現象には必ず理由がある!夏と冬に発生する結露の違いと対策方法

冬の冷たい外気と部屋の暖かい空気の気温差で窓ガラスに水滴が付着する結露ですが、実はエアコンの使い方を間違えると梅雨や真夏でも結露で窓ガラスを曇らせてしまいます。

夏の結露で注意しなければならないのが、布団や壁紙にカビを繁殖させる結露で、窓ガラスやアルミサッシが濡れるだけの冬の結露と違い、対策をしなければ家の資産価値が損なわれたり、家族やペットの健康を害する恐れがあります。

過去に夏の結露が原因で、常時クーラーを稼働させているサーバールームの床を水浸しにした経験があるのですが、気を付けないとこれと同じ現象が気密性の高いマンションや戸建ての部屋で起きるのです。

結露の原理

真夏の暖かい空気はとても多くの水を含むことができるのに対し、冬の冷たい空気は少しの量しか水分を含むことができないという性質を理解した上で、冬や夏に発生する結露の対策をしなければなりません。

冷たい飲み物を入れたコップに水滴が付着するのは、グラス周辺にある暖かい空気が冷たい飲み物に冷やされることで起きる現象で、真冬に部屋の窓やサッシが結露して曇るのと同じ原理です。

特に対策が重要なのが夏の結露で、アルミサッシのパッキンにカビを発生させる冬の結露と違い、クローゼット、壁紙、ベッドなど、部屋のなかにある物全てをカビを発生させる可能性があります。

気温と湿度は常に変化する

気温と湿度は、暖かい季節と寒い季節、昼と夜、雨の日と晴れの日など、気象条件や時間帯だけでなく、人的要因や建物の立地でも大きく影響を受けるので、日頃から計測することが大切です。

例えば、エアコンを使用するかガスストーブを使用するか、扉を開けたままにするか閉めたままにするか、マンションの角部屋か中部屋の違いで、部屋のなかの気温や湿度は大きく変化します。

部屋の気温と湿度は様々な条件で大きく変化するので、結露による様々な被害を根本的に解決するなら気温と湿度を常に計測し、原因を追究するための材料を整えなければなりません。

記録可能な温湿度計

空気中の湿度は人が活動する時間帯だけ調べても意味がないので、計測した記録を年単位で残して分できできる、ネットワーク接続が可能なサーモレコーダーがおすすめです。

おんどとりTR-72NW

この製品の名はおんどとりで、気温と湿度を計測したデータを無料のクラウドサービスへネットワーク経由で送信し、スマホのアプリなどでいつでも簡単に計測結果をみることができます。

今回購入したTR-72nwという製品は、電池交換なしで長期間の記録ができるようにPoEに対応しているので便利ですが、一般的な家庭にあるHUBからは給電できないので電池が必要になります。

画像の左側はエアコンを24時間365日エアコンを20℃に設定して1週間計測したサーバールームの気温と湿度を計測したグラフですが、気温が安定しているのに対し湿度は大きく変化しているのがわかります。

湿度温度クラウド管理

画像の右は1日計測した結果のグラフで、部屋の気温は常に20℃をキープしていますが、太陽の日差しがある日中よりも日没から日の出までの時間に、湿度が大きく上昇しているのがわかります。

企業のサーバールームで使う気温と湿度系が必要なら今回紹介した長期間ログが残せるサーモスタットがおすすめですが、予算を抑えたい方は24時間以内の湿度と温度の最高・最低値がわかる製品をお試しください。

冬の結露対策

風邪やインフルエンザの感染を予防するには、部屋の空気が乾燥しないように加湿するのが一番ですが、水分を含んだ空気が冬の冷たい窓ガラスやサッシに冷やされて結露になります。

部屋の気温が23℃前後で湿度が50%~60%程度の環境が人が生活する上で快適と言えますが、窓ガラスの表面温度は10℃にも満たないので気が付いた時には結露の水が流れ落ちています。

冬の感染症予防を考えると、乾燥した空気を加湿しない訳にはいかないので、サーキュレーターや扇風機で空気の流れを作るか、窓際に除湿器を置くことである程度改善することもできます。

