床暖房はメリットやデメリットよりも誰が使うかで選ぶべき理由

はじめてのマイホーム購入や住み替えのために、今まで10件以上のモデルルームを見学したのですが、住宅設備が充実している大手ブランド物件は床暖房が標準装備されています。

最初に購入契約をした分譲マンションと今回住み替えのために購入したマンションは床暖房がありましたが、二回目に購入したオール電化のマンションには床暖房がありませんでした。

一般的な賃貸住宅はコストを抑えるために床暖房が利用できない物件ばかりなので、購入したマイホームで生活してみて初めて床暖房が必要な物なのかを知ることになる人もいます。

空気乾燥対策にはならない

空気を乾燥させるエアコンよりも床暖房を好む方もいますが、湿気を含む温風を排出するガスストーブと違い、床暖房を使用したからと部屋の湿度が高くなることはありません。

エアコンと比べると床暖房の方が空気が乾燥しにくいのは間違いありませんが、床の下に張り巡らしたパイプから熱が伝わるだけなので、床暖房は空気の乾燥対策には使えません。

加湿器の性能がエアコンの暖房に追い付かず、空気の乾燥が悪化するようであれば床暖房に切り替える価値は十分にありますが、そうでなければ光熱費や利用シーン毎に使い分けをするのがおすすめです。

花粉症が辛い方におすすめ

3月になると春の暖かさを感じられることが多くなるので、日中にエアコンを使わない日が増えてきますが、朝晩に冷え込む日も当然ながらあるので、暖房なしで生活することはできません。

朝は部屋を暖めるのに時間がかかる床暖房よりも、短時間で温風が拭きだすエアコンを使いたくなりますが、辛い花粉症のことを考えて床暖房だけを利用しています。

基本的なエアコンは、冷暖房を使用したところで外気が室内に入ることはありませんが、機能の差別化を図るために換気機能付きのエアコンも販売しているメーカーもあります。

利用中のエアコンが常時換気しない機種であれば、花粉が飛散する季節にエアコンを使用しても問題ありませんが、そうでなければ逆に部屋の空気が汚れるので床暖房を利用する方がおすすめです。

エアコンと併用して上手に使う

床暖房で部屋の空気を温める時間は、温風を排出するまで時間がかかるヒートポンプを搭載したエアコンの比ではなく、運転モード次第ではオイルヒーター並みに時間がかかります。

寒い朝に床暖房を付けても中々部屋が暖まらないので、朝起きて出かけるまでの時間が短い平日はエアコンだけにし、家の中で過ごす時間が長い週末は主に床暖房を使用しています。

気になる光熱費ですが、ビルトインIHクッキングヒーターを使用しているので、一般的なガス住戸よりも若干ガスの使用量が少ないかもしれませんが、53㎥の使用で7,000円以内に収まる料金でした。

電気は222kWh使用で6,400円で、ガスと合わせると2月の光熱費は約13,400円となりましたが、これが戸建や角部屋マンションなら20,000円近くになります。

都内のマンションで断熱性能が優れている中部屋なら、真冬の朝でも室内が18℃を下回ることは稀で、床暖房やエアコンがなくても過ごすことができるので、角部屋より光熱費を安く抑えることができます。

床暖房は女性や冷え性の味方

真冬のフローリングはとても冷たいので、床暖房がない住いで生活していた時は冷え性の悪化による足の痛みに悩んでいましたが、今は床暖房があるのでかなり楽になりました。

女性は特に体を冷やしてはいけませんし、子供を冷たい床で遊ばせるのは発達に悪い影響がありそうなので、可能な限り床暖房を使用するようにしています。

リビングの断熱性能が高いので弱運転のみ使用していますが、体を温められないエアコンと違い床暖房は体を芯から温めてくれるので、子供と床の上で遊ぶ時に重宝しています。

本来、人間の免疫力は夏よりも冬の方が高くなるらしく、暖かい季節と同じように活動することで体力を消耗させたり、体を冷やしてしまうので病気になりやすいとのことです。

効果があるかわかりませんが、我が家では体の芯から冷えていると感じた時は、床暖房の上に薄いマットを敷いて体全体を時間をかけて温めるようにし、できるだけ免疫力を回復するようにしています。

気になる床暖房の寿命

ウォシュレットやエアコンに製品寿命があるように、浴室乾燥や床暖房にも当然ながら利用できる期限が設定されているので、定期的にメンテナンスや交換をしなければなりません。

ただ、床暖房は床全体にチューブを張り巡らしているので、交換するとなるとフローリングを剥がさなければならないという、何とも厄介な存在でもあります。

ただ、フローリングにも寿命があるので、床暖房を更新するタイミングが床を貼り替える時期だと割り切れれば良いのですが、費用のことを考えると頭痛の種になりそうです。

大規模なリフォームをできる財力があるなら床暖房を積極的に入れても問題ありませんが、将来的に子供にマイホームを相続したり、ある程度の蓄えができる収入がある人でなければ、積極的に入れる必要はないと個人的には思います。

床暖房は使う人を選ぶ

床暖房には様々なメリットやデメリットがありますが、一番大切なのは誰が何のために使い本当に必要な物なのか、良く考えてから導入すべき住宅設備のひとつです。

我が家にはミストサウナや食洗器が標準で装備されていますが、家族全員が長時間お風呂に入るタイプではありませんし、食洗器の掃除をしたくないという変な理由で食器は全て手洗いしています。

最近の分譲マンションは、床暖房やミストサウナなどは標準で装備されていますが、もしオプションで選べるのなら今後もメンテナンスなども考えた上で選択してください。

個人的に床暖房は子供がいる家庭や冷え性に悩まされる人にはおすすめですが、単身者や代謝が高くて血流が良い若い人は必須ではないと思いますので、良く考えてから導入することをおすすめします。