ダウングレード要注意!?Synology DSMをバージョンダウンする方法

  • NAS
  • 3140view
  • 0件
NAS 最強NAS Synology

高機能でハイパフォーマンス、使いやすくて品質が高いSynologyのNASが、OSをアップグレードするDSM7.0のベータ版の公開しているので、公式サイトからダウンロードしてインストールしてみました。

NASのOSをDSM7.0にアップグレードすることで、Windows XPライクな管理画面のデザインから進化していますが、操作方法は従来のバージョンと大きく変わらないので、特に戸惑うことなく安心して使うことができました。

旧バージョンと比べて大きなインターフェイスの変化はみられませんが、NASに欠かせないストレージ管理や写真の保存など、はじめての方でも操作しやすいように更に使いやすく進化したという印象でした。

ベータ版を試す前の注意点

SynologyのNASはOSをダウングレードする方法が用意されていないので、DSM7.0ベータ版を試すならテスト用のマシンを用意するか、ターミナルソフトで接続しバージョンを識別するファイルを編集する必要があります。

ファイルの内容は単純なので編集作業は簡単ですが、Linuxを利用したりターミナルソフトでSSH接続したりしたことがない方が、完全コマンドベースのviエディタを操作するのは難しいので自信がない方は避けてください。

DSM7ベータ検証

SynologyのNASは古いバージョンやインストール済みのOSを再インストールできない仕様なので、元に戻したいDSMよりも前のものに識別ファイルを書き換える必要があることを覚えておいてください。

更に、ベータ版を含む新しいバージョンから強制的にダウングレードすると管理画面に問題が発生したとの注意が表示されるので、データを全て消去するレベルの初期化を実行する必要があります。

ダウングレード方法

NASがOSを識別するのは/etc.defaults/VERSIONというファイルで、このファイルをダウングレードするDSMよりも更に古いバージョンに書き換えることで、再インストールすることが可能になります。

こちらは、/etc.defaults/VERSIONというバージョン識別ファイルの内容ですが、DSM7.0ベータ版と正規版6.2.2どちらも記述方式が同じ形式で、シンプルな内容なのでルールさえわかれば簡単に変更することができます。

Synology DSMをダウングレードする方法

バージョンを識別するファイルを編集するにはviエディタを利用しますが、そのままでは読み取り専用となりますので、上書き保存できるようにsudo vi /etc.defaults/VERSIONを実行してください。

OSのバージョンを識別するファイルを再インストールするDSMよりも古いバージョンに書き換える訳ですが、buildnumberやbaseなどのパラメーターは公式サイトのダウンロードページやファイル名に記載されています。

DSMを再インストール

DSMのバージョンを識別するファイルを編集した後は、システムを再起動せずにコントロールパネルの更新と復元のDSMの手動更新を実行し、古いバージョンのpatファイルをアップロードしてください。

もしviエディタで編集したOS識別ファイルと画面に表示されているDSMのバージョンが一致しない場合は、コントロールパネルを一度閉じてから再度開くことで反映されるようになります。

DSMダウングレード実行

画面に表示されているバージョンと同等、もしくは古いファイルはキャンセルされるので、Synologyのサイトからダウンロードした最新のDSMをアップロードし、インストール作業を続行してください。

因みに、Synologyのサイトから最新バージョンだけでなく過去のDSMもダウンロードが可能ですが、機種毎にpatが分かれており正しいファイルをアップロードしないとエラーになりますのでご注意ください。

インストール後の初期化

古いバージョンのDSMでシステムを更新し管理画面へログインすると、「DSMで問題が発生したため、正常に起動できません。Synologyサポートチームに支援を要請してください。」と表示されます。

これは正規版やベータ版関係なく、古いバージョンでDSMを更新することで起きる警告なので、データを全て消去するレベルのシステムリセットを実行する必要があります。

DSMをダウングレードするとエラーになる

全てのデータを消去するシステムリセットを実行すると、NASのネットワーク設定なども全て初期化されアクセス不能となりますので、Synology Assistantで検出しDSMの再インストールを続行してください。

DSMの再インストールをする時に画面表示が一部乱れたり挙動が変になることがありますが、正規バージョンのパッケージを何度かアップロードすることで正常な状態に戻すことができます。

自己責任で

MomentsとPhoto Stationを統合したSynology Photo、高度なドライブ交換が可能なストレージ管理、ファイルのアクティビティを把握するSynology Drive Admin Consoleなど、DSM7には魅力的な機能が詰め込まれています。

ただ、Synology NASのダウングレードはメーカーサポート対象外の作業ですし、ここで紹介した方法が今後も通用するとは限らないので、完全自己責任で作業できる方のみお試しください。

これは個人の憶測でしかありませんが、興味本位でDSM7.0のベータ版をインストールしたとしても、正規版が公表されればリスクなくシステムを戻せると思うので、慣れない作業を無理する必要はないと思います。

システムを古いバージョンで更新することはデータ消去につながるので、くれぐれも本番環境で試さないで欲しいですし、数万円もするNASを起動しなくなるリスクに晒してまで試す必要はありません。