPのNASにマルチメディア機能を追加するAppCenterの画面ですが、スマートフォンで撮影した動画をスマホアプリで再生するVideo Stationや、購入したCDの音楽を再生するMusic Stationなどがあります。

QNAPマルチメディア機能

QNAPのNASはSynologyの製品と比べるとハードウェア性能は上ですが、スマホアプリの設計が雑で癖があるので、マルチメディア機能を楽しむホームサーバとしてはあまりおすすめできません。

サードパーティー製のマルチメディア機能は使用したことがありませんが、Synologyの追加アプリケーションは使い勝手が良く、スマートフォンアプリも充実しているので大変おすすめです。

Synologyマルチメディア機能

SynologyのNASは、ホームビデオカメラで撮影したAVCHDのファイルをスマートフォンで再生可能な形式に本体で変換するのに対し、QNAPはスマートフォンにプレイヤーをインストールして対応しています。

NASに保存した音楽をスマートフォンで再生するMusic Stationのアプリも、Synologyと比べるとかなり使い勝手が悪く感じるので、マルチメディア重視の方はSynologyがおすすめです。

サポート対応

シンプルなハードウェアで構成されたQNAPとSynologyのNASはとても丈夫ですし、他のメーカーと比べると機能が豊富で高い満足度の製品なのは間違いありませんが、日本レベルのサポートを求めてはいけません。

問い合わせに対する返信も丁寧で両社のサポートが悪いという訳ではありませんが、物流距離を考えると初期不要の時に返品が可能な通販サイトを利用して購入するのがおすすめです。

ホームサーバとして利用する範囲ならヘルプや公式サイトの情報をみれば解決できますし、シェアが高い人気製品なだけに情報を公開しているユーザーも多いので、初めての方でも安心して使えます。

総合評価

写真や動画のファイルを保存するだけなら、どちらの製品を選んでも失敗することはありませんが、初めてのホームサーバの購入やスマートフォンで便利にNASを利用するならSynologyがおすすめです。

スマートフォンアプリの品質や管理画面の操作性はともかく、ハイスペックなハードウェア性能や拡張性が高いホームサーバを好むヘビーユーザにはQNAPがおすすめです。

国内メーカーのホームサーバも悪くありませんが、大容量ハードディスクやSSDを自由に選んで利用できないのは大きなデメリットなので、今回紹介したSynologyやQNAPのNASがおすすめです。

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