NAS初心者におすすめな家庭用ホームサーバの正しい選び方

NASに家族の写真や動画、テレビ番組を録画するだけの時代は終わり、今のNASは直接サーバ上でドキュメントを作成したり、WordPressの環境を構築することも、簡単にできるようになりました。

職業上、今まであらゆるメーカーのNASを導入してきましたが、単純にテレビ番組の録画を保存するだけの物もあれば、家庭内のマルチメディアサーバはもちろん仕事でも十分に使える高機能な製品もあります。

同じNASでもできることに大きな違いがあるので、自分が考えるやりたいことに合わせた製品選びをしないと後悔することになりますので、値段や知名度だけで製品を選んではいけません。

そこで今回は、今まで数十台導入してきたNASのなかから、初心者はもちろんパソコンに慣れている方にもおすすめな、家庭で使える製品をいくつかピックアップして紹介します。

テレビ番組を録画するだけならNASは不要

いきなり本題から逸れてしまいますが、余計な投資をしないためにテレビ番組を録画するだけでならNASではなく、USB接続の外付けHDDで十分です。

外部電源のいらない2.5インチの2TB HDDなら1.5万円以下で購入できまので、録画のためだけに電源コンセントを用意する必要がなくなります。

テレビとNASを有線接続するならHUBが必要になりますし、無線で接続するなら無線アクセスポイントが必要になるなど、テレビ録画をするためだけに通信環境を構築するのはメリットがありません。

また、LAN配線のいらない一般的な周波数の無線接続は、電子レンジを使用すると電波が干渉して通信が切れてしまいますし、通信速度の遅い規格だと映像がスムーズに表示されないなど、クリアしなければならない課題が沢山あります。

これからNASを購入しようと考えている方に説明する内容ではありませんが、テレビ番組を録画して視聴するだけならUSB接続のHDDで充分です。

無線アクセスポイントにHDDを接続して共有

家庭用無線LANアクセスポイントには、ハードディスクをUSB接続してNASと同じ様にデータを共有できる機能のある製品もあります。

既に無線アクセスポイントがあるなら低予算でNASの構築をできますが、USBは長時間の接続をすると認識しなくなる場合があるので、一時的なデータの物置として使うのが良いでしょう。

2台のディスクで冗長化した外付けHDDを接続すればデータの保護という意味では役にたちますが、そこまでコストをかけるならNASを購入する方がお得です。

家庭用ホームサーバー選びで最も重要なのは、データ保護と安定した稼働なので、USB接続などの障害になりえるポイントはできるだけ排除してください。

おすすめのNASの定義

ここからが本題ですが、家電量販店のスタッフに相談しておすすめのNASを購入するも、実は単純にデータを保存するだけの時代遅れのホームサーバで、高い買い物をしたと後悔している人がいます。

NASを利用する目的や予算は人それぞれ異なるので、一律でこれがおすすめという製品の紹介方法よりも、購入してはいけない部類の製品を考えた方が失敗する可能性が低くなります。

NASにも一眼カメラと同じエントリーモデルの製品もあれば、ミドルレンジやハイエンドの製品がありますが、初めてのNASだからとローエンドの製品を選ぶと必ず後悔します。

カメラ初心者がハイエンドな製品を選ぶと後悔するのとは逆で、初めてのNASだからと堅牢性の低いローエンドな製品に大切な写真や動画を保存してはいけません。

家族や友達の写真や動画を保存するだけなら、家電量販店で売られている安い純家庭向けの製品で十分と思うかもしれませんが、実はここに大きな落とし穴があります。

テレビ番組を録画したり音楽をNASに保存する程度ならエントリーモデルの製品でも十分ですが、大切な家族や友達の思い出をPCと同じディスク1本のNASに保存するのは危険です。

ディスクをより多く搭載できるミドルレンジやハイエンドの製品は初期導入費用が高くなりますが、データ保護の機能が充実しているので、家庭で使うNASも企業で使えるクラスの製品をおすすめします。

1TBを越えるHDDが故障した場合、専門業者に復旧依頼をかけると20万円を軽く超えるので、堅牢性の高いミドルレンジやハイエンドのNASに投資した方が納得できます。

写真や動画を保存するだけがNASではない

NASはデータを保存できるディスクの容量はもちろん、メモリやCPUなどの性能の他にNASに予め搭載されている機能や、追加でインストールできるアプリの種類が重要になります。

家電量販店で売られている一般的な家庭向けのNASは、写真や動画を保存したりテレビ番組を録画するだけの面白味のない製品が多いので、これからNASを購入する方にはおすすめできません。

