仲介業者が不動産の売却や住宅ローンの審査に影響する場合も

夢のマイホーム生活は多くの人にとって一生に一度の大きなイベントですが、残念なことに住宅ローンの審査が通らない場合があります。

住宅ローンの審査が通らない理由は、年収や勤続年数が不足していたり、雇用形態が影響したりと様々ですが、何も住宅ローンの契約を申し込む側だけの問題で審査が通らないとは限らないようです。

不動産の買い手の住宅ローン申請が通らないとなると、売れる物件がいつまでも売れないということもありえるので、不動産を売る側も買う側も仲介する業者は慎重に選んでください。

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銀行は仲介業者も評価する

金融機関は住宅ローンの申請がなされると、住宅ローン申請者の調査をすると同時に、仲介する業者の評価も行います。

過去に大きな問題を起こした会社が関わる物件の場合、住宅ローンの申請者に問題がなくても住宅ローンの審査が通らないことがあります。

何故、住宅ローンの審査に仲介する業者の評価が関わるかというと、融資する銀行は住宅ローン契約者がローンの返済ができなくなると物件を差し押さえなければなりませんが、融資した後に土地や建物の問題が発覚すると、不動産の価値が下がるからです。

少し乱暴な言い方をすると、住宅ローンの契約者が何かの事情でローンの返済が困難になると、銀行側は不動産を差し押さえて売却すれば済む問題なのですが、融資した不動産に何か問題が発覚すると資産価値が激減する可能性があります。

例えば、工場の跡地で土壌が汚染されていたり、建物に致命的な欠陥があると売却が困難になるので、仲介する業者を評価して貸し出す融資の金利を高くしたり住宅ローンの審査を厳しくするようです。

不動産業界の関係者によると、書類の偽造を日常的に行う業者もいるようですが、銀行も暇ではないので仲介する業者を評価する時は詳しく調べたりせずに、過去の実績や企業規模で判断することもあるそうです。

いくら親切丁寧に対応する業者でも、過去の実績や企業規模をみて判断されてしまうと組めるローンも組めなくなるので、これから住宅を購入される方は物件だけの良し悪しや金額だけで判断するのではなく、仲介する業者の評判や財務状況などもチェックした方が良いでしょう。

住宅ローンの審査が通らないだけならまだしも、2009年に破綻したアーバンエステートの事件のような被害に遭わないためにも、契約する業者の財務状況などは最低限チェックしましょう。

あの様な事件があることを考えると、銀行の評価もどこまで正しいのかわかりませんが、面倒が起きそうな不動産の物件には融資が通らないのは至極当たり前なのです。

不動産を売却する時も同じ

所有する不動産を売却するということは、買い手が存在してから成立するものなので、買い手の住宅ローンの審査が通らないだけなら良いのですが、仲介する業者の評価が原因で不動産の売却が困難になるのは避けたいものです。

仲介業者の評価が悪すぎて不動産が売却できない程度で済めば良いのですが、不動産の売却を早く済ませるために書類を偽装するなどの不正を働き、後から土壌汚染の問題や境界線の不備が発覚するとなると、不動産の売り主側もタダでは済まないかもしれません。

売りにくい不動産が何も正当な理由がなく、媒介契約を済ませた後にすぐにでも売れるような話がある時は不正があるかもしれません。

仮に専属選任で不動産の媒介契約をしたとしても3ケ月もすれば契約解除できるので、何かおかしいと思う時は別の不動産会社に相談しましょう。

不動産というのは買い手の心理も考えて仲介する業者を選ばないと、売れるものも売れなくなりますので、単純に査定価格が高いという理由だけで選ぶのは避けた方が良いでしょう。

また、当然ながら知り合いに不動産会社を営む人がいるからと、会社の状況を調べずに全面的に任せるというのはリスクがあるということです。

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