IHクッキングヒーターの使い方で注意したいこと

ビルトインIHクッキングヒーターは掃除が簡単、エネルギーロスが少ない、火力が強いのでお湯が早く沸く、キッチンが暑くならない、ガス漏れの心配がないなど、ガスコンロの欠点を補うことができる優れた調理設備です。

そんなビルトインIHクッキングヒーターのメリットが口コミで徐々に広がり、新築物件だけでなく高齢者が生活する住いに導入されるご家庭が増えていますが、当然ながら絶対に安全という訳ではありません。

電子レンジで金属製品や生卵を過熱してはいけないのと同じで、ビルトインIHクッキングヒーターにも使用上の注意点がありますが、今回は特に気を付けたい点をまとめて紹介します。

保温機能付容器の加熱

冷めたコーヒーをステンレスやホーロー製の鍋に入れて温めるのは問題ありませんが、保温機能があるステンレス容器をIHで加熱すると破損するので絶対にしないでください。

空気の層で保温する容器を加熱すると内部の空気が熱で膨張するのですが、逃げ場がない状態が続くと強度が弱い部分から破損し、時には破損した容器で怪我をしたり火傷したりする可能性があります。

IHで保温機能容器の加熱は危険

空気の層がある保温容器を加熱してはいけないのは、ガスコンロや電子レンジでも同じ事ですが、IHクッキングヒーターは安全というイメージが強いので、自然と温めてしまう人がいます。

大人なら保温性能がある容器を加熱してはいけないことを理解していますが、人生経験が浅い子供が金属製の水筒などを加熱しないように、テプラや油性マジックで注意書きをしてください。

中火以下で使う

IHクッキングヒーターで使える調理器具と言えば、鉄の他にステンレスやホーローなどがありますが、空焚きや強火で使うと変形したり破損する場合があるので注意してください。

特に気を付けなければならないのがホーローで、急激な加熱が可能なビルトインIHクッキングヒーターの強火で加熱を続けると、稀にガラスが破損する恐れがあります。

ホーロー製品で強火を使用してはいけないのはガスコンロも同じですが、熱効率が良いビルトインIHクッキングヒーターでは、極力中火以下で使用してください。

強火でお湯を沸かしたからと直ちにホーローのガラスが割れる訳ではありませんが、繰り返し負荷をかけるとそれだけ破損する可能性があるので注意してください。

使える調理器具の種類

空焚きや調理器具がない状態の運転を防止したり、揚げ物料理中の油温度を検知するなど、日々進化しているIHクッキングヒーターは、ガスコンロよりも安全機能が充実しています。

その一方で、オールメタル対応でなければアルミや銅などの調理鍋を使うことができませんし、揚げ物をする時に油の温度を検知できる専用鍋を使う必要があるなど制限もあります。

調理器具の多くはIHで使えるステンレス、ホーロー、鋳物なので、オールメタルに拘る必要はありませんが、土鍋だけは使えないので美味しいご飯を炊けないのが残念です。

土鍋の内部に金属プレートを埋め込んだ製品もありますが、IHクッキングヒーターが検知できずに加熱できない物や、不自然に発煙したりする場合もあります。

意外な盲点になりがちなのがフライパンや鍋の底径サイズで、12cm未満の物はIHクッキングヒーターが検知できない可能性が高いので、必ず仕様を確認してからお求めください。

他にも、IHクッキングヒーターはガラストップと金属が接触しないと加熱されないので、熱で変形したり鍋底に足がある調理器具ではなく、フラットな物を選んで購入してください。

重い調理鍋は要注意

料理が美味しく出来上がるバーミキュラのオーブンポットラウンドや、ストウブのココットなどの重量がある鍋が人気ですが、ビルトインIHクッキングヒーターで使う時は特に注意してください。

