NVMe SSDクローンに使える!?失敗しないUSB変換ケースの選び方

NASのデータアクセスを高速化させるためにM.2 NVMe SSDをキャッシュ設定したものの、思うようなパフォーマンス向上が見込めないので、USBメモリの代わりとして使うことにしました。

NVMe SSDはUSB Type-AよりもType-Cで接続した方が高速なデータ転送が可能ですが、スピードが速くなるにつれて温度が上昇するので、排熱処理を考えた金属製の変換ケースを購入することにしました。

最近は、1TBのUSBメモリも低価格化が進んでいるので、M.2 NVMe SSDを変換するケースを購入する必要はないのかもしれませんが、パソコンのストレージとして使うことができるので便利です。

過度な期待は禁物

M.2 NVMe SSD本来のパフォーマンスを限界まで引き出すには、PCI Expressスロットに搭載可能なボードを利用するべきですが、今回は余り物の有効利用が目的なので、データアクセス速度のことはあまり気にしていません。

ただ、NASやパソコンのデータを移行したりディスクの復元に使う時は高速な方が良いので、これからNVMe SSDのUSB変換ケースをお求めになるなら、USB 3.1 Gen1よりも論理値2倍のデータ転送を誇るGen2対応がおすすめです。

搭載するM.2 NVMe SSDの性能次第では、USB 3.1 Gen2対応のType-Cケーブルで接続してもType-Aと変わらないスピードになることもありますが、両方の規格が使えた方が何かと便利です。

今回購入したM.2 NVMe SSDをUSB変換するケースには、Type-AとType-Cのポートに接続可能なケーブルが同梱されているので、それぞれの規格でベンチマークを実行した結果がこちらです。

M.2 NVMe SSD変換ケースのベンチマーク結果

CrystalDiskMarkで測定した左側の数値がUSB Type-Cで右側がType-Aなのですが、この結果だけをみると10Mbpsに対応した規格している方が2倍の性能があるように見えますが、実際にファイルコピーしてみると驚く程の差は感じません。

こちらは、Intel SSD7とSilicon PowerのM.2 NVMe SSDを論理値5GbpsのType-Aと10GbpsのType-Cで接続し、同じファイルを複数コピーした時の速度を比較した内容となります。

M.2 NVMe SSD USB規格の速度違い

比較しやすくするために同じ4GBのファイルを大量にコピーしてみると、Silicon PowerはType-AとType-Cは速度の差がありましたが、Intel SSD7のスピードは誤差でしかありませんでした。

超高速なNVMe SSDをUSB接続している時点で、パフォーマンスを気にするのはナンセンスな気もしますが、あまり速度がでないと感じるなら発熱を少しでも抑えるために、Type-Aケーブルで接続することをおすすめします。

金属製ケースがおすすめ

M.2 NVMe SSDは高温になりやすいことから、USB変換ケースはアルミなどの金属を採用している製品が主流ですが、テーブルやPCケースなどの金属面触れていないと排熱処理の効果が半減してしまいます。

床に設置するタイプのデスクトップPCは、ケーブルが短いとUSB変換ケースを本体の上に置くことができないので、ぶら下げた状態で使用することになりますが、搭載するSSD次第ではかなり高温になります。

頻繁にデータアクセスが発生すると肉が焼けるくらい高熱になるので、冷えた指先を温める時には有難いのですが、小さな子供やペットが家にいる方は十分に気を付ける必要があります。

今回購入したM.2 NVMe SSDをUSB変換するMackertopのケースには、Type-AとType-Cのケーブルが同梱されていますし、組み立てに必要なドライバーと小さなネジの予備まで含まれているという親切設計です。

NVMe SSDをUSBに変換するおすすめケース

Mackertopの変換ケースは留め金の位置をかえることで、2230、2242、2260、2280のサイズを取り付けることが可能なのですが、今回は一番大きい物を使用した検証となります。

Mackertop NVMe USB変換装置の組み立て方

今回紹介しているMackertopの変換ケースは、留め金が合わなくて装着しにくいという内容が通販サイトのレビューにありましたが、IntelとSilicon Powerの2280 NVMe SSDでは何も問題なく組み立てることができました。

次は、M.2 NVMe SSDを固定した後はグリスシートを乗せてヒートシンクカバーを取り付けるのですが、粘着力は強い方ではないので何度でも剥がして中身を交換することができます。

NVMe SSD変換ケースに冷却効果はあるのか

基盤を入れてLEDライトと穴の位置を合わせてフタを閉じれば完成で、付属のケーブルをカチッと音がするまで差し込むだけで使うことができるのですが、ケースとケーブルとの間に隙間ができるのに違和感を感じる方がいるかもしれません。

10Gbpsにも対応するM.2 NVMe SSD変換ケース

ただ、これはType-Cが使える一般的な外付けHDDケースなら割と普通のことなので、データアクセス中に外れないように力を入れれば簡単には外れないので、気にする必要は全くありません。

因みに、今回紹介したMackertopのNVMe SSDをUSBに変換するケースは、7台のWindowsと5台のMac OSで動作確認をしましたが、挙動がおかしなパソコンが一台ありました。

この手の機器は相性でデバイスが正しく動作しない場合があるのですが、もし挙動がおかしい時は接続後1分程度アクセスせずに放置するか、USB接続SCSI(UAS)マスストレージデバイスのドライバを再インストールすることで解決する場合があります。

NVMe SSDのクローンに

数年前からM.2 NVMe SSDを搭載したノートパソコンが発売されるようになりましたが、当時の価格では128GB以上の容量を搭載するのが予算的に困難で、我慢して使い続けている方も多いのではないかと思います。

この変換ケースを使えば、数年前に購入したノートパソコンを大容量のM.2 NVMe SSDにマイグレーションして復活させることができるので、クローンソフト付きのストレージを購入してマイグレーションしてみては如何でしょうか。

USB変換ケースはデータ転送規格の仕様上、NVMe SSD本来の性能をフルに発揮することはきませんが、一般的なUSBメモリと比べると断然高速なデータアクセスが可能ですし、システムの移行にも使えるので手元にあると何かと便利です。

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