QNAP NAS初期セットアップ後にするべきネットワークの設定

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NAS QNAP失敗しないストレージの設定

QNAP NASには、コンピュータ名でサーバアクセスを可能にするDNS機能がないので、IPアドレスでアクセスするかクライアントPC全てのホストファイルを編集する必要があります。

NASを名前解決を行うマスターブラウザとして動作させることもできますが、Windows 10のセキュリティ機能強化の影響により、正常に動作しない場合があります。

最悪IPアドレスでアクセスすれば良いのですが、NASのネットワーク設定を適切に行うことで使い勝手が良くなりますし、可用性を高めることができます。

ポートトランキングの設定

複数のLANポートを搭載しているNASなら、ポートトランキングを行うことで接続性を高めたり、トラフィックの負荷分散を行うことができるので、初期セットアップ後に設定することをおすすめします。

トラフィックを負荷分散するモードは、低スペックのハードウェアや同時接続が少ない環境では意味がありませんが、ハードウェア障害による通信障害から守ることができます。

ポートトランキング設定は簡単で、コントロールパネルにあるネットワークと仮想スイッチをクリックし、インターフェイス画面にあるポートトランキングを実行してください。

QNAPポートトランキング設定

ネットワークインターフェイスの一覧から、ポートトランキング構成するアダプターだけを選択し、次へボタンをクリックしてウィザードを進めます。

QNAPネットワークインターフェイスのチーム化

仮想OSをNASで動かさないのであれば、全てのLANポートでポートトランキングを構成しても問題ありませんが、一般的にはアクセスが集中する高性能なサーバでなければ2ポートのチーミングで十分です。

次は、ポートトランキングの大まかな種類を選ぶことになるのですが、高機能なネットワークスイッチを使用しない家庭やスモールオフィスのファイル共有サーバで使用するなら、「一般スイッチ(最も一般的)」を選択してください。

QNAPNICチーム化一般スイッチ選択

ネットワークスイッチなしで2つのNASを直接接続(VJBOD)は、他のNASにある仮想ストレージを使用するのに使用しますが、企業でも利用シーンは多くありません。

一般的に使用するポートトランキングには、Active-Backup、Balance-tlbなどがありますが、特に理由がなければ送受信の負荷分散が可能なBalance-albに設定してください。

QNAPポートトランキングレベル設定

勘違いしている人が人が多いのですが、ポートトランキングは道路の車線を増やして渋滞を緩和することができますが、50km制限の道路が100km制限になる訳ではありませんので注意してください。

ポートトランキングの設定が正常に完了した後は、設定したポート数と同じ本数のLANケーブルをスイッチに接続し、ネットワークと仮想スイッチの概要で接続状況を確認してください。

QNAPポートトランキング設定完了

因みに、初期セットアップで固定IPアドレスを割り当てたLANポートをポートトランキングする場合、同じIPアドレスに設定できないのでDHCPの静的アドレスを割り当てた状態で構成してください。

Microsoftネットワークの設定

Qfinderを利用したりIPアドレスを入力してNASにアクセスするよりも、短いホスト名でアクセスした方が断然楽ですが、DNSが存在しないネットワークではWindowsからサーバへアクセスできない場合があります。

残念ながらQNAPのNASにはDNSの機能を追加できないので、常時稼働させるNASをマスターブラウザとして設定するか、パソコン側でhostsファイルを編集する必要があります。

全ての端末で設定する必要があるhostsファイルは、接続する端末が多いネットワークには不向きなので、NASをマスターブラウザに設定するのがおすすめです。

QNAPネットワーク詳細オプション

Microsoftネットワークの詳細オプションボタンをクリックし、ローカルマスターブラウザにチェック入れて、適用ボタンを押すだけで簡単に設定することができます。

QNAPマスターブラウズの設定

セキュリティや安定接続の安定を考えるならSMBは最上位最下位ともにバージョン3にするのがおすすめですが、古いOSとの互換性を優先させるなら最下位SMBバージョンを1にしてください。

Appleネットワークの設定

Mac OS 10.12以降のOSであれば有効にする必要はありませんが、それ以前の古いOSを使用している場合は、SMBだけでなくAFPを有効にするのをおすすめします。

AFPの有効はとても簡単で、ネットワークサービスとファイルサービスのWin/Mac/NFSにあるAppleネットワークをクリックした後に、AFT(Apple Filing Protocol)を有効にチェックを入れるだけです。

QNAP AFP設定

DHX2認証サポートはMac OS X 10.7 LionからApple TalkでNASにアクセスするのに使うものなので、利用するOSのバージョンに合わせてチェックを入れてください。

Mac OS10.12以前のTime Machineは、AFPでなければNASにバックアップできませんでしたが、最新OSはSMBでマウントした共有にバックアップ可能なので、無理にAFPを使う必要はありません。

AFPを使わずにSMBを利用してNASに接続する時は、Microsoftネットワークの詳細オプションにあるSMBバージョンをクライアントPCと合わせる必要があります。

過去に検証した結果では、Mac OS10.10よりも古いバージョンをお使いの場合はSMBバージョン1がおすすめで、それ以降のOSを利用するならSMB3がおすすです。

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