信頼性の高いNASとして定評のあるQNAPのNAS TS-251の導入レポートです。
企業でも使えるNASと言っても、IPアドレスの設定ができれば誰でも簡単に利用できるのが、QNAPの製品です。
どこらへんが企業向けかというとsyslogやldap, radiusなどのネットワーク系の機能が使えるからですが、必ずしもこれらの機能を使わなければならないという訳ではありません。
QNAP TS-251を選んだ理由
数多くあるNAS製品からQNAPのものを選んだ理由は、企業向けの製品を3台導入した実績があり、全ての機器が安定して稼働しているという点を評価しての選択です。
また、今まで使用していた家庭用NASは、単純にファイルを保存したりテレビの録画をするだけで、何か物足りなさを感じていました。
その点、QNAPのNASは他の家庭用NASにはないネットワークやバックアップ、メディアサーバとしての機能が充実していて、NASを新しくするならQNAPの製品にしようと以前から決めていました。
今回は、自宅のホームサーバーのために購入という事で、DLANやメディアステーションの機能を有効にします。
会社と自宅では使用する機能が違うので、会社での評価と真逆にならないように祈るばかりです。
家庭用でも機種によってスペックがかなり違う
QNAP製品を大きく分けると、大企業用と中小企業用、それとホーム&SOHO向けの製品に分かれています。
本来なら4ドライブタイプを購入してホットスペア用のHDを用意するのですが、今回は予算の関係上2ドライブのタイプからNASを選びました。
まずは、中小企業向けのエントリーモデルであるTS-221とホーム&SOHO向けの製品の中からTS-231, TS-251、DTCP-IPに対応しているHS-210-DとTS-420-Dの比較からはじめました。
QNAPの製品でDTCP-IPに対応している製品は現時点で限られており、HS-210-DとTS-420-Dの様な製品名の後ろにDが付く製品以外は、DTCP-IPに対応していないと思います。
今後のソフトウェアのアップデートで対応されるのかわかりませんが、私の場合DTCP-IPよりもディスクへのアクセス速度を重要視したので、SATA 6Gb/sに対応していないHS-210-DとTS-420-Dは選択肢から外しました。
次に、TS-221は無線LANの規格が802.11nまで対応しているのですが、TS-231とTS-251は802.11acにも対応しているので、将来の事を考えて消去法で行くとTS-231とTS-251のどちらかを選ぶ事になります。
予算を考えてTS-231を選ぶ予定でしたが、5年以上使う事を考えるとCPUがある程度高速で、メモリが最大8ギガまで搭載可能なTS-251を選びました。
単純なファイル共有だけの金額で考えるとTS-231になるのですが、ハードウェアスペックをみてTS-251に惹かれてしまいました。
国内メーカーのNASと海外製の違いも
国内のメーカーが発売しているNASとQNAPの様な海外製のNASを比較した場合、決定的に違うのがDTCP-IPの対応ではないでしょうか。
QNAPの製品は海外製とい事もあり、TS-251を含むほとんどの製品が、現時点ではDTCP-IPに対応しておりません。
DTCP-IPに対応している製品は、HS-210-Dの様に製品名の後ろにDが付いているので、TS-251が今後のアップデートでDTCP-IPに対応するとは思えませんが、今後の動向に注目です。
DTCP-IPを必須と考えている人は、国内メーカーのNASを検討されるか、TS-420-Dの様な型番の後ろにDが付いている製品を選んだ方が良いでしょう。
私はDTCP-IPよりも、ディスクのアクセス速度を重要視してTS-251を選びました。
今回購入したTS-251はディスクが標準で搭載されていない物を選んだので、ウェスタンデジタルのREDモデル WD2001FFSX(2Tバイトを2本)を追加で購入。
テレビの録画がメインではないので現状では2Tバイトでも十分ですが、今後4Kテレビの録画をするようになると微妙かもしれません。
必要なディスクの容量は人それぞれ違うので、よく考えてからディスクを選びましょう。
無線接続で軽いトラップあり
必須ではないのですが、今回のNAS導入で有線LANの配線をなくしたいという目的がありました。
そこで、NASを無線接続にしたかったのですが、これが軽いトラブルを招く事になろうとは、購入前の時点では知る由もありません。
実際にNASを購入して無線接続しようとしても、何故か繋がりません。
セキュリティのためのMACアドレス登録も済ませておりますが、QNAPで動作確認されている無線LANの子機ではないので、最初は相性の問題かと思いました。
仕舞には無線LANのアダプタを認識しなくなる始末です。
検証のために無線LANのアクセスポイント側でMACアドレス認証を無効にし暗号化レベルを引き下げ、SSIDを表示する設定にしたら何故かDHCPからIPを取得します。
まず確認したのがMACアドレスの認証ですが、MACアドレス認証を無効から有効に戻しても無線に接続できるので、次に暗号化レベルをWPA2-PSK(AES)に戻してみました。
暗号化の設定を変更しても無線に接続できるので、ダメ元でSSIDをステルス設定にしてみると無線が接続されなくなります。
SSIDを非表示にするとQNAPが無線に接続できなくなるようで、確かにQNAPのサイトでダウンロードできるマニュアルをみると、SSIDを表示するように書かれています。
紙のマニュアルが同梱されていないので、マニュアルなしで設定していたのですが、やはり紙のマニュアルを同梱して欲しいものです。
わが家は、SSIDを通知しないようにしているので、NASの無線接続はあきらめて有線での接続にしました。
他のトラブルと言えば、テレビの録画が途中でエラーになる場合があるのですが、検証時間が1日と短くネットワーク側に問題があるかもしれないので、今の段階ではなんとも言えません。
※その後判明したのですがスリープ状態のNASNEとIPが重複していたのが判明。1週間録画しても特に問題なく録画と再生ができております。
我が家にはNASNEがあるしテレビ録画はそちらに任せますが、問題があるのを放置するのも気持ちが悪いので、4月から新しく始まる「アイムホーム」や、「心がポキッとね」などのドラマを録画しつつ検証してみたいと思います。
気になるNAS本体のファンの音やディスクのアクセス音は、以前のNASが半端ない音を出していたので、それと比べるとかなり静かな部類だと思いますが、負荷がかかるとブーンというファンが回る音が結構します。
今までは、サーバールームの涼しい場所でしかQNAPのサーバを置いていないので気づきませんでしたが、家に置くなら場所を選ぶかもしれません。
今回のTS-251導入レポートは以上となりますが、時間があればハードウェアパフォーマンスや、機能のレポートを行いたいと思います。
TS-251の上位機種としてTS-253Bという製品が登場しましたが、こちらの値段はTS-251よりもかなり高価で、中小企業向けの製品という位置づけのようです。
今回はQNAP TS-251のパフォーマンスレポートとなります。まずは公表されているTS-251のスペック情報を一部抜粋して確認してみましたが、今までの家庭向けのNASではありえない程の高い性能だと思います。今回購入[…]