10GbE対応のNASにファイルサーバのデータをバックアップしてみた

30TBあるファイルサーバーのデータを一度にフルバックアップするのは無理がある話しで、共有フォルダ毎にバックアップ時間を計算しながらスケジュールを組んでみましたが、どうしても1Gbpsのネットワークでは処理しきれません。

予算が無限にあるのであれば、ファイバーチャネル接続できるストレージを購入したり、直接SAS接続したストレージにバックアップするのですが、ファイルサーバーに多くの予算をかける余裕はありません。

そこで今回は、少しでも予算を抑えながら30TBあるファイルサーバのデータをバックアップしようと、10Gbpsのネットワークに対応したSynologyのNAS DiskStation DS1817を購入してみました。

そもそも30TBものファイルサーバのデータをバックアップするという考えそのものがナンセンスな気もしますが、スナップショットやレプリケーションでは完全なバックアップにはならないので、従来のスタイルでバックアップを試みました。

因みに、今回使用したSynology DiskStation DS1817には、DS1817+というモデルがありますが、DS1817はCPUが32bitで拡張ボードスロットが搭載できないのに対し、DS1817+は高速な64bit CPUを搭載しM.2 SSDアダプターやSFP+のNICを搭載可能な拡張スロットがあります。

DS1817+が標準で10GbEに対応していないこともあり今回はDS1817を購入してしまいましたが、後から考えるとSFP+のネットワークカードに変えられる方が良いことに気が付き、今となっては後の祭り状態ですが全く使えない訳ではありません。

環境整備が重要

今回、10Gbpsの通信に標準で対応しているSynologyのNAS DiskStation DS1817をバックアップ用ストレージとして購入しましたが、NAS側だけが対応していても意味がありません。

今回はネットワークスイッチを使わずにSynologyのNASとDellのサーバをLANケーブルで直接しますが、当然サーバ側も10GbEのネットワークに対応していなければなりません。

また、NASとサーバが10GbEに対応していても、LANケーブルが10Gbpsに対応していないとパフォーマンスを発揮しないので、CAT6AとCAT7のケーブルを新たに用意しました。

試しにCAT5eのLANケーブルで通信速度の測定してみたところ、明らかにパフォーマンスが低下しましたので、LANケーブルの規格は重要です。

ノイズの影響を考えてSFP+のモジュールを用意するべきでしたが、サーバ側のポートが10GBASE-Tのポートでしたので、NAS側も10GBASE-Tの規格の物を選びました。

今回はサーバとNASを直接LANケーブルで接続したのでネットワークスイッチを用意していないのですが、ストレートケーブルで通信が可能なのでCAT6AやCAT7のクロスケーブルを探す必要はありません。

高速なディスクが必要

いくら通信速度が高速でもディスクの書き込み速度が遅いと、10GbEのネットワークを利用するメリットが薄れるので、NAS用のディスクは5,400rpmではなく7,200rpmの物にしました。

10,000回転の物を用意しても良かったのですが、ディスクの熱が高くなるのを予防するために、今回は7,200rpmのディスクにしました。

10Gbpsの通信が可能な状態で試しに5,400rpmのディスクと7,200rpmのディスクで1TBのデータをバックアップしてみましたが、検証時間を含めて大きな時間差がありました。

詳しいバックアップ速度は次回の更新で紹介しますが、バックアップ用のNASに搭載するディスクはより速度なものが好ましいです。

理想はNASのドライブ全てにSSDを搭載することですが、複数の世代管理をできるだけの容量を考えると現実的ではないので、書き込み可能なSSDキャッシュを有効にし、最低限のコストで高速化をしております。

書き込み可能なSSDキャッシュはそれなりに効果があり、バックアップ時間にも影響するのですが、バックアップ時の通信速度と搭載しているドライブの速度により効果の度合いが変化します。

システム構成

以上期の事を踏まえ、今回用意したシステムの構成は下記の通りとなります。

  • バックアップ元:PowerEdge R730xdサーバ(10GBASE-Tポート×2)
  • バックアップ先:Synology DiskStation DS1817 NAS(10GBASE-Tポート×2)
  • 接続ケーブル:CAT7 LANケーブル(1m)
  • NAS用ディスク:HGST Deskstar NAS 8TB(7,200rpm)×3本
  • NAS ディスク構成:RAID-5
  • 接続方式:iSCSI
  • NAS用SSDキャッシュ:intel ssdsc2ct120a3×2本

今回購入したSynology NAS DiskStation DS1817は、NVME M.2 SSDを搭載できる拡張ボードの追加ができないので、SATA SSDを2ドライブ分キャッシュとして使用しています。

読み込み専用キャッシュとしてSSDを使用するのであればディスク1本で済みますが、読み書き可能なキャッシュとして設定する場合は、SSDを最低でもRAID-1構成にする必要があります。

テストしてみた結果、SSDキャッシュの使用率はあまり高くないので40GB程度の容量があれば十分ですが、今回はテストのため余り物の128GB SSDを2本使用しております。

正直、HDDを搭載したNASにSSDキャッシュを搭載しても体感できる程の効果はないので、SSDその物をストレージとして使用した方が10Gbpsネットワークの性能を限界まで引き出せます。

実際に上記の構成でBackupExecを実行した時のスループットやベンチマークの結果は、こちらの関連記事にて紹介していますので興味のある方合わせてお読みください。

ファイルサーバのバックアップを10Gbps対応のNASにする意味

2017.09.03

10Gbpsの限界まで速度がだせる高速ネットワークを構築する方法

2018.08.15



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