コードレス電話機の選び方は意外と難しく、使いたいシーンや機能を考えずにデザインやボタン操作だけで選ぶと、使い勝手の悪さに不満を感じて後悔することになります。
自宅や職場で使用するコードレス電話機を選ぶ時は、建物の間取りや子機を使用する範囲を確認するのはもちろん、、使用する機能や目的を明確にする必要があります。
そこで今回は、数多く存在するコードレス電話機のなかから、デザイン性の優れたコードレス電話機はもちろん、中継アンテナが使えるものや迷惑電話防止機能、侵入者を検知して通知する機能のある製品をピックアップして紹介します。
コードレス電話機の基本
2011年3月以前に発売されたコードレス電話は、無線LANや電子レンジと干渉して音声が途切れるだけでなく、通話内容を盗聴されたり、電波の届く範囲が狭いなどの問題を抱えていました。
新規格であるDECT準拠方式の1.9GHz方式に対応したコードレス電話は、これらの問題が大幅に改善されているので、これからコードレス電話を購入するなら新規格の電波を採用した製品がおすすめです。
新規格は旧規格との互換性はありませんが、新しい規格のコードレス電話を使うメリットは沢山あるので、旧式をお使いの方は買い替えを検討してください。
特に3階建ての住宅や豪邸にお住まいの方は、1.9GHz方式を採用した製品にすることで、コードレス電話機のストレスが軽減されますが、CSデジタル放送と干渉することもあるので環境次第では注意が必要です。
電波が届く範囲
最新のコードレス電話は、見通しの良い場所なら300mまで届きますし障害物の多い屋内なら50mまで電波が届くので、階段のないマンションであれば中継アンテナを使用しなくても問題なく通話できます。
ただし、店舗やオフィスビルのような金属製の扉がある場所だと電波が遮断されるので、同じフロアでも障害物の多い場所では中継アンテナが必要になる場合があります。
また、親機と子機を異なる階で使用する場合は、部屋の隅々まで電波が届かない場合もあり、子機が親機を探せない場合があるので、中継アンテナが利用可能な製品がおすすめです。
3階建ての建物の場合、親機を2階に設置すれば1階と3階に電波が届くかもしれませんが、電波が迂回することで距離が長くなるので中継アンテナが必要になることもあります。
仕事の関係で家庭用コードレス電話を扱う機会があり、過去におすすめのメーカーを紹介したことがありますが、あるユーザーからパナソニックの製品は電波が弱いとお叱りを受けました。一応、その記事は所有しているコードレス電話を3階建ての戸建てで[…]
中継アンテナが使えるコードレス電話機
3階建て住宅のリビングは2階に設けられることが多いので、1階や3階に子機を置いても電波が届く可能性がありますが、部屋の隅々まで確実に電波が届く状態にするなら中継アンテナが必要になります。
パナソニックは、中継アンテナを使えるコードレス電話機を豊富に揃えているので、電波の問題で悩むならパナソニックのコードレス電話機がおすすめです。
参考程度の話ですが、試しに中継アンテナに対応した電話機を地上3階の窓際に置き、中継アンテナを地上1階の窓際に置いて通話した場合、1階の隅々まで電波が届くのを確認しました。
建物の間取りや構造より条件が異なるので一概に言えませんが、パナソニックの電話機を使用していて電波が弱いと感じたら、こちらの中継アンテナをご利用ください。
迷惑電話対策に強い電話機
パナソニックの製品は迷惑電話対策の機能が豊富で、呼び出し音の鳴る前の着信前に通話を録音するメッセージを自動で流したり、着信中の注意喚起や通話中の音声自動録音をすることができます。
他にも、電話に出る前にメッセージを流して相手の名前を確認したり、電話に出ない時にメッセージを流して電話を切る安心応答もあるので、単身で暮らすご年配の方におすすめです。
廉価版であるVE-GD24DL-Wは、本体に電話帳の機能がありませんので、パナソニックの定番なコードレス電話を買うなら、一通り機能を網羅したVE-GD55DLがおすすめです。
防犯対策に使える電話機
パナソニックのコードレス電話機には、ドアや窓の開閉時に電話機やスマートフォンに通知する機能や、ドアホンとして利用できる防犯に役立つ製品がいくつかあります。
