2017年目的別に選ぶおすすめA4インクジェットプリンター

2017年の主流となる新しいモデルのインクジェットプリンターが各社から出そろい、製品選びがますます複雑になりましたが、プリンターの世界は新しければ良いというものでもありません。

劇的にスペックが向上する製品であれば新しいモデルがおすすめですが、プリンターの進化はあまり大きくありません。

そこで今回は、本体価格の安い旧モデルも含めながら、2016年後半に発売された2017年の主流になるであろう製品を徹底比較し、おすすめのA4インクジェットプリンターをピックアップして紹介します。

ここで紹介するプリンターは用紙サイズがA4までで、コピーとスキャンが可能な複合機タイプまでが含まれていますが、ファックスや電話は使用できないタイプばかりです。

電話とファックス機能が使える製品をお求めの方は、こちらを記事をおすすめします。

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プリンター選びで失敗しないために

仕事柄インクジェットプリンターを購入する機会が多くありますが、プリンター選びは意外と難しく本体価格だけで製品を選ぶと後悔することがあります。

プリンターの仕様を確認せずに購入してしまい、「設置したい場所にプリンターを置けない」、「複数のPCから出力できない」、「インクがすぐ切れて困る」などの悩みを相談されたことがあります。

よくある失敗例では、本体価格の安さだけで選んだプリンターがUSB接続しかできないもので、後付けで5,000円もするプリントサーバーを購入するはめになることです。

本体価格を抑えるつもりが割高になるだけでなく、プリンターサーバー用の電源も必要になるという光景を何度もみたことがあります。

そこで今まで30台以上のインクジェットプリンターを購入した経験を活かし、2017年も使える新旧プリンターを目的別に選んだおすすめプリンターについて紹介します。

プリンターを選ぶポイント

USBケーブルを抜き差しすれば複数のPCからも出力できますが、ネットワーク接続できるプリンターがあると設置場所の幅が広がります。

配線を必要としない無線LAN接続は便利ですが、壁などの障害物や電子レンジに弱いので、無線だけでなく有線LANにも対応した製品を選んだ方がおすすめです。

プリンターのネットワーク設定で重宝するのが本体にある液晶パネルで、初期設定や通信障害時の対応が楽なので、液晶パネル付きプリンターがおすすめです。

液晶パネルのないプリンターは、企業向けの無線アクセスポイントへ接続する時に苦労するので、社内で利用するインクジェットプリンターを購入する時は注意が必要です。

また、インク代をできるだけ安く済ませたいと思うのなら、色単位で交換が可能な独立したインクが使える製品がおすすめです。

ここでは、最低限の機能を有しているプリンターのなかで、目的別におすすめできる製品を選んで紹介します。

本体価格で選ぶなら

ここでは、比較的プリンターの本体が低価格でありながら、ネットワーク接続が可能で、カラーインクがそれぞれ独立している製品をピックアップしました。

brotherインクジェット複合機DCP-J973N-W/Bは、電話とFAXが使用できないものの有線LANと無線LAN接続が可能な複合機で、本体価格が安い割に多機能なバランスの良い製品です。

最高解像度:最大6,000dpi×1,200dpi
インク色数:4色独立インク
コピー:あり
スキャン:あり
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):あり

液晶モニター:あり
インターフェイス:USB/有線LAN/無線LAN
L判フチなし:約18.6円/枚
L判速度:約14秒/枚
A4速度:カラー10ipmモノクロ12ipm
外形寸法:横411mm×奥341mm(最大576mm)×高227mm

ブラザーの製品はビジネス文書の出力が中心で、写真プリントの品質よりも初期導入費用を抑えたい方におすすです。

本体価格を抑えながらも高画質できれいな写真を印刷したい方は、コピーとスキャンが可能なPIXUS MG7730がおすすめです。

最高解像度:9,600dpi×2,400dpi
インク色数:6色独立インク
コピー:あり
スキャン:あり
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):なし

液晶モニター:あり
インターフェイス:USB/有線LAN/無線LAN
L判コスト:約15.8円/枚(大容量インク)
L判速度:約18秒/枚
A4速度:カラー10ipm
外形寸法:横435mm×奥370mm×高148mm

