Google G SuiteのGmail利用で悩まされた逆引きできないDNSの問題

個人で利用するメールなら一部のメールが送受信できなくても大きな問題とは思いませんが、企業で使うメールメッセージの送受信ができないと大変なことになります。

システムを導入する立場でかなり気を使うのがメールサービスの移行で、新規にサービスを利用するのと、既存のサービスを移行するとでは難易度が大きく変わります。

新規にメールサービスを契約する場合、十分に時間をかけて動作の確認を行い、問題がなければサービスの利用を社内で宣言すればいいのですが、既存のメールサービスを移行する場合、ある程度期限を決めないと二重で課金を続けることになります。

その為にお試し利用できる期間などもありますが、実際にMXレコードを書き換えて本番稼働させなければ判明しないトラブルもあります。

今回メールサービスをG SuiteのGmailに切り替える時に悩まされたのが、逆引きできないDNSの利用で一部のメールメッセージが届かない、もしくは受信できない可能性についてです。

外部用のDNSはホスティングサービスを利用するという企業も多いのではないかと思うのですが、その殆どが逆引きの登録ができないDNSなのです。

そこで今回は、逆引きできないDNSのホスティングサービスを利用して、企業のメールをGmailに移行することができるか、実践を通して判明した内容について紹介します。

机上の空論は役に立たない

逆引きできないDNSのホスティングを利用する時の最大の問題が、Gmailを運用する企業とDNSのホスティングサービス会社が別企業という点にあります。

当然、仲介業者のサポートやサービスを運営する企業に問い合わせても、お互い他企業のシステムを把握している訳ではないので、お答えできませんの一点張りです。

どこに問い合わせても逆引きできないDNSはG Suiteで利用できない可能性がありますしか言わないので、攻め方を変えてG Suiteの初期設定画面に表示されるGmailに対応したDNSサービスは逆引きできないが、それでもGmailでは使用できないのかどうなのか聞いてみました。

また、現在使用しているDNSを使用したGmailのMXレコードの設定例がG Suiteのヘルプに載っていたので、追い打ちをかけるように仲介業者やG Suiteのサポートへ質問してみました。

何度も諦めずに質問していると、IPv6を使用している場合に逆引き登録ができないと、メールが届かない可能性があるという少し発展した答えをもらうことができました。

自社がIPv6を使用しているという記憶はないので、これは他社が利用しているメールサーバーがIPv6を使用した場合なのかどうなのかなど気になる点は沢山あります。

サポートに問い合わせる前にGoogle検索で調べてみると、さくらインターネットなど一部IPv6に対応したメールサーバから送信されたメールメッセージがGmailに届かないという記事をみつけました。

実際にサーバを運営している人のブログは実践的な内容ばかりで、とても役に立つ情報ばかりなのですが、サポートや掲示板の情報は実践的な内容の物が少ないので、今回ばかりは参考になりませんでした。

世の中的に逆引きに対応していないDNSのホスティングサービスを利用している企業は5万とあるはずなのに、どのサービスなら実績があるだとか運用的な側面から答えられないのは問題です。

今回は逆引きに対応していないIIJ DNSアウトソースサービスを利用してのGmail利用ですが、Gmailの設定マニュアルに情報が掲載されているので、恐らく問題ないのではないでしょうかくらい答えてもいいのではないかと思います。

当然、サポートする人のランクや得意分野などが違うので、常に完璧な答えを求めるのは筋違いだと思いますが、サービス移行に関わる重要な部分は、一担当者だけの判断で答えられると困ると思いました。

答えはG Suiteのヘルプにある

G Suite移行で一番問題になるのがメールサービスの切り替えですが、サポートに問い合わせる前にGmailのヘルプ検索をしてみるのが最も重要だと思いました。

サポートフォーラムなどもありますが、一個人の意見やサポート担当者の回答だけで結論を出すのではなく、まずはGmailのヘルプに自社の環境と同じ状況での設定方法が紹介されているか探してみましょう。

お名前.comやIIJ DNSアウトソースサービスなど、逆引きできないDNSのホスティングサービスを利用した設定方法がヘルプには掲載されているので、その事実を伝えながら質問した方が近道になります。

コストやセキュリティ、スケジュールとメールの連動など、何かとメリットの多いG Suiteの移行はメールをクリアできれば、後はそんなに心配することはありません。

今回の内容は以上となりますが、メールサービスのG Suite移行で問題になりそうな点がいくつかありましたので、機会をみて紹介するようにします。