就寝中や外出時にドアや窓を開けて誰かが部屋に入り込んだ場合、警告音を発して牽制したり、登録した機器へ通知するなど、危険を察知することのできる製品もあります。
ドアの開閉だけでWifi環境の構築なしに防犯機能を持たせるならECID20Aがおすすめで、Wifi環境が必要になりますが窓の開閉検知で使用するならKX-HJS100-Wがおすすめです。
ワンタッチだから高齢者におすすめ
こちらは実際に利用しているパイオニアのTF-SD15Sシリーズの電話機で、ワンタッチボタンを押すだけで登録した電話番号に楽々発信できるという便利な製品です。
仕組みは簡単で、短縮の1~3に登録した番号とワンタッチボタンが連動しているので、お年寄りのかけ間違い防止に使用したり、頻繁に連絡する番号を登録しておけば楽に電話をかけることができます。
この電話機には子機もついていますし、着信時自動録音通知などの防犯機能が利用できるので、高齢者の方だけでなく一人暮らしの女性にもおすすめしたい電話機のひとつです。
色はピュアホワイトの他にチェリーピンク、ダークブラウンがありますが、ワンタッチボタンがみやすいピュアホワイトか、チェリーピンクがおすすめです。
スマートフォンを子機に
パナソニックには、Wifi接続でスマートフォンを子機にしたり、固定電話の着信をスマートフォンに転送し、外出先でも電話にでることができる製品もあります。
ただし、スマートフォンを子機として使用する場合は、電波干渉を起こしやすい2.4GHz帯を使用するので、安定した通話を考えるとスマートフォンを子機として利用するのはあまりおすすめできません。
スマートフォンを子機として使用する使いどころとしては、、紙やインクを節約するためにファックスをスマートフォンで確認するなどの使い方がおすすめです。
スマートフォンを子機として使用できるおすすめのコードレスFAXは、パナソニックのKX-PD102DL-Rがおすすめですが、固定電話の利用頻度を考えてお選びください。
デザインで選ぶなら
パナソニックの電話機は高機能で人気がありますが、デザインで選ぶならパイオニアのコンパクトでスタイリッシュなFD31シリーズや、シャープのJD-XF1CL-Nが人気です。
パイオニアのFD31シリーズは、電話線を接続する本体の上にコードレス電話を置くタイプなので、親機のみ購入しても移動しながら通話できますが、本体の上に置いて充電する必要があります。
このコードレス電話は親機のコードレス電話以外にも、最大3台の子機が追加可能なので、寝室や子供部屋に子機を置いたり、子機が複数台必要な店舗などで利用すると便利です。
現在、FD31シリーズの販売はされていませんが、パイオニアから新しいデザインのTF-FD35シリーズが発売されましたので、ご興味のある方はこちらから詳細を確認してみてください。
親機不要のコードレス電話
先ほどのFD31シリーズとは違い本体には電話機能が一切なく、コードレス電話子機だけのシンプルな製品で良ければ、シャープのJD-XF1CL-Nがおすすめです。
JD-XF1CL-Nの電波は、パナソニックやパイオニアの製品と比べるとやや弱く感じますが、親機には受話器やダイヤルボタンは一切ついていないので、あるケースではとても役に立ちます。
例えば、昔の電話は廊下でかけるものでしたので、古い家の電話線引き込み先は廊下の場合が多く、エアコンのない寒い廊下に出て通話しなければなりませんでした。
廊下にも電源が必要という問題がありますが、誰もいない廊下に置いた親機の呼び出し音がなることもありませんので、古い作りの家屋にはJD-XF1CL-Nが大変おすすめです。
似たタイプにパナソニックのVE-GDS02DL がありますが、こちらは本体のスタンドで子機の充電を行うので、電話線の引き込み先に置かなければならないという違いがあります。
情報コンセントの整備された住宅ならパナソニックのVE-GDS02DLの方が、電源を1つしか使わないので便利ですが、レガシータイプの住まいには向いていません。
今はスマートフォンが普及しているので需要は少ないかもしれませんが、誰もいない場所にしか電話線を引き込みできない場合は、親機の電話機能不要で使えるJD-XF1CL-Nがとても便利です。