本体価格の安さで考えるとプリンターのみ利用できるPIXUS iP7230になりますが、実売価格1,000円程度の差額でコピーもスキャンもできるPIXUS MG7730がおすすめです。

補足

最近は有線LANのないプリンターが増えておりますが、無線ネットワークの構築が不安な方やトラブルのない安定した出力ができる有線LANがおすすめです。

インクコストで選ぶなら

インクジェットプリンターを購入する時に気になるのがインク代ですが、標準サイズのインクと大容量のインクとでは、1枚当たりの印刷コストに大きな差があります。

ここでは、1枚あたりのインクコストの安い製品を紹介しますので、大容量のインクが利用できるプリンターを中心に紹介します。

高品質でコストの低いインクジェットプリンターを選ぶなら、プリンター専用機のキヤノンPIXUS iP7230がおすすめです。

最高解像度:9,600dpi×2,400dpi
インク色数:5色独立インク
コピー:なし
スキャン:なし
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):なし

液晶モニター:なし
インターフェイス:USB/無線LAN
L判コスト:14.6円/枚(大容量インク)
L判速度:約18秒/枚
A4速度:カラー10ipm
外形寸法:横451mm×奥368mm×高128mm

インクのコストで考えるとキヤノン PIXUS iP7230がL判印刷コストが約14.6円と優秀ですが、これは先程でもお伝えした通り大容量インク使用時のコストとなります。

このプリンターは5色のインクを使用するので、きれいな写真を安くプリントしたい方におすすめの製品です。

ビジネス文書の出力がメインで画質にこだわらないのであれば、ブラザーのDCP-J983Nがおすすめです。

解像度: 最大6,000dpi×1,200dpi
インク色数:4色独立インク
コピー:あり
スキャン:あり
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):あり

液晶モニター:あり
インターフェイス:USB/有線LAN/無線LAN
L判印刷コスト:約15.1円/枚
L判印刷速度:約14秒/枚
A4印刷速度:カラー10ipmモノクロ12ipm
外形寸法:横420mm×奥341mm×高172mm

PIXUS iP7230と比べると本体価格が倍以上しますが、1枚あたりの印刷コストも安く1年保証に加えて、2年間に1度だけ使える修理保証もあります。

ブラザーのプリンターに、大容量インクが使えるA3対応のMFC-J5620CDWがありますが、A4サイズの出力で十分なら印刷コストの安いDCP-J983Nがおすすめです。

補足

インクには使用期限が設けられていたり、開封後に長期間使用しないでいると、目詰まりを起こしたりインクが劣化します。

大量出力するユーザーでしたら大容量インクの方がお得ですが、年に数回しか印刷しないのであれば標準のインクがおすすめです。

高品質な写真プリントをするなら

高品質な写真プリントをするなら、5色や6色のインクが使えるキヤノンのプリンターがおすすめです。

本命は2016年9月下旬発売のPIXUS TS9030ですが、製品発売直後は本体価格が高いので、高品質でありながらも本体価格を抑えたいと思う方には、PIXUS MG7730がおすすめです。

最高解像度:9,600dpi×2,400dpi
インク色数:6色独立インク
コピー:あり
スキャン:あり
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):なし

液晶モニター:あり
インターフェイス:USB/有線LAN/無線LAN
L判コスト:約15.8円/枚(大容量インク)
L判速度:約18秒/枚
A4速度:カラー10ipm
外形寸法:横435mm×奥370mm×高148mm

2015年9月に発売されたPIXUS MG7730は、故障しても数年は修理してもらえそうなので、高価な新製品を購入する必要はないと思いますが、とにかく新モデルが欲しいという方には、PIXUS TS9030がおすすめです。

最高解像度:9,600dpi×2,400dpi
インク色数:6色独立インク
コピー:あり
スキャン:あり
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):なし

液晶モニター:あり
インターフェイス:USB/有線LAN/無線LAN
L判コスト:約15.9円/枚(大容量インク)
L判速度:約18秒/枚
A4速度:カラー10ipm
外形寸法:横372mm×奥324mm×高140mm

どちらの製品もスペック的には大差ありませんが、リビングなどにプリンターを置く時は、本体が大きくて存在感のありすぎるPIXUS MG7730よりも、少しコンパクトでスッキリしたデザインのPIXUS TS9030の方がおすすめです。

