雑色駅は、京急本線の普通電車のみ停車する駅で、1日の乗降者数は29,781人と京急全駅の中で17番目に利用客が多い駅です。※2013年調べ。
雑色は、蒲田と川崎の間に位置するためか、特に発展する気配もなく何十年も変わらない姿でしたが、京急本線平和島駅と六郷土手駅間の高架化が完成したことで、状況が少し変わるかもしれません。
駅前にそびえ立つオーケージャンボ・サガン
雑色駅を降りると目に入るのが、駅前にそびえ立つオーケー本社であるジャンボ・サガン店です。
オーケーは、高品質を安くを売りに、東京、埼玉、神奈川、千葉に83店舗(2015年末時点)を展開するスーパーです。
昔はレストランやボウリングがあり家族で楽しい週末をジャンボで過ごすなんてことができましたが、店舗数の増加に伴い上の階から徐々にオフィスフロアになりました。
雑色のシンボルともいえるオーケー本社も、近々横浜みなとみらいへの移転が予定されており、元地元住民としては心中穏やかではありません。
ジャンボサガン店が今後どの様な運命を辿るのかは今の時点では謎です。
東西に商店街がある
雑色駅周辺には、京急本線の線路沿いを通る国道15号を境に、雑色商店街と水門通り商店街という二つの商店街があります。
西側にある雑色商店街は、雑色という名前に相応しい雑然とした雰囲気で活気を感じる商店街ですが、アーケードを抜けた一部のエリアは、車が頻繁に通るので落ち着きません。
東側にある水門通り商店街は、雑色商店街と比べると少しさびしさを感じますが、車の通りも少なく安心して買い物ができる商店街です。
どちらの商店街も、閉店した店が何軒かあるのですが、決して人通りが少ないという訳ではありません。
これは、全国の商店街が抱える問題のひとつと同じで、チェーン店ではない古くからある店を継ぐ人がなく、閉店後もそのまま住居として住んでいるからだと思います。
それでも、西側にある雑色商店街は、蒲田に歩いて行ける距離でもなるので、水門通り商店街よりも賑やかではありますが、夜は酩酊状態の人や喧嘩の声が絶えないほど治安が悪いので、住むなら比較的静かな水門通り商店街側をおすすめします。
土手に囲まれている
雑色駅を川崎方面に進むと六郷土手という名前の駅があり、その駅の側には文字通り多摩川の土手があります。
また、雑色駅から東側の水門通り商店街を進むと多摩川の土手にたどり着くのですが、雑色駅の西側にある雑色商店街を直進していくと、これもまた多摩川の土手にたどり着きます。
写真は、水門通り商店街を抜けた先にある南六郷付近の土手から撮影したものですが、先には六郷土手の駅があり徒歩でも行ける距離です。
子供を育てる環境として人気の高い土手に囲まれた雑色駅ですが、住まいとして移住するなら水門通り商店街側にある南六郷をおすすめします。
繰り返しになりますが、西六郷は蒲田に歩いて行ける距離で便利なのですが、一戸建てが多いからか細い道が多く若干治安に不安を感じます。
対して南六郷は町工場が多いエリアでしたが、時代の流れでマンションが多く建設されました。
川崎に近いこともあり、時には暴走族が騒いだりしますが、道路も広い割には車の通りも少なく夜はとても静かです。
移住先を求めた散策で商店街のない駅に何度か降りたことがありますが、雑色駅のような複数の商店街があるエリアに住めるのは幸福だと思いました。
地元の人間からすると当たり前のことかもしれませんが、商店街のないさびしい駅の近くに住んでいると身に染みて感じます。
衰退する一方の商店街ですが、地域の価値を上げる貴重な存在なだけに、地元の人は積極的に利用された方が良いのではないかと勝手なことを言いながら、今回のレポートとさせていただきます。