負債を相続する前に確認したい土壌汚染の問題

今回、初めて家を売却することになりましたが、無知がいかに罪深いものだということを思い知らされました。

相続の手続きが済んだ以上、今になって慌てても仕方がないのですが、実家の1階は工場として使用していたので、土壌汚染の調査を行う必要があるそうです。

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土壌改良に数千万円かかることも

土壌汚染の検査をした結果、特定有害物質などが検出された場合、コストをかけて土壌の品質改良を行わなければなりません。

汚染の度合いにもよりますが、5,000万円の不動産を売却するのに6,000万円のコストをかけた例もあるそうで、工場で使用していた不動産を売却する時はリスクが伴うということを学びました。

大分規模が大きくなる話ですが、土壌汚染で騒がれていた豊洲新市場の土壌汚染対策費用は586億円で、以前に都市ガスの製造工場として使用していた東京ガスは、78億円を負担することで合意されたそうです。

この様に、国や都が行う都市開発に関わる土壌汚染に対しては、売却後に発覚しても一部の負担だけで後は行政がコストの面倒をみてくれますが、下町や中小企業の工場を売却した後に土壌汚染が発覚しても、売り主側が対応するしかありません。

かつて現像液などの廃液を平気でたれ流した時代がありましたが、当時の軽率な行いが数十年後に大きな負担となりえるので、工場を営んだり賃貸で工場を貸す場合は、土壌汚染をしないように注意してください。

土壌汚染の調査費用と今後の進め方

土壌汚染の調査に40万円~50万円程コストがかかると説明を受けましたが、取りあえず調査しないことには不動産の売却話が進まないので、見積をとることにしました。

土壌汚染の調査と同時に境界線を明確にするための測量が必要で、こちらも40万円程コストがかかります。

測量は隣接する家1件毎に20万円かかるそうで、3件の家に囲まれていると60万円かかるそうです。

土壌汚染の調査と測量の費用は、不動産の売却益から捻出するという訳にはいかないので、工場付の家を売るとなると100万円程度の資金が必要となります。

土壌調査は、土地の利用履歴や有害物質の使用状況を把握し、表層土壌調査で汚染物質の有無を確認したり、ボーリング調査でコンクリート下を土壌を調べたりするそうです。

今の時代は環境に配慮して廃棄物の処理方法が厳しいのですが、30年、40年前は廃棄物が適正に処理されていない場合があるそうです。

親が工場を創業してから40年経ち、相続をして実家を売却しようとした時に、土壌汚染が発覚すると面倒な事になるので、相続を放棄できる3ヶ月以内に土壌汚染調査を行うのもありだと思います。

私の場合、今となっては相続の放棄ができないので、土壌汚染の調査結果が出てくるのを待つしかありませんが、対応次第では柔軟に対処できるかもしれません。

工場で使用していた土地を相続される方は、相続で司法書士に相談すると同時に、不動産会社に所有する土地のことで相談すると良いかもしれません。