美しくてお手入れが簡単なビルトインIHクッキングヒーターですが、とても重量がある調理器具を乗せた時に衝撃を与えると、ガラストップが割れてしまうことがあります。

我が家で使用している重量感あるWMFやガストロのフライパンなら問題なく使えますが、更なる重さがある鋳物などの土鍋風鍋などは慎重に扱わなければなりません。

ビルトインIHクッキングヒーターのガラストップは交換可能ですが、修理依頼すると5万円以上の費用を請求される場合があるので、とても重量がある調理鍋を使う時は勇気が必要になります。

どうしてもバーミキュラのオーブンポットラウンドやストウブのココットを使いたいのなら、ご自宅のビルトインIHクッキングヒーターが対応している調理鍋の種類をご確認ください。

その上で、調理鍋をガラストップ上に丁寧に置くのはもちろん、中火以下の火力で調理するなど必要以上にフライパンや鍋を加熱して負荷をかけないようにしてください。

IHの掃除方法に注意

IHクッキングヒーターのガラストップに付着した油が、加熱された鍋やフライパンと接触して焦げとなり頑固な汚れとなるので、我が家では専用のマットを利用していました。

IH専用マットをガラストップ上に敷くことで、頑固な油汚れから守ることができますが、劣化が早くセンサー部分の切り抜きが面倒なので、新しいビルトインIHクッキングヒーターにしてからはあまり使用していません。

IHクッキングヒーターの頑固な油汚れを落とす方法として、ガラストップ上に重曹を撒いて丸めたラップで擦り落とす方法が紹介されていますが、かなりの重労働で嫌になります。

そこで我が家では、料理をした後は必ず油に強いアルカリ電解水をガラストップ上に吹きかけて、布巾やキッチンペーパーで拭き取る方法に切り替えることにしました。

ビルトインIHクッキングヒーターを使用した後に、ひと手間かけアルカリ電解水のスプレーを吹きかけるだけで、頑固な焦げ付きの汚れから守ることができます。

一応、アルカリ電解水を使用した掃除の方法についてメーカーに質問したところ、滑り止めが剥げ落ちる可能性があるので推奨していないが、少し吹きかけた程度でガラストップが割れることはないとのことです。

アルカリ電解水のpH値は意外と高いので、長時間キッチンペーパーに含ませて被せたりラップするのはおすすめしませんが、頑固な油汚れに吹きかけて拭き取る程度なら影響ないと思います。

ただし、メーカーが推奨するお手入れの方法は、中性洗剤やクリームクレンザーを使用した方法なので、ガラストップの割れが心配な方はアルカリ電解水を使用しないでください。

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ガスコンロよりも優れたパナソニックビルトインIHクッキングヒーター

電気使えない災害に備える

ガスや水道と比べると復旧が断然早い電気ですが、最大クラスの台風で電柱が大量に倒れてしまうと停電から回復するまで時間がかかる場合があるので、電気を使わずに加熱して調理できる手段があると安心です。

災害時に使う加熱調理器具の定番と言えば交換式ボンベのガスコンロですが、何年も長期保管した物を使うと大きな火柱が上がり火傷することもあるので、備蓄品にするのはおすすめしません。

今のマンションはガスレンジが使える物件ですが、ビルトインIHクッキングヒーターに交換したので、大型台風や地震に備えてDual Heatという固形燃料を10個程購入して保管しています。

災害に備えて固形燃料を備蓄

固形燃料はガスコンロと比べると火力は強くありませんが、1個あれば約2時間燃焼しますし旅館の食事に使う物よりも大きいので、お湯を沸かしたり加熱調理したい時に重宝します。

ビルトインIHクッキングヒーターの火力と比べてしまうと、固形燃料の火力が力不足なのは間違いありませんが、化学反応で加熱する使い切りタイプと違い燃料が切れるまで何度でも使うことができて便利です。

Dual Heatは固形燃料単体でも購入できますが、加熱する時に調理鍋などを乗せるのに使う専用五徳や消火フタがあると便利なので、これらがセットの物を購入し段ボールのまま備蓄するのがおすすめです。

Dual Heatの固形燃料はコンパクトで持ち運びが楽なので、屋外で宿泊するキャンプや冷え込みが厳しい季節の釣りの時にあると便利なので、興味がある方はお求めください。

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