自宅の通信環境が原因!?在宅勤務でリモート接続できない時の対処法

勤務先の通信インフラを整備し在宅勤務を一斉に開始したものの、自宅のインターネット回線やモバイルルーターが原因で、会社のパソコンにリモートデスクトップ接続ができないケースがあります。

インターネットVPN接続や、その後リモートデスクトップ接続で問題が発生した場合は、自宅ルーターのファイアウォールの設定を変更したり、PPPoEパススルーを利用することで解決する場合があります。

ただ、インターネット回線契約時にレンタルした無線LANルーターの一部製品には、ファイアウォールの設定を変更したりPPPoEパススルーが使えない物もあり、機器を交換して対応する必要がある場合もあります。

在宅勤務に適した通信手段

YouTube動画の視聴やゲームはもちろん、簡単な仕事やオンラインショッピングならスマートフォンがあれば十分できる時代ということもあり、自宅で使うパソコンを購入したりインターネット回線を契約する必要がなくなりました。

オンラインゲームや動画配信サービスを利用するならともかく、外出先で頻繁にインターネット接続をするなら自宅の通信環境にコストをかけるよりも、スマートフォンのデータ通信量を増やしたり、モバイルWi-Fiルーターを契約した方がメリットがあります。

ただ、不測の事態に備えて開始した在宅勤務が長期化した場合、通信制限があるモバイルルーターやスマートフォンのテザリングよりも、常時接続可能な光回線のインターネット接続サービスを契約した方が安心して仕事をすることができます。

契約したインターネット接続サービスからレンタルしたルーターが原因で、会社へのVPNやリモートデスクトップ接続ができない場合もありますが、データ通信制限がかかるモバイルWi-Fiルーターやスマートフォンのテザリングで仕事をするより断然おすすめです。

どの方式でリモートワークをするのかにもよりますが、ファイルサーバから直接大容量のファイルをダウンロードして通信制限される可能性を心配するよりも、ルーターを交換して問題解決ができるなら光回線の契約をおすすめします。

ただ、職種や在宅勤務のやり方を工夫することでモバイルWi-Fiルーターでも十分に仕事ができる可能性はあるので、自分の仕事に必要な通信インフラはどれが良いのか考えた上でサービスの契約をするようにしてください。

もし、モバイルWi-Fiルーターを利用した在宅勤務をすすめるなら法人契約がおすすめで、個人で契約するよりも圧倒的に安い価格で大容量のデータ通信が可能ですし、在宅勤務で発生する通信費を企業が公平に負担することができます。

モバイルWi-Fiルーターを利用した在宅勤務には課題もありますが、企業の規模が大きいほど各家庭からのリモートアクセスをサポートするのは不可能なので、通信制限などのデメリットを周知した上であれば選択肢に残しても損しないと思います。

モバイルルータの問題

スマートフォンのテザリングを利用すれば、簡単に職場へのVPN接続や会社PCへのリモートデスクトップ接続できますが、キャリア次第ではオプション契約が必要な場合や通話中のデータ通信ができない機種もあります。

長期的な在宅勤務を行うなら光回線の契約がおすすめですが、短時間でインターネット回線の引き込みができない場合や、外出先でのリモートワークをするならUQ WiMAXやY!mobileなどのモバイルルーターが必要になります。

ただ、モバイルWi-Fiルーターの無制限プランを契約しても通信制限がかかる場合がありますし、在宅勤務のためにモバイルWi-Fiルーターを契約した人が急激に増えたことで、混雑する時間帯にリモート接続が切断される場合もあります。

更に、モバイルWiFiルーターのファイアウォールのポート解放や、グローバルIPオプションの設定など、利用する機器により設定変更が必要になる場合があるので、全従業員へ配布する前に動作確認することをおすすめします。

モバイルWi-Fiルーターの設定変更は、本体の液晶パネルを操作するのではなく、Webブラウザ―で管理画面にアクセスして行う必要があるのですが、設定が難しいからとファイウォールを無効にしないでください。

