Buffalo企業向けNAS TeraStationにSSDを搭載する方法と注意点

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NAS NASにSSDを搭載してパフォーマンスアップ

バッファローのNASは純正品以外のディスクは認識しないと言われていますが、本当に認識しないのかTS-X4.0TL/R5というテラステーションのHDDを交換して検証したことがあります。

ディスク交換の検証ついでにHDDではなくIntelのSSDを搭載し、BuffaloのNASが認識するのか検証したところ、特に問題もなく使用できるようになりましたが、いくつか注意点があることに気が付きました。

今回は、TS-X4.0TL/R5という古い機種ではありますが、BuffaloのNASに搭載されているディスクをSSDに交換した時のポイントや、アクセス速度なのど検証結果をまとめました。

3.5インチ変換マウンタ選びが重要

今回の検証に使用したバッファローのNASは、2.5インチのディスクを搭載可能な設計ではないため、SSDを3.5インチに変換するマウンタを購入したのですが、この変換機の選択が一番失敗しやすいポイントです。

2.5インチのSSDを購入すると3.5インチに変換するマウンタが付属している場合がありますが、特殊な形状でなければドライブベイのスロットに固定できないので、製品選びはとても重要です。

SSDをセンターに固定するタイプはNASのコネクタと位置が合わないので、3.5インチディスクと同じ位置に固定する物でなければなりませんが、底面にビス穴がある製品でなければなりませんでした。

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ビス穴は同じバッファローのNASでも機種により位置が違う可能性もあるので、変換マウンタを購入する前にNASのドライブベイスロットの仕様を必ず確認してください。

EMモードになる場合

交換前のHDDより交換後のSSDの方が大容量であれば、NASに保存したデータを残したままディスクを交換することもできますが、全てのディスクをリビルドするとなるとかなりの時間がかります。

また、リビルド中のシステム停止でデータが破損するリスクを考えると、既存のディスクを物理的に取り外しNASを初期化したくなりますが、テラステーションがEMモードで起動し管理画面へアクセスできなくなります。

テラステーションEMモード

EMモードで起動した状態ではディスクの交換ができないので、一旦起動可能なディスクに戻して管理画面へログインし、ディスクの取り出しを実行してSSDに交換する必要があります。

因みに、今回の検証で使用したテラステーションには、本体前面に初期化ボタンがあますが、これはIPアドレスやホスト名などを初期状態にするだけで、全ディスクを交換するシーンには使えません。

もし、正常に起動していたHDDを全て取り外し初期化をした場合は、修理センターに復旧依頼をかけなければ使えなくなる可能性が高いので、SSDへ移行するまでは大切に保管してください。

ディスク交換前にバックアップ

今回の検証ではディスクのリビルドを避けるためにRAIDアレイを削除しましたが、RAIDアレイを削除するとデータが完全に消えてしまうので、作業前は必ず外付けストレージへバックアップしてください。

高機能で人気のQNAPやSynologyのNASは、全ディスクを交換するとシステムが初期化されセットアップウィザードが表示されるので、旧ディスクをバックアップとして使えますがテラステーションは簡単ではありません。

データを外付けHDDにバックアップし、SSDで再構築したNASに戻す方法と全ディスクをリビルドして交換する時間、データ消失リスクの高さなどを比較した上で作業をしますが、どちらの方法もバックアップは必要です。

バックアップも万全ではないことを考えると、バックアップだけでなくRAIDをリビルドしながら移行した方がリスクを抑えられますが、可能なら移行前のディスクを全て複製した方が安心です。

個人で使うホームサーバではればディスクの複製までしませんが、企業向けの製品であるテラステーションならディスクの複製をした方が何かと安心して作業することができます。

ディスクエラーはフォーマットで解決

今回の検証で使用したテラステーションはデータを残す必要がないので、正常に動作するディスクをスロット1に挿入し、スロット2に新しいSSDを搭載しシステムを起動させました。

システムが起動するとスロット2に搭載したSSDが異常ステータスとなるので、管理画面でディスクの再認識を実行しフォーマットを行うことで、正常なディスクとして使用することができます。

スロット2のディスクを正常と認識した後は、スロット1のディスクの取り外しを実行し、新しいSSDに交換後ディスクの再認識とフォーマットをすることで状態が通常となります。

テラステーションSSD検証

今回検証に使用したテラステーションは、ディスク4本まで搭載可能なモデルなので、同じ要領で3と4のドライブをWestern Digitalのブルーとブラックに交換してみました。

因みに、3TBのWestern Digital NAS専用HDDを4本搭載しRAID-5のストレージを構成してみましたが、特に問題なく使えているのでサーバのバックアップデータ保存用に使用しています。

TeraStationにNAS専用HDD搭載

TS-X4.0TL/R5は、企業向けの製品でありながら、RAID設定可能なレベルが1, 5, 10のみでRAID-6には対応していないので、あまり信頼性が高い製品とは言えません。

ディスク3本でRAID-5を構築し残り1本をホットスペアにするよりも、RAID-10構成のストレージにした方が良いのですが、データ保護を最優先と考えるならRAID-6の方が安全です。

バックアップデータの保存目的で使用するなら問題ありませんが、企業内でファイル共有するNASとして使用するなら、RAID-6に対応したNASに乗り換えた方が安心です。

SSD交換後の速度比較

今回の内容は、TS-X4.0TL/R5という古い機種のNASがSSDを認識するのはもちろん、HDDよりも高速にデータアクセスが可能か検証するためのものでしたが、この機種は恐らくSSD Trimに対応していません。

QNAPやSynologyでもSSDに対応しない機種が一部ありますが、スペックが高い製品なら古い機種でもアップデートでSSD Trimに対応することもありますが、Buffaloのファームウェアは不具合修正が基本です。

そんな訳で、HDDからSSDに交換した後のベンチマークを計測する意味はないのですが、今後の参考のためにNASにHDDとSSDを搭載した時のパフォーマンスの違いについて紹介します。

画像左はHDDで右がSSDを搭載してベンチマークを実行した結果ですが、基本スペックが原因なのか不明ですが予想していたよりもスコア結果が悪く、ディスクをSSDに交換するメリットを感じませんでした。

Buffalo NAS HDD SDDベンチ比較

因みに、バッファローのNASは純正品のハードディスクを使用するのはサポートの対象外になる可能性があり、システムが起動しなくなる可能性もあるので、SSDの交換は自己責任でお願いします。

NASにSSDを搭載するなら

最新のテラステーションには、10Gbpsネットワークポートやインテルの高速なCPUが搭載された製品もありますが、SSDに対応した機種がとても少ないので、今後のことを考えるならQNAPやSynologyの製品がおすすめです。

企業内で使用することを考えると、10Gbpsネットワークに標準で対応しているのは嬉しいことですが、ネットワークスイッチや接続するクライアントが対応していなければ意味がありません。

また、双方向のストレージにSSDを搭載していなければ、10Gbpsネットワークのパフォーマンスは発揮されませんので、見た目上のスペックなどに惑わされてはいけません。

今後NASを購入するなら、高性能なのはもちろんスマートフォンとの連携や、ストレージのスナップショットなどの機能を搭載したり、データを保護する仕組みが充実した製品がおすすめです。

2019年からNASにSSDの搭載を検討しているユーザや企業が増えているので、SSDに基本対応していてストレージ管理やデータ保護に強いQNAPやSynologyの製品をおすすめします。

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