ファイルサーバのバックアップを10Gbps対応のNASにする意味

今回は10GbEと1GbEそれぞれの環境で、サーバのデータをバックアップした時のスループットを計測し、10Gbpsに対応したNASをバックアップで使用する意味について考えてみたいと思います。

今回バックアップのスループット計測に使用したのは10GbEに対応したSynology製のNASと、同じく10GbEに対応したDell製のサーバです。

今回構築した環境について詳しく知りたい方は、こちらの関連記事をお読みください。

10GbE対応のNASにファイルサーバのデータをバックアップしてみた

2017.08.31

BackupExecのスループット

まずは、画像やテキストファイルなどランダムで含まれている1TBのデータを、バックアップソフトで有名なBackup Execを実行した時スループットを紹介します。

下の画像は、それぞれ環境を変えながらバックアップした時の経過時間とスループットです。

最短時間の06:07:53でバックアップが完了している上から5行目のジョブは、DellのサーバーとSynologyのNASを10GbpsでiSCSI接続し、更にNAS側を読み書き可能なSSDキャッシュを有効にした状態で実行したものです。

10Gbps+読み書き可能なSSDキャッシュを使用した時が06:07:53でジョブが完了したのに対し、1GbpsのiSCSI接続した上から3行目のジョブは09:01:10と、約3時間以上の差があります。

試しに10Gbps接続時に50GBの大きさのファイルをNASからサーバーへコピーすると、10Gbpsには程遠くとも3Gbps以上の速度は安定して出ていました。

ボリュームDというのはiSCSI接続したドライブのことで、Dドライブからサーバのデスクトップにコピーすると、350MB/S以上の速度がでていました。

10Gbpsは1.25GB/sバイトになるはずですが、ディスクの速度が影響すると、10Gbpsの半分以下の性能しか引き出せていないのがわかります。

次は、サーバからNASへ50GBのデータをコピーした時の通信速度ですが、900Mbpsを超えるのは稀で、600Mbps前後が平均的な速度という感じでした。

1ファイル50GBのデータをサーバからNASへコピーすると、NAS側のSSDキャッシュの影響なのかスタート時は物凄く高速にファイルのコピーが進みますが、急激に速度が落ちて速い時でも90MB/sが限界のようです。

10Gbpsのネットワーク環境でファイルのコピーを実行しても1Gbpsを超えることがないのに、10Gbpsネットワークと1Gbpsのネットワークのバックアップ時間を比較すると、最大3時間の差が生じるのには理由があります。

環境の違いでバックアップ時間に差がでる理由

タスクマネージャーのパフォーマンスをみる限りでは、ディスク3本構成のRAID5+10Gbpsのネットワーク環境の時は、サーバからNASへ大きな単一ファイルのデータをコピーした時に一度も1Gbpsを超えていません。

10Gbpsのネットワークを全くいかせていないにもかかわらず、1Gbpsの通信環境ではバックアップ時間が10Gbps時よりも3時間長くかかるのは、データのバックアップ後に検証作業が入るからです。

こちらは、ディスク3本構成のRAID5+10Gbpsのネットワーク環境でBackupExecを実行した時のログですが、バックアップだけの時間は3時間37分7秒となります。

10Gbpsのネットワーク環境でBackupExecを実行した時が3時間37分7秒に対し、1Gbpsのネットワーク環境では3時間1分34秒と約30分程度の違いしかありません。

そしてこちらは、ディスク3本構成のRAID5+10Gbpsネットワーク環境時で実行したバックアップのデータ検証時間ですが、所要時間が3時間8分42秒です。

10Gbpsネットワーク環境時の検証時間が3時間8分42秒に対し、1Gbpsネットワーク環境では5時間22分14秒と2時間以上の差がでています。

ディスク3本構成のRAID5では、サーバのバックアップデータをNASに書き込む時は10Gbpsと1Gbpsのネットワークでは差がでないものの、データの検証でNASからデータを読み込む時に大きく差がでます。

この結果から考えると、ディスクの本数が少ないRAID5環境にバックアップしたデータを検証をするなら10Gbps対応のNASを購入するメリットはありますが、データ検証をしないのであれば高速な通信環境は不要となります。

ベンチマークでは8Gbpsまで到達

実践的なデータではありませんが、DS1817とサーバをCAT7ケーブルでiSCSI接続した構成でベンチマークを実行したところ、瞬間的に8Gbpsの通信速度を計測することができました。

ディスクのベンチマークを実行したところ、Seq Q32T1が941.1MB/s(7.5Gbps)の数値をマークしているので、10Gbpsの限界近くまでの速度が出ていることになります。

ただ、HDDの性質上ランダムアクセスのスコアはかなり低いので、10Gbpsのネットワークの恩恵を最大限に受けるにはランダムアクセスに強い、SSDをストレージにしなければなりません。

RAIDのディスクの本数が多いと書き込みが高速になる

RAID5はディスクの本数が多いと書き込みが高速になり読み取りが遅くなるようで、ディスク3本から6本に増やしただけで、かなりNASへの書き込みが高速になりました。

BackupExecのスループットも14,592.00Mとディスク3本構成の時よりも3倍近く出ており、ジョブが終了する時間も6時間から4時間と2時間も短縮されています。

NASのRAID構成によりバックアップ時間が大幅に変わるので、10Gbpsネットワークに対応したNASを購入するのであれば、ディスクの本数を多く搭載できる製品がおすすめです。

ただ、標準で10GBase-Tに対応しファイルサーバなどの大容量なデータのバックアップに使える対応のDS1817ですが、拡張スロットで10GBASET-TやSFP+を搭載できるDS1817+の方が汎用性が高く便利です。

10Gbpsの限界まで速度がだせる高速ネットワークを構築する方法

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