最近はアプリケーションを追加できるNASも増えてきましたが、機能面やアプリの数では圧倒的にSynologyやQNAPが優位で、仕事やプライベートでかなり役立ちます。

SynologyやQNAPの製品には、他社とは次元の違う高性能なハードウェアを搭載したモデルがあり、NASで仮想OSを動かしたりWebサイト公開したりすることのできる製品もあります。

SynologyやQNAPの製品にもエントリーモデルの製品があるので、全ての製品がおすすめという訳ではありませんが、少なくとも選択すべきメーカーであることは間違いありません。

エントリーモデルはおすすめできない

ここでのホームユース向けNAS製品とは、大手家電量販店などで一般ユーザーをターゲットに大量販売している製品を言います。

ホームユース向けの製品でも企業で使用することを想定した機能のある製品もありますが、あまり実用的ではない上に動作がかなり遅いので、家庭用として使用するにしても不満を感じる点が多くあります。

最も不満に思う点は、起動や操作画面の遅さですが、その他にも障害が発生したディスクを交換する時に共有へのアクセスが切れたり、操作画面が一切できなくなるというのもあります。

また、今時のNASはテレビ録画やデータの保存以外にも音楽や動画をスマホやPCで再生したり、ブログのサイトを構築できる機能があるのですが、家電量販店で売られている製品は機能が少ないものばかりです。

我が家でも過去に家電量販店で購入したホームユース向けの製品を購入したことがありますが、コスト以上のパフォーマンスを発揮してくれたとはとても思いません。

更に、当時はディスクが壊れた時も専用のディスクを使用するしかなく、結果的に業務用としても使える製品よりも高く費用がかかり後悔しました。

データの保存に特化した家庭用のNASは初心者でも導入がしやすいというメリットはありますが、これからNASを購入するなら企業でも使われる高機能な製品がおすすめです。

ハードディスクを選べるNASがおすすめ

一般的な家電量販店で売られている家庭向けのNAS製品は予めHDDがセットされているので、購入してからすぐに使えるという意味では楽ですが、NASを長く使用していくことを考えると、自分でディスクを装着するタイプがおすすめです。

NASに搭載するHDDは壊れにくい物を選ぶのが一番ですが、予めセットされている製品は品質の良くない製品が搭載されていることがあります。

ハードディスクは5年以上使用しても壊れない物もあれば、精密にできているHDDの内部は新品でもわずか3日で壊れてしまう時があります。

ある意味運の要素が強い製品ではありますが、壊れやすいメーカーや製品といのが存在するので、それなりに定評のあるHDDを選ぶのが基本です。

過去の実績で言えばWESTERNDIGITALのNAS用HDDが50本以上使用して1台も故障していないのでおすすめですが、世の中的にはHGSTジャパンのHDDが人気のようです。

HGSTジャパンのHDDも20本以上を3年使用していて故障率0%と優れているのですが、7,200rpmだからか高熱になりやすくクーラーの効いた部屋でしか使えないという印象です。

ホームユース向けの製品だと壊れにくいHDDを選ぶのが難しいのと、故障した時にその製品専用の割高なディスクを購入しなければならないこともあります。

NASを何年も使用しているとディスクの容量が足りなくなることもありますが、一般的なホームユース向けの製品だとディスクを増設して容量を増やすこともできません。

また、最近はNASにハードディスクよりも高速に動作するSSDを搭載する人が増えていますが、予めHDDが搭載されている製品ではSSDへの交換ができない場合もあります。

仮にSSDに交換できたとしても予め搭載されていたHDDが無駄になりますし、将来的な容量不足の解消を考えるとディスク機能の豊富な、SynologyやQnapの製品をおすすめします。

5年以上故障せずに使えたおすすめのNAS専用HDDとSSDの紹介

2018.04.20

企業向けのNAS

データを高いレベルで保護するという意味では、先程紹介したRAID1以外にもRAID6やRAID15, RAID16などが使えるディスクを8本以上搭載できる製品がおすすめです。

ただ、このレベルのNASを使うのは企業か予算に余裕のある人で、今回は家庭での利用を目的としたNAS初心者向けの商品を紹介するので対象外となります。

ディスクを8本以上搭載できる製品は本体だけでも10万円しますし、ディスクを合わせて購入すると20万円以上もするので、とても家庭用としては使えません。

搭載できるディスクの本数が多いと大容量の構成にすることができますし、空きスロットをSSDキャッシュとして使用できますが、Youtuberの様な映像データを多く取り扱う人でなければ不要です。