コンパクトなプリンターを選ぶなら

プリンターの置き場所がない場合や、イベントなどの屋外行事でプリンターが必要になる場合に重宝するのが、キヤノンのPIXUS iP110です。

最高解像度:9,600dpi×2,400dpi
インク色数:4色カラーパック+顔料ブラック
コピー:なし
スキャン:なし
自動両面プリント:なし
ADF(自動原稿送り):なし

液晶モニター:なし
インターフェイス:USB/無線LAN
L判コスト:約16.2円/枚
L判速度:約44秒/枚
A4速度:カラー5.8ipm
外形寸法:横322mm×奥185mm×高62mm

コンパクトなプリンターを購入する時に注意していただきたいのが、この手のプリンターはカラーインクがパックで、カラー1色のインクが切れた時は他のカラーも使用できなくなります。

厳密に言うと他の色が使用できなくなる訳ではないのですが、カラー印刷をした時に1色欠けた印刷になるので、結果的に使用できなくなるのです。

カラーパックのインクは容量が少ないだけに、インクの交換を頻繁にしなければならないのがデメリットですが、持ち運びが簡単にできて邪魔にならないのは大きなメリットになります。

エコにこだわるなら

インク交換を安く済ませようと互換インクを使用してプリンターを壊したり、メンテナンスボックスの修理に数万円も取られて憤りを感じた経験ありませんでしょうか。

エプソンからインクカートリッジを交換することなくインク液を補充したり、メンテマンスボックスを自分で交換できる、夢のようなプリンターが発表されました。

ただし、写真プリントでお馴染みのフチなし印刷で使用する吸収剤は修理交換が必要という、大きなトラップがあるので注意が必要です。

夢のプリンタEW-M770Tは2017年3月2日の発売で、印刷枚数が5年間で1万枚を超えるのであれば、エプソンの従来製品よりもインクコストが圧倒的に安くなります。※約4,300枚を越えないのであれば従来品がお得。

最高解像度:5,760dpi×1,440dpi
インク色数:4色+ブラック(染料・顔料)
コピー:あり
スキャン:あり
自動両面プリント:あり
ADF(自動原稿送り):なし
液晶モニター:あり
インターフェイス:USB/無線LAN/有線LAN
A4コスト:約1.3円/枚
L判速度:不明
A4速度:カラー4.5ipm
外形寸法:横425mm×奥598mm×高196mm

ビジネス文書の印刷をするならブラザー、きれいな写真を印刷するならキヤノンという内容で紹介してきましたが、プリンター選びは本当に複雑で情報を整理するだけでも大変です。

仕事でも使うなら

スキャン・FAX・コピーが使えるのはもちろん、A3用紙や大容量用紙トレイが使えるブラザーのインクジェット複合機は、自宅やスモールオフィスで仕事をする人におすすめする製品です。

A4インクジェットプリンターなのに、A3対応の複合機を紹介するには理由があり、この複合機はA3出力が可能な製品なのに、原稿の読み取りサイズがA4までと、ちょっとしたトラップがあるからです。

A4サイズの原稿をA3サイズにしてコピーしたりFAXすることができますが、原稿そのものはA4までの対応となりますので一応簡単に紹介します。

ブラザーの複合機はインクジェットなので、家でちょっとした仕事やFAXの送受信を多くするには丁度よい製品です。

ただし、どのメーカーの複合機はインクのメンテナンスボックスの交換という罠があるので、インクジェット複合機は使い捨て感覚でお使いになるのが一番です。

A4のインクジェットプリンターと比べるとかなり大きいですが、ブラザーの複合機がセットアップや使い勝手などをトータルで考えると、最も使いやすいという印象でした。

こちらは大容量の用紙トレイが2段ついている製品ですが、高さがある分存在感を感じてしまいます。

大容量用紙トレイが1段モデルになると少し控えめな存在になりますので、設置スペースの高さや見た目の大きさが気になる方は、こちらの製品をお選びください。

電話機の子機が付属していないモデルもありますが、FAX対応製品であれば電話線の差込口がついていますので、外付けで受話器を取り付けることもできます。