NAS専用HDD不要は嘘!?ホームサーバの失敗しないディスクの選び方

  • NAS
  • 881view
  • 0件
NAS 最強NAS専用HDD

一般家庭で使うためのサーバにNAS専用HDDを搭載する必要がないという意見もありますが、それは全くの嘘ではないかもしれませんが、とても正解だとは言えません。

個人よりも企業で使うNASの方が、データアクセスする頻度や保存するデータ量が桁違いにあるのは確かなことですが、だからと大切な思い出の写真や動画がビジネス文書より価値がないとは思えません。

確かに、保存するデータがテレビ番組の録画なら、より安価なパソコン用のHDDでも十分ですが、結婚式や子供の成長を記録した写真や動画を保存するなら、絶対にNAS専用ディスクの方がおすすめです。

保証期間と耐久力の違い

基本的にパソコン用のHDDは、NAS専用よりも一日の稼働時間が短く設定されていますし、保証期間も短いので本当に大切なデータを保存する用途には向いていません。

どんなに高価なディスクでも初期不良はあるので保証期間の長さが全てではありませんが、やはり大切なデータを保存するHDDは保証期間が長い製品を選ぶべきです。

例えば、エントリー向けのデスクトップPCに搭載されることが多い、ウェスタンデジタルのグリーンやブルーは平均故障間隔(以下MTBF)が30時間なのに対し、同メーカーNAS専用HDDのレッドは100時間です。

MTBFは故障確率のようなものなので耐久性を保証するものではありませんが、やはり貴重なデータを保存するなら平均故障率が高いディスクよりも壊れにくい製品を選んだ方が安心です。

因みにNAS専用HDDには、ファイルサーバやバックアップサーバなどの用途違いや、データアクセスする規模の違いにより使い分けができるように、MTBFが異なるディスクが用意されています。

IronWolfIronWolf ProExos
一般家庭、小規模企業中小企業エンタープライズ向け
8ドライブ以下のNAS24ドライブベイ以下のNAS制限なし
一部回転振動センサーあり全ての容量で振動センサーあり全ての容量で振動センサーあり
100万時間/MTBF120万時間/MTBF250万時間/MTBF
3年保証5年保証5年保証

個人が使うNASにエンタープライズ向けのディスクを搭載する必要はありませんが、最低でも3年保証でMTBFが100万時間ある一般家庭向けのNAS専用HDDを使用した方が安心です。

容量でパフォーマンスが変わる

ここからはNAS専用HDDとは関係ない話になりますが、HDDは容量の違いでアクセス速度が大きく変わるので、少しでも高速なアクセスを求めるなら、より大容量の物を選んでください。

下の画像は、NAS専用HDD Western Digital Red 2TB(左)と、パソコン用HDD Western Digital Green 2TB(右)のベンチマーク結果を並べた物ですが、数値に大きな差はみられませんでした。

Western Digital Red 2TB 4TB Benchmark

こちらは、NAS専用HDD Western Digital Red 2TB(左)と4TB(右)のパフォーマンスを比較したものですが、こちらの値も大きな差はみられませんでした。

Western Digital Red 2TB 4TB Benchmark

こちらは、NAS専用HDD Western Digital Red 6TB(左)と、10TB(右)のベンチマーク結果を比較したもので、何故か6TBは大幅に悪い結果となりましたが10TBはより高速でした。

Western Digital Red 6TB 10TB Benchmark

こちらはSeagateのNAS専用HDDのIronwalf 10TB(左)と、12TB(右)のベンチマーク結果を比較したものですが、小容量と比べるとパフォーマンスが向上しています。

Seagate Ifonwolf 10TB 12TB Benchmark

家庭向けNASに使用するディスクではありませんが、こちらはエンタープライズ向けのNAS専用HDDで、左がSeagate Exosで右がWestern Digital HC520WDとなります。

データセンター向けNAS HDDベンチマーク比較

今回計測した4TBのHDDのなかで、東芝製NAS専用HDDのパフォーマンスが良いと感じましたが、あまり導入したことがない製品なので耐久性は不明です。

東芝NAS専用HDD

今回購入した東芝のNAS専用HDDには、振動が発生してもパフォーマンスが低下しないRVセンサー搭載と非搭載の物がありますが、価格差があまりないので特に理由がなければセンサーありがおすすめです。

正直、録画で使わない限り個人で10TBの容量を越えるストレージを消費するのは困難ですし、SSDと比べてると圧倒的に速度が遅いのは変わらないので、HDDの速度を気にして大容量にする必要はありません。

テレビ番組を録画しないのであれば4TBも容量があれば十分ですし、どうしてもパフォーマンスが気になるなら、NASにSSDを搭載した方が納得できます。

データを守るのが最大の目的

Seagateのパソコン用HDD BARACUDAが4TBで8千円を切るのに対し、NAS専用HDDのIronWolfは1万4千円もするので、購入するのに躊躇するのはわかり。

ただ、お金では決して買うことができない大切なデータを保存するなら、コストが安いパソコン用HDDを購入するのではなく、NAS専用をお求めください。

NASは複数の人とデータを共有するためにあると便利ですが、その他にも冗長化したディスクに大切なデータを保存し、保護するための仕組みを利用するために利用する物です。

そんな大切なデータ保護をするために目的に購入したNASに搭載するHDDが、保証期間が短く故障リスクが高いタイプでは本末転倒と言わざるを得ないので、必ずNAS専用HDDを利用してください。

NAS専用HDDと言えばWestern Digital Redが人気ですが、今まで様々なメーカーの製品を組み合わせて何百と導入してきた感じでは、東芝やSeagateの製品も悪くないと思います。

一時はトラブル続きで評判が地の底にまで落ちたSeagateですが、コストパフォーマンスだけでなく品質も良いHDDとして人気が急浮上したので、最近はNAS専用HDD IronWolfを購入しています。

Seagate IronWolf 3.5

Seagate IronWolf 3.5

15,700円(04/24 02:33時点)
Amazonの情報を掲載しています