大容量のHDDが故障した際にデータ復旧を専門業者に頼むと20万円以上かかるので、データを保護する仕組みを手厚くできるという意味では優れていますが、やはり企業向けの製品となります。

NASには企業向けの製品と家庭向けの製品がありますが、一番簡単に区別する方法はディスクベイの数で、搭載可能なHDDの数が1本~4本までがホームサーバとして使われることが多く、それ以上は企業向けとなります。

家庭用でもディスク2本以上搭載できる製品を選ぶ

予算に余裕があるなら、HDDの故障時に自動で交換するために1本、そしてバックアップ用に1本の合計4本のディスクを搭載できる製品を選んでください。

ただ、ディスクを多く搭載できる製品はそれだけ値段が高くなりますので、家庭で使用するなら2ドライブ搭載可能な製品が現実的ではないでしょうか。

2本のディスクを搭載できると、リアルタイムでデータを複製するRAID1という仕組みを使えるので、最低限のデータ保護という目的を達成することができます。

RAIDはディスクの障害に対応できる仕組みで、HDDが1本しか搭載できない一般的なPCや1ドライブのNASと比べると、ディスク障害でデータが全て消えるリスクを減らすことができます。

ただ、RAIDは万全ではありませんので必ずデータは別のディスクにバックアップすることが大切なのですが、低予算を優先するあまりバックアップデータを保存するドライブのことを忘れてしまうことがあります。

家電量販店で売られてNAS製品はバックアップデータを内蔵ドライブにすることができませんので、後付けで外付けHDDを接続すれば良いのですが、それだとNASの周辺が配線だらけになり落ち着きません。

また、バックアップ用ディスクを常時USB接続していると、気が付いた時には接続が解除されているということが良くあるので、バックアップを確実にするにはおすすめしません。

確実なバックアップやNAS周辺の環境をきれいにすることを考えると、内蔵ドライブへバックアップが可能なSynologyやQNAPの4ドライブ以上搭載可能な製品が断然おすすめです。

※QNAPはAppcenterからHybrid Backup Syncをインストールすることで、別の内蔵ドライブへバックアップやレプリケーションをすることができますので、必ずインストールしてください。

簡単・快適・高機能なおすすめのNAS Synology DS918+製品レビュー

2018.04.25

SynologyのNASは操作が簡単

NASを管理する設定画面の操作性という意味ではQNAPも大変優れていますが、全体を通してみるとSynologyの製品の方が直感的な操作がしやすく初心者でもわかりやすいと思います。

こちらの画像はDiskStationの初期設定画面で、NASとPCをネットワークに接続しマニュアルに書かれているアドレスにブラウザでアクセスすれば、誰でも簡単にNASの設定ができます。

企業向けの製品と言えば専門的な用語や知識がないと使いこなせないと思うかもしれませんが、Synologyの製品は直観的に操作がしやすい管理画面です。

Synologyの製品は、ホームユーザーをサポートするアプリも充実しているので、初めてNASを購入する人でも簡単に機器の設定ができます。

企業で使われる製品なだけに、家電量販店で売られている製品よりも高性能な上に、企業向けの製品と同じOSが搭載されているので安定稼働します。

今までのNASはQNAP一択という感じでしたが、初心者でも初期設定や操作がわかりやすいSynologyの製品が人気で、これからNASを買う人におすすめです。

ValueかPlusがおすすめ

Synologyの製品h企業で使用することを想定しているので、ディスクの交換はもちろんメモリの増設や拡張ボードの追加ができる製品もあります。

その一方で、一般家庭で使うことを想定したローエンドの製品もあり、メモリ増設や一部の機能が使えないモデルもあるので、製品を購入する際には注意が必要です。

ディスクを自由に交換できるという点ではローエンドな製品でも同じですが、長く使うことを考えてメモリの増設ができるValueかPlusの製品を選びましょう。

データの保護を考えるとディスクを4本以上搭載できる製品がおすすめですが、予算のことを考えると2本が限界という方には、Synology DsikStation DS718+がおすすめです。

Synology DsikStation DS718+はメモリの増設はもちろん、仮想OSを動かしたり拡張ユニットを使用してディスクの本数を増やすこともできます。

また、他のモデルの延長保証が2年なのに対しDS718+は3年保証なので、長く使うことを考えるとDS718+が断然おすすめです。

2018年最強の個人向けNAS(ホームサーバ)の選び方

2018.01.12



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