因みに、ソフトバンクエアーやUQ WiMAXのホームルーターなど、電源を入れるだけで簡単に無線のインターネット接続環境が構築できる物もありますが、光のインターネット回線と同じ感覚で契約すると損した気持ちになるので注意してください。

自宅インターネット回線の問題

自宅のインターネット回線から会社へVPN接続やリモートデスクトップができない場合、ルーターに原因があるのでファイアウォールの設定を変更したり、PPPoEパススルーを利用すれば解決する場合があります。

過去にサポートしたことがあるソフトバンク光のルーターは、そのままではVPN接続ができないのでPPPoEパススルーを設定し、パソコン上にインターネット接続設定を新規に作成することで回避することができした。

ドコモ光を契約するとレンタルできるルーターに、VPNパススルーに対応したELECOM WRC-1167GHBK-Sがありますが、この製品はVPN接続後のリモートデスクトップができないので、ルーターを交換する必要がります。

実際に、ドコモ光のインターネット回線に接続している、ELECOM WRC-1167GHBK-Sを手持ちのNEC Aterm WG1800Hと、ASUS RT-AC86Uに交換してみたところ、どちらも標準の設定でVPNとリモートデスクトップ接続ができるようになりました。

VPN接続とリモートデスクトップ接続が可能なWi-Fiルーター

J:COMのルーターは標準でVPN接続可能な機器もありますが、一部の製品はIPsecパススルーやPPTPパススルーを許可するか、必要に応じてファイアウォールのレベルを変更することでリモート接続が可能な機器もあります。

我が家で使用しているHUMAXのルーターは、ユーザーが開放するポートを指定することができないので、セキュリティレベルを低にしてVPN接続していますが、理想はブリッジモードにして他の高機能なファイアウォール機能付きルーターを使用するのがおすすめです。

HG100R-02JGでVPN接続

ケーブルテレビのインターネット接続サービスを契約している集合住宅の場合、10Mbpsと低速な回線契約をしているケースがあるのですが、通信機器を交換して速度改善を試みる人がいますが、これが速度低下を招いているケースもありました。

J:COMから支給されているルーターにバッファローのWi-Fiルーターを接続するなら、まずはケーブルモデルの機器をブリッジ接続にしないと、ネットワークが不安定になり速度の低下やインターネット接続ができなくなります。

自宅インターネット回線に使用するルーターは購入するよりも、無料や格安でレンタルした方がお得という意見もありますが、在宅勤務やオンラインゲームができない問題が起きる可能性を考えると、初心者にも扱いやすいNEC Atermくらいは自前で用意した方が良いと思います。

リモート操作アプリの問題

自宅インターネット回線のルーターやモバイルWi-Fiルーターの設定を変更して、何とか会社ネットワークへのVPN接続やパソコンのリモート操作ができたとしても、キーボードの入力がままならないなどレアな問題が発生することがあります。

例えば、MicrosoftストアからダウンロードできるMicrosoftリモートデスクトップを利用すると、接続先のパソコンでカナ入力の挙動が変になるので、Windows10の標準機能を利用した方がストレスなく仕事することができます。

Mac OSの場合も標準の画面共有を利用すれば遠隔地からのリモート操作が可能ですが、とても動作が遅くて仕事に使えると言える代物ではないので、有料のリモート操作アプリを購入して対応する必要があります。

Chromeにもリモート操作機能がありますが、ファイアウォールの設定が緩い企業でないと使えない場合がありますし、情報セキュリティを管理する側からすると取り扱いが面倒なので、利用状況を把握できる有料リモートコントロールソフトをおすすめします。

動作検証できたソフトのなかで最も高いパフォーマンスを発揮したのがAny Deskですが、常時モニターやキーボードを接続していないと操作できなくなる場合があるので、Windowsのリモートデスクトップと同じ感覚では使えません。

他にもリモートコントロールソフトで有名なのがTeam Viewで、複数ある小規模店舗のWindowsパソコンをコントロールするのに利用したことがありますが、Mac OSでは検証していないので体験版でお試しください。

この手のリモートコントロールソフトは個人なら無料で利用できますが、法人が継続的に利用しているとブロックされるので、業務で利用するなら必ずライセンスを購入するようにしてください。

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