ただ、加湿をしながら一方で除湿したり、常時サーキュレーターや扇風機を稼働させるのは電気代がかかるので、少し寒くても結露する窓を少し開けて冷たい外気を取り入れるのが効果的です。

バルミューダRAINとCIRQ

隙間風が吹く古い家屋が結露になりにくいのと対照的に、気密性が高いマンションや現代の戸建ては、24時間換気をしていても空気が停滞して結露しやすいので、少し窓を開けると軽減できます。

他にも結露対策としてに使える水とりテープがありますが、水が流れ落ちるのを許容量の範囲内で防いでくれるものの、根本的な問題の解決にはなりませので、サッシ枠のない二重ガラスにするのがおすすめです。

二重サッシにするのが難しい場合や真冬に窓を開けて換気するのが嫌な人は、省エネのDCモーターを搭載したサーキュレーターや扇風機を使うのがおすすめです。

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夏の結露対策

夏の結露は窓ガラスを曇らせるだけの結露と違い、カーペットや壁紙など部屋全体を湿らカビを繁殖させるので、寒い季節の結露の予防よりも大切ですが、ある物を使えば簡単に対策することができます。

気温と湿度が高くなる日本の梅雨と夏の空気をエアコンで急激に冷やすと、逃げ場のない空気中の水分が部屋のなかを湿らせるので、ベッドが濡れたり壁紙に水滴が付着してカビを発生させます。

窓を開けて結露対策できる冬と違い、湿度が高い夏は換気しながらエアコンで空気を冷やすのは逆効果で、衣類除湿乾燥機で部屋のなかの空気を乾燥させてからエアコンを使うのがおすすめです。

過去に24時間365日冷房を使うサーバールームの床が水浸しになる現象に遭遇したことがあるのですが、それは換気扇で吸い込んだ暖かく湿度の高い空気をクーラーで冷やしたことが原因でした。

エアコンには除湿しながら空気を冷やすことができる製品もありますが、電気代がかかる上に空気が冷たすぎて夏掛け布団で寒くて眠れなくなるので、衣類除湿乾燥機を使用してください。

衣類除湿乾燥機を使うと熱風で部屋の空気が更に暑くなりますが、敷いたままの布団がサラサラになるので、寝室の扉を閉めた状態で朝と寝る前に除湿するのを日課にしています。

衣類乾燥除湿機は必須

寝室や子供部屋など、8畳未満の部屋にエアコンを取り付ける場合、除湿せずに空気を冷やすと湿気が結露となり、布団や壁紙にカビを発生させるので、就寝前や起床後に衣類乾燥除湿機で部屋の除湿をしてください。

リビングはもちろん、和室に置いても違和感がないデザインということで選んだ我が家の衣類乾燥除湿機はシャープ製で、洗濯物を乾かす時に使用したり衣類の消臭にも使えるので重宝しています。

布団乾燥機や加湿器などの季節家電は、シーズンが終われば箱に収納して保管しなければなりませんが、衣類乾燥除湿機は1年間通して使えるので、コストパフォーマンスに優れた製品と言えます。

就寝前と就寝後にタイマーを2時間セットして除湿運転をしていますが、15分もあれば部屋の湿度を下げることができるので、出かける前に手動で電源をオフにしています。

除湿で健康と住いを守る

コンプレッサー式の衣類乾燥除湿機は運転音が大きく部屋のなかが暑くなりますが、空気中の湿度を取り除けば布団がサラサラになり、壁紙の裏に発生するカビの予防にも使えます。

新築で購入したばかりのマンションや戸建ての壁紙は、湿度が高いと剥がれてしまうこともあるので、住いの資産価値を維持するためにも衣類乾燥除湿機は役に立ちます。

気温が低くても湿度が高いと熱中症になる可能性も高くなるので、小さな子供や年配の方がいるご家庭なら、エアコンよりも省エネで冷たくなりすぎない衣類乾燥機除湿器を是非